Indiaインドは、世界にあるマングローブ林の約2.8%の面積を保有していましたが、沿岸開発や一部劣化によって失われています。このプロジェクトでは、天然のマングローブ林が存在しなかったグジャラート州の河口で植林活動を行っています。

マングローブ植林活動レポート

インドでは、2009年からNGO「国際マングローブ生態系協会(ISME)」が、現地NGO「Daheda Sangh」とともに、インドマングローブ協会の協力を得ながら、ヴァドガム村の住民のみなさんとともに植林事業を進めています。多くの住民が農業で生計を立てているこの地域で、マングローブ植林を実施する目的は、「農地に浸入する海水を軽減すること」と、「乾季に家畜への飼料を供給すること」です。
マングローブを植えた干潟には、カニやトビハゼなどが増えたため、それらをえさとする水鳥の仲間が多く見られるようになりました。

マングローブ植林活動状況

2014年度は、引き続きグジャラート州のサバルマティ川河口の泥干潟で、ヴァドガム村に住むみなさんが、ヒルギダマシという樹種のマングローブを約100ヘクタールの泥干潟に植林しました。雨季には、大洪水が発生し、多くのヒルギダマシが流出してしまいましたが、約60ヘクタールのマングローブ林が無事に残りました。ヒルギダマシは背が低く、しっかりと根が土を捉える樹種であるため、根の周りでは土壌の堆積が進み、少しずつ地盤が高くなることで、海水の侵入を遅くする効果が期待されています。このように自然の猛威にさらされても、少しずつヒルギダマシの林を広げることは、ヴァドガム村のみなさんの農地や家畜、建物を洪水の被害から守ることにつながっているのです。


植林地へは、泥の中を片道2~3km歩きます


洪水にも負けずに育ち始めたヒルギダマシ


洪水により右の干潟からヒルギダマシが流出しました

植林地の様子

2014年度は乾季に雨がまったく降らなかったため、家畜の飼料が不足しましたが、今までに植林したヒルギダマシの若枝や葉を切り取って、乳牛やヤギにえさとして与えることができました。
ヴァドガム村では、ヒルギダマシの葉を家畜用の飼料に利用することもマングローブ植林の目的のひとつとしています。今回のように厳しい自然環境におかれたときにも、マングローブが役に立ったことは、うれしい収穫でした。


乳牛やヤギのえさとするため、刈り取った後のヒルギダマシ


発芽成長し始めたヒルギダマシ

今後の活動予定

2014年度は、干ばつと大洪水という自然災害がありましたが、植えたばかりのマングローブ林のうち、60%の面積が流されずに残りました。ヒルギダマシという樹種の強さをあらためて実感する機会となりました。2015年度は、今回流されてしまった40ヘクタール分も取り返すつもりで、ヴァドガム村のみなさんと一緒にヒルギダマシの植林を行う予定です。