Bangladeshバングラデシュはベンガル湾に形成されたデルタ地帯にある国です。頻繁に発生する洪水、サイクロン、竜巻による森林破壊、土壌劣化、侵食被害に悩まされています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

チョコリア・コックスバザール
ケオラ

チョコリア・コックスバザール
ケオラ

チョコリア・コックスバザール
ケオラ

モヘシカリ
バイン

モヘシカリ
バイン

モヘシカリ
バイン

バングラデシュでは、2011年度からNGOオイスカがマングローブ植林活動を進めています。バングラデシュでは避けることができないサイクロンの災害被害を減らす対策として、マングローブ植林が現地自治体や住民から熱望されています。

マングローブ植林活動状況

バングラデシュ南東部のコックスバザール県モヘシカリ郡では、ドルガットにある既存の植林地に加えて、今年から新しくマタバリという地区での植林も開始しました。バングラデシュは国全体がヒマラヤ山脈から流れる大河が形成するデルタ地域で、常に細かい砂が港湾施設に流入するリスクがあります。それを防止する目的で、マタバリ港湾施設の外縁にマングローブ植林が求められています。
加えて、マタバリには砂浜海岸も多いことから、マングローブ同様に地盤を安定させる効果がある、準マングローブに属するモクマオウを植えました。このことが防災・減災に貢献することを期待しています。


植林直後のマングローブの苗


運んできたモクマオウの苗を確認している様子


マタバリでの植林の様子

植林地の様子

コックスバザール県モヘシカリ郡ドルガットの植林地は、もともと広大な干潟でした。しかし、現地林業局と協力して5年以上のマングローブ植林活動を実施してきた結果、ほとんどの干潟は緑で埋まり、現在は森ができあがっています。
また、2022年度のマングローブ植林では、現地林業局の助言を受けて、2段階方式での森づくりを試みました。まず成木林の樹下に自生する野生の苗を、そのまま移して植林します。もし、状態の良くない苗があった場合は、後日ポット苗を使って補植活動をしていきます。
2022年11月に、約8ヘクタールの林で34,984本のマングローブを補植しましたが、生存率は7割程度と、ほかの植林地と比較しても良好だといえます。この方式は、今後も様子を見ながら実験的に行っていきたいと考えています。


ドルガットでのモニタリング調査の様子


ドルガットでマングローブを補植している様子


野鳥の楽園になりつつある植林地

今後の活動予定

次年度も、引き続き植林プロジェクトを進める予定です。また、コックスバザール県最南端、ミャンマー国境沿いの運河の内側にある海岸の植林候補地も、調査を継続していきます。