Indonesia17,500を超える島々から成るインドネシアにおいては、海岸線の浸食を受けやすいジャワ島北部の沿岸部で植林活動を行っており、これまでの植林活動により、マングローブの林は広がっています。今後は村人たちが、マングローブを守り育てていく活動(保全活動)にも力を入れていきます。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

パティ ケルトムリョ村
ヒルギダマシ

パティ ケルトムリョ村
ヒルギダマシ

パティ ケルトムリョ村
ヒルギダマシ

パティ ケルトムリョ村
ヒルギダマシ

ペマラン
ヤエヤマヒルギ

ペマラン
ヤエヤマヒルギ

インドネシアでは1999年よりNGOオイスカが地元の自治体や住民のみなさんと連携しながらマングローブ植林活動を進めてきました。劣化するマングローブ林を再生し、海岸浸食から人々の生活を守ることを主な目的としています。

マングローブ植林活動状況

2022年度は、新型コロナウイルス感染防止のための規制は緩和され、国内にある7カ所の植林地でも以前のような活動が可能になりました。
ジャワ島中部ジャワ州のブレベスでは、2つの村で植林活動を行いました。Kaliwlingi村では3ヘクタールにヤエヤマヒルギを植えました。植林後の異常気象や大量のゴミが流れ込んだ影響はありましたが、それでも85%のマングローブが生き残り、生育を続けています。また、Grinting村では今年から新たな地元植林グループとの協働を開始し、13ヘクタールのヤエヤマヒルギを植えました。
ジャワ島の西ジャワ州にあるインドラマユでは、15ヘクタールの植林活動を実施しました。植えたヤエヤマヒルギは周囲環境の悪影響を受けることなく、安定した状態で生育を続けています。また、3,000本のマングローブ補植のほか、マングローブを植えることで堤防が守られることを理解した地域の人々が、自発的に養殖池の堤防周辺に5,000本のマングローブを植えました。
ジャワ島中央部北岸のダマックでは、Wedung村とBabalan村の2カ所で15ヘクタール、合計28,000本のマングローブを植林しました。周辺住民には、マングローブを植えることで環境を守りたい、という考え方が浸透し、植林活動が好意的に受け入れられています。


ブレベスでの植林活動の様子


植林後も順調に育っているマングローブの様子


ダマック・Wedung村での植林活動の様子

植林地の様子

これまで、マングローブ林の持続的な保全のため、「マングローブから得られる価値を、村人たちに理解してもらうための活動」を続けてきました。中部ジャワ州のパティでは、マングローブ加工品づくりを学ぶ機会を提供した結果、現在では、マングローブの根を染料としてバティック染めが行われるようになりました。このバティックは、地域の特産品として販売できるようになり、村人たちの生計向上に貢献しています。
ジャワ島の北東にあるマドゥラ島のパメカサンでは、マングローブの花の蜜を利用してハチミツを生産する養蜂活動が行われています。マングローブの開花の季節が一定ではないなど、難しい面もありますが、ハチにパームシュガーを薄めた砂糖液を与えるなどの工夫をしたおかげで、2022年度の上半期だけで、650mlボトルで4本分のハチミツが収穫できました。
インドラマユの海岸に植えたモクマオウは、強い波や高潮による被害を軽減する効果を発揮していますが、村人たちはその樹間にスイカをはじめ、キャッサバ、カボチャ、パイナップル、ドラゴンフルーツ、唐辛子、トウモロコシ、バナナ、マンゴーなどを試験的に栽培してきました。こうした野菜栽培にともない、雑草を刈ったり、風で倒れないように横に伸びた枝を切ったり、排水溝を作ったりと、住民グループが自発的にモクマオウ植林地の保全・管理を行っています。


マングローブ染料を使ったバティックづくりの様子


保全活動の一環で取り組んでいる養蜂活動


モクマオウ植林地樹間でのスイカ栽培

今後の活動予定

次年度も引き続き、マングローブ植林活動とともに、保全・管理の啓発活動も併せて実施していきます。