Vietnamベトナムでのマングローブ植林プロジェクトは20年以上が経過し、大きなマングローブ林が広がっています。ベトナム北部から中部、まれに南部も台風による高潮被害にみまわれるため、マングローブ林は天然の防波堤としての大きな役割が期待されています。今後は防災効果が期待される沿岸部などに植林を行うため、適正な樹種を見極めるための試験植林や、劣化した植林地の再生などの保全活動に力を入れることにしています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

ドンズイ村 ヤエヤマヒルギ

ドンズイ村 ヤエヤマヒルギ

ドンズイ村 ヤエヤマヒルギ

ドンズイ村 ヤエヤマヒルギ

ドンズイ村 ヤエヤマヒルギ

ベトナムでは、1999年からNGO「マングローブ植林行動計画(アクトマン)」が、MERD(ベトナム国家大学マングローブ生態系研究センター)および、現地の住民のみなさんとともに、マングローブ植林事業を実施しています。伐採を前提とした木材生産ではなく、防災林や環境林など沿岸部の保護林の造成を主な目標としています。これにより生態系が回復し、地域住民は恩恵を受けることができます。

マングローブ植林活動状況

2022年度は、ベトナム北部のホン川河口域にあるクアンニン省クアンイエン市ハアン村で、植林活動を行いました。植林面積は5ヘクタールです。植えたのは、地盤高が低い地域への適応力が高いベニマヤプシキで、活着率を高めるために2年生の鉢苗を用いました。
まず、ハイフォン市ティエンラン郡で育苗したベニマヤプシキの2年生鉢苗を、ハアン村の船着き場までトラックで運搬し、そこから植栽区までは満潮時に船で運びました。そして、海岸堤防の前にある遠浅の干潟、5ヘクタールに2,500本のベニマヤプシキの苗木を植えました。波風による苗の流失や揺さぶり被害を軽減するために、植栽された苗は、竹の支柱で固定しています。
苗の活着率は、植栽9カ月後の2023年4月時点で7~8割ほどです。ベニマヤプシキは耐寒性が強い樹種ではありませんが、冬を越しても順調な生育を続けています。


植林後に竹の支柱で支えているベニマヤプシキ


植林から9カ月が経過したベニマヤプシキ


船でベニマヤプシキを植林現場まで運ぶ様子

植林地の様子

新型コロナ感染拡大による渡航制限により、日本からの現地調査は中断していましたが、2022年9月から再開しました。クアンニン省、ハイフォン市、ソクチャン省といった場所で、当年度植林の生育観察、前年度と一昨年度の植林地の評価、試験植栽の生育観察、次年度の植林候補地の選定などを実施しました。


2010年にメヒルギの種をまいた、植林地の様子


2010年にヤエヤマヒルギの種をまいた、植林地の様子


今後の植林計画について、打ち合わせている様子

今後の活動予定

次年度は、クアンニン省ハイハー郡クアンフォン村と、クアンニン省クアンイエン市ハアン村の植林地、各10ヘクタールずつにマングローブを植える予定です。