新型インフルエンザに対する予防対策とご家庭での備え
1.予防対策
新型インフルエンザに対して、事前対策を行うことで、感染被害を可能な限り抑えることに結びつきます。
新型インフルエンザの予防対策を検討する上で、有効な基礎知識をご紹介します。
予防・治療の知識
新型インフルエンザは発生してみなければその特性を正確に把握することはできません。しかし、過去の新型インフルエンザのパンデミック事例や季節性インフルエンザへの対策をもとに、予防対策や罹患した場合の対処をあらかじめ準備しておくことで、新型インフルエンザのリスクを減らすことができると考えられます。
a.感染経路について
インフルエンザウイルスは、人の目の結膜や鼻やのどの粘膜を通じて人の細胞に感染して増殖しますが、主な感染経路は飛沫感染と接触感染の2つがあります。
| ■飛沫感染 インフルエンザウイルスに感染した人が咳やくしゃみをすることで排泄するウイルスを含む飛沫が飛散し、これを近くにいる人が吸い込み、ウイルスが粘膜に接触することで感染する経路です。咳やくしゃみなどの飛沫は1〜2m飛散して落下するといわれているため、基本的にそれ以上の距離を保てれば飛沫感染のリスクを減らすことができます。 |
![]() |
| ■接触感染 主に、インフルエンザウイルスが付着したドアノブやつり革、スイッチなど不特定多数の人が触るものを介して、インフルエンザウイルスが手に付着し、その手で目や鼻をこすってウイルスが粘膜に接触することで感染する経路です。手で髪の毛や目、鼻を触る癖を持っている人は、特に注意が必要といえます。 また、空気感染といわれる感染経路もあるといわれています。咳やくしゃみに由来するウイルスを含む飛沫において、その水分が蒸発し、より小さな飛沫核となって空気中を漂い、それを離れた場所の人が吸い込むことで感染が起こる経路です。ただし、現時点では新型インフルエンザの主な感染経路と考えられるのは飛沫感染と接触感染で、一般的に空気感染の起こる可能性は非常に低いといわれています。 |
b.手洗い・うがい・マスクについて
最も基本的な感染予防手段として、手洗い・うがいの励行、マスク着用が挙げられます。手洗い、うがい、マスクはウイルスの感染経路を遮断する効果があるため、新型インフルエンザウイルスの感染を予防する上で有効と考えられています。
| ■手洗い 手洗いは接触感染を予防する効果があります。具体的には、外出したり、不特定多数の人が触れるものへ接触したりした後に必ず実施することが望ましいといえます。手に付着したウイルスを除去するために石けんを使用して手首、指の間、爪の間までしっかり洗うことが基本ですが、消毒用アルコールを用いて手指の消毒を行うこともウイルスを除去する効果があります。 |
| ■うがい 手洗いと同様に外出後は必ずうがいを行うことが望ましいといえます。うがい薬を使用して、のどの奥までしっかりとうがいをすることで口腔内や気道に付着したウイルスを減少させる効果があります。 |
| ■マスク マスクは咳やくしゃみによる飛沫感染を周囲に拡大しないために着用します。 これは一般的に咳エチケットとよばれており、特にサージカルマスク※を着用することが効果的であるといわれています。 一方、非感染者が感染予防を目的として着用する場合には、N95規格等のマスク※が望ましいといえます。
本動画は、WMV ファイル形式の動画ファイルで作成されています。WMVファイルをご覧いただくためにはMicrosoft MediaPlayer(無償)が必要です。 MediaPlayerをお持ちでない方は、ボタンをクリックしてMicrosoft社のページを開きMediaPlayerをダウンロードしてください。 新型インフルエンザ対策防疫品について、正しい使用方法をご案内しています。 新型インフルエンザ対策防疫品の使用方法(PDF:464KB) (東京海上日動リスクコンサルティングホームページ掲載) |
c.ワクチンについて
不活化したインフルエンザウイルスをもとに製造されたワクチンを接種することにより、そのウイルスに対する免疫を持つことができます。免疫を持つ人が増えるほど、新型インフルエンザの流行が抑えられるため、新型インフルエンザを予防するためには、ワクチンの接種を行い、新型インフルエンザウイルスに対して免疫をつけることが非常に有効とされています。
