飲酒が運転におよぼす影響

2011年12月号

今月のクイズ

体重60kgの男性が、午後の6時半に350mlの缶ビールを2本飲んだとき、血中からアルコールが消えると思われるのは次のどの時間になるでしょうