Vietnamベトナムでのマングローブ植林プロジェクトは16年経過し、大きなマングローブ林が広がっています。 今後は防災効果が期待される沿岸部などに植林を行うため、適正な樹種を見極めるための試験植林などの保全活動にも力を入れることにしています。

マングローブ植林活動レポート

ベトナムでは、1999年からNGO「マングローブ植林行動計画(アクトマン)」が、MERD(ベトナム国家大学マングローブ生態系研究センター)および、現地の住民のみなさんとともに、マングローブ植林事業を実施しています。「防災林や環境林など沿岸部の保護林の造成」や「放棄されたエビの養殖池を森に戻すこと」を主な目標としています。
住民のみなさんは、植林されたマングローブが天然の防波堤となることで、台風などのときに海の荒波が穏やかになったことを実感しています。

マングローブ植林活動状況

2014年度は、ベトナム北部にあるクアンニン省ティエンイエン郡ドンズイ村と、タインホア省ハウロック郡ダーロック村の2地域で、新規植林が行われました。ドンズイ村では、養殖池跡地の干潟84ヘクタールにメヒルギという樹種の種子が植えられ、そのうち約90%が生存しています。ダーロック村では、堤防前の遠浅の干潟50ヘクタールにベニマヤプシキという樹種の苗を植えました。ここは柔らかい干潟で天然のマングローブが無い場所のため、波風や苗の流出の被害を抑えたり、活着率を高めたりする工夫が必要です。竹の支柱で添え木をして植えたところ、約70%が根付いているとの報告を受けました。

また、ベトナム中部にあるニントゥアン省ニンハイ郡では、保全活動の一環として、農業・漁業普及センターと協力して、減少したマングローブ林の再生に向けた試験植林を開始しました。現在、苗に添え木をして植林した効果と、隣のカインホア省で採れたオオバヒルギの胎生種子の成長効果を見守っているところです。また、移植したヤエヤマヒルギとヤエヤマヒルギは順調に生育していることが報告されており、今後も観察を続けていきます。


2015年4月にドンズイ村の干潟に植えられたメヒルギ


2014年にダーロック村の干潟に植えられたベニマヤプシキ


ニンハイ郡で試験植林中の
オオバヒルギとヤエヤマヒルギ

植林地の様子

ドンズイ村のマングローブの周りには、ヒルギシジミやドロアワモチなどの貝類、ホシムシといった生物が見られるようになりました。とくにドロアワモチは、マングローブ植林前の調査では見られなかったため、まさに植林の効果と言えそうです。これらは村のみなさんの食卓に上るほか、仲買人に買い取ってもらうこともできます。ダーロック村では、天然の防波堤であるマングローブのグリーンベルトが広がり、災害を防ぐ力が強化されました。また、マングローブの周辺ではカニが獲れるようになり、村のみなさんの収入源となっているほか、マングローブの花を利用した養蜂も行われるようになり、年間10トンほどのハチミツを生産できるようになりました。これらは、マングローブからもたらされるうれしい恵みです。


2011年に植えたメヒルギの4年後の様子。立派に育っています。


ドンズイ村のマングローブ干潟で採取された魚介類


ダーロック村のマングローブ干潟に生息するカニ

今後の活動予定

2015年度は、クアンニン省ハイハー郡クアンフォン村にある20ヘクタールの干潟に、ヤエヤマヒルギの種子などを新規に植える予定です。また、クアンニン省クアンイエン市ハアン村では、保全活動として、ベニマヤプシキによる補植を行います。8月には、当社によるマングローブ植林体験ボランティアツアーを実施し、当社の社員および国内外のグループ会社社員、OB、またそのご家族など55人がドンズイ村を訪れ、植林を行います。