しかし、ワクチンは、新型インフルエンザが発生して初めて製造が可能となります。更に現在の製造方法では、製造から出荷まで最短でも6ヶ月程度かかり、日本国民全体に行きわたるには1年半もの時間がかかるとされています。現在、国民全体に行きわたる期間を半年程度に短縮するためのワクチン製造法に関する研究が進められています。
d.抗インフルエンザ薬について
インフルエンザの治療には、インフルエンザウイルスが体内で増殖することを抑える「抗インフルエンザ薬」の利用が有効とされています。現在、一般的な抗インフルエンザ薬には、オセルタミビル(商品名はタミフル)、ザナミビル(商品名はリレンザ)の2種類※があります。
※アマンタジン(商品名はシンメトレル)という抗インフルエンザ薬もあります。
| オセルタミビル(Oseltamivir) | ザナミビル(Zanamivir) | |
| 商品名 | タミフル | リレンザ |
| 販売・製造 | ロシュ(Roche) (日本での販売は中外製薬株式会社) | グラクソ・スミスクライン(Glaxo SmithKline) |
| タイプ | 錠剤 | 吸入粉末剤 |
| 対象 | A型、B型の治療・予防 | A型、B型の治療・予防 |
| 効果 | ウイルスが増殖する過程で、宿主細胞から遊離する際に欠かせないノイラミニダーゼ酵素の働きを阻害する。 | ウイルスが増殖する過程で、宿主細胞から遊離する際に欠かせないノイラミニダーゼ酵素の働きを阻害する。 |
| 備考 | 耐性を持つインフルエンザウイルスが見つかっている。服用後に未成年者の異常行動例が報告されているが、タミフルとの因果関係については不明である。 | タミフル耐性ウイルスの出現で再度注目を浴びている。 |
これらの抗インフルエンザ薬は、体内でのインフルエンザウイルスが増殖することを抑える目的で用いられるため、発症後に早く使用するほど効果を発揮します。以下は、日本でタミフルを販売する中外製薬株式会社のホームページにある情報です。
インフルエンザウイルスは感染後約2日で最も数が多くなり、その後、減少します。タミフルはウイルスの増殖を抑える薬なので、発症してからタミフル服用までの時間が短ければ短いほど熱が下がるまでの時間が短いことが報告されており、発症後48時間以内の服用が有効と考えられています。(48時間以降の服用で有効性を裏付けるデータは得られていません)
引用:インフルエンザ情報サービス> インフルエンザQ&A > Q10
タミフルの新型インフルエンザに対する有効性は現在未確定ですが、新型インフルエンザにタミフル等の既存の抗インフルエンザ薬が有効であると認められた場合、できる限り早く服用することが重要と考えられます。
2.ご家庭での備え
新型インフルエンザの感染を避けるためには、感染者との接点を極力減らすため、不要不急の外出を極力控えることが大切です。このためには各ご家庭で食料品を備蓄しておくことが重要となります。備蓄する品目や量の目安を示した「新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド」をご参考に、できるだけ早期に、また計画的に食料品の備蓄に取り組んでください。
新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド(PDF:1,896KB)![]()
(発行: 農林水産省/協力: 東京海上日動リスクコンサルティング)
|
■家庭備蓄を実施する際のポイント 家族4人(両親、男の子、女の子)が2週間生活するのに必要な備蓄の例などを参考に早めに備蓄を始めましょう。 備蓄食料品の例 : 米 10kg、缶詰(魚介類、肉類) 30缶、レトルト食品 30食、冷凍食品 10袋、スープ類 12食など 以下の6つのポイントを参考に家庭備蓄に取り組みましょう。
|
2008年10月発行「新型インフルエンザ対策ハンドブック」より抜粋
(東京海上日動リスクコンサルティングホームページ掲載)
関連リンク集
以上


