Thailandタイでは、第2次世界大戦後、スズの採掘、エビの養殖場や船着場の造成、炭作りなどの開発により天然のマングローブ林が伐採されてきましたが、ラノーン県ではこれまでの植林活動により大きなマングローブ林が広がっています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

ラノーン県 ヤエヤマヒルギ

ラノーン県 ヤエヤマヒルギ

ラノーン県 ヤエヤマヒルギ

ラノーン県 ヤエヤマヒルギ

ラノーン県 ヤエヤマヒルギ

タイでは、1999年よりNGOオイスカがラノーン県のマングローブ資源開発局の協力を得て、地元住民のみなさんの参加に重点を置いたマングローブの植林活動を実施しています。住民のみなさんはマングローブ林についての理解を深め、その大切さを実感し、多くの人が自主的に植林、補植の活動に参加するようになってきました。今後は保全活動の一環として、植林地のマングローブの種類や樹高、生物多様性などについて調査することにも力を入れていくことにしています。

マングローブ植林活動状況

タイ南部ラノーン県のコンティ島が、2022年度の植林地です。荒れ地や疎林を再生するのではなく、海岸線に新しくマングローブ林を造りました。8ヘクタールの植林地に植えたオオバヒルギ35,000本が順調に育てば、周辺住民の生活が高波や津波などの災害から守られるようになります。
また、現地法人TOKIO Marine life insurance Thailandが植林ボランティアを実施し、社員90名が約5,000本の苗木を植えました。
なお、ラノーン県では、2021年度から日本政府支援によるマングローブ林の再生と周辺住民の収入向上を目指すプロジェクトが開始されています。当地での取り組みが日本政府に支援されるようになったのは、これまで22年間もマングローブの植林活動を継続してきた、当プロジェクトの実績が高く評価された結果だといえます。


海岸線に近い場所でマングローブを植える様子


上がってきた潮に注意しながら植林する様子


3カ月後、順調に成長を続けるマングローブ

植林地の様子

当プロジェクトでは、植林地の周辺住民でグループを編成し、各グループが情報共有しながら協力して、計画的にマングローブの再生・保全活動を長年続けてきました。その結果、グループメンバーの知識や技術が向上し、より効果的な活動が実施できています。
現在では、これまでの植林地が豊かな森として再生され、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)という点でも、災害リスクの低減をはかることができています。ほかにも、生物多様性、住民の収入向上、地域の協力性強化などの効果が得られ、地域の環境、経済、社会に良い影響をもたらしています。
また、マングローブ林保護グループは気候変動の影響に対応するため、政府機関などが開催する研修や会議に参加したり、職業グループを作って持続可能な経済活動に取り組んだり、さまざまな活動にも積極的に参加しています。


再生した森をカヤックで散策するエコツアーの様子


マングローブの葉を活用した石鹸、お茶、塗り薬


森づくりから製品づくりへと活動を発展させたンガオ村の取り組みが取材されました

今後の活動予定

次年度も、ラノーン県でのマングローブ植林活動を実施する予定です。