記憶力は安全運転の鍵になる

2011年7月号

今月のクイズ

車両通行止めの標識は、次のどちらが正しいでしょうか?

記憶というと、「覚える」「蓄えた情報を保つ」ことに目が向きますが、運転では「蓄えた情報をいつでも引き出すことができるようにする」働きが重要です。
今月は、運転をするときに記憶がどのように働いているのかみてみましょう。

正確な知識と今までの経験が安全運転につながります

前方に見える交差点の信号が赤色のとき、ドライバーは「信号」「赤色」を手がかりにして無意識のうちに記憶の中を検索し、「停止位置で止まれ」の意味を見出して、「ブレーキを踏み、車を停止」させようとします。このように、運転をする上での記憶は、蓄えている知識と経験から必要な情報を引き出し、意思決定する働きを支えています。

また、事前にバイクを追い越し、そのことを記憶していたとしたら、停止したときにサイドミラーで確認できなかったとしても、「もうすぐバイクが来るかもしれない」と注意を振り分けることができます。このように、状況に対応するための瞬間的な記憶もあります。
安全な運転をするには、正しい知識と経験を記憶し、必要に応じていつでも引き出せるようにすることが重要です。

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必要なときに正確な知識を思い出せるようにしましょう

高齢運転者標識が四葉のクローバーのデザイン(2011年2月施行)に変わったことは、ご記憶の方も多いと思います。では、2008年6月に施行された、左図の『聴覚障がい者標識』を皆さんは覚えていますか。高齢運転者標識と同様に、この標識をつけた車に不必要な幅寄せや、割り込みをした場合は交通違反になります。
交通ルールや道路標識など運転に関する記憶は、常に最新の情報に書き換えて、必要なときに正確な知識を思い出せるようにしましょう。
ただし、誤った情報が蓄積されてしまうと、思い込みによる事故を起こしやすくなるので、正確に覚えることが大切です。

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豊かな知識と経験は、問題解決力を発揮します

最近はカーナビが普及しているため、地図を開いて調べることも少なくなりましたが、それでも見知らぬ土地に行くときは、あらかじめ地図などでルートを確認する方も多いはずです。そのとき、ドライバーはポイントを押さえ、目的地までのルート全体を把握しようとします。
しかし、実際に運転してみると事故や工事で通行止めだったり、予定と違うことが起こることがあります。このときドライバーは目的地までのルート全体を思い出し、案内標識や手がかりとなる建物などを観察しながら推理し、新しいルートの予測を行おうとします。

また、自分が今いる位置や目的地の方向を見失わないように、周囲の状況と地図を頭の中で照合しながら方向感覚の調整もしています。
正しい知識を身につけ運転経験を積んでいると、全体を把握してイメージすることができ、問題があればその先を予測して解決する方法を見出すことができます。
豊かな知識や経験は、運転する際に必要な問題解決の力を発揮することにつながります。

意味をよく理解して覚えましょう

「覚えるのが苦手」という方でも、興味のあることは集中しやすく、意味をよく理解して覚えています。また、こういった場合には周辺情報と関連付けて覚えるので、記憶が整理整頓されて蓄えられており、思い出すときも容易に引き出せるのです。
たとえば、『聴覚障がい者標識』の場合、「蝶の標識が、耳に似ている」→「ドライバーは警告音や周囲の音が聞き取りづらいかもしれない」→「相手に不安を抱かせる運転をしてはいけない」と、イメージを広げ、連想しながら覚えてみましょう。
覚え方は人によって違いがあると思いますが、新しい情報や技術に接したときには、例えば「なぜこの形なのか」と疑問を持ち、その理由や意味をよく理解して覚えると記憶に残りやすくなります。また、想像を膨らませ、覚える事柄を具体的にイメージして覚えると、思い出すときに記憶の中から引き出しやすくなります。

情報の理由や意味をよく理解して、正しい知識を記憶し、安全運転に役立てましょう。

今月のクイズの答え