マングローブ植林プロジェクトによる生態系サービスの経済的価値について

東京海上日動火災保険株式会社(社長 永野 毅、以下「当社」)は、植林NGO*をパートナーとしてアジア・太平洋地域において行っているマングローブ植林プロジェクトについて、株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長 大森 京太)に調査を委託し、国際的に認められた方法論に従い評価したところ、1999年4月から2014年3月末までの間に生み出された生態系サービスの価値が累計で約350億円に達しているとの試算結果を得ましたので、お知らせいたします。
当社はこれからも、政府・自治体や非政府・非営利団体等と連携し、国内外でマングローブ植林をはじめとする環境保護活動を推進し、安心・安全でサステナブルな未来の創造に貢献してまいります。

1.背景・方法論

当社では、1999年からマングローブ植林活動を継続しており、2015年3月末までにアジア太平洋地域9ヵ国において8,994haの植林を実施し、2009年度以降毎年国内の事業活動において「カーボン・ニュートラル」*を実現し、2011年度、2013年度および2014年度にはグループ全体でも「カーボン・ニュートラル」を実現しています。
近年、専門家による生物多様性や生態系サービスなど「自然の恵み」の価値を評価する手法が進歩し、企業がCSRプロジェクトの社会的価値を評価する取り組みが注目されています。
そこで当社は、生態系と生物多様性に関する国際的イニシアティブを通じて開発された「ミレニアム生態系アセスメント」や「生態系と生物多様性の経済学(The Economics of Ecosystems and Biodiversity、TEEB)」などの方法論に従い、1999年4月から2014年3月末までの間に行ったマングローブ植林によって生み出された生態系サービスの価値を評価しました。

2.マングローブ植林プロジェクトによって生み出された価値の試算結果

マングローブ植林によって生み出された価値を評価した試算結果は次のとおりです。

生態系サービス 累計価値
(1)マングローブ生産物収穫量 約87.1億円
(2)現場外の漁業生産性の支援 約81.5億円
(3)海岸線の安定化と浸食防止 約73.5億円
(4)極端な気象からの避難所(被害軽減) 約57.7億円
(5)水質調整 約47.1億円
(6)炭素隔離(気候変動の緩和) 約3.4億円
合計 約350.3億円


生態系サービス別累計価値の分布


生態系サービス別累計価値の推移

3.その他の様々な便益について

マングローブ植林によって、前述の定量的評価の他、地域の人々の暮らしの向上、災害被害の軽減、気候変動の緩和など地域やグローバル社会に様々な便益が生み出されています。

地域の人々の暮らしの向上 植林した地域とその周辺に約125万人(約32万世帯)の人々が居住し、約13万人の人々が主たる収入や雇用の源としてマングローブ林から得られる水産資源に依存しています。また、少なくとも3.5万人(9,000世帯)が家庭用の燃料としてマングローブの薪を利用しています。
災害被害の軽減 少なくとも50万人の人々が、マングローブによって、暴風雨、高潮、浸食、塩水の浸入、水質汚染等から保護されています。
気候変動の緩和 世界中の人々が、マングローブとその土壌が約50万トンの二酸化炭素を蓄積することによる利益を享受しています。


なお、当社のマングローブ植林等の取り組みについては以下をご参照ください。

以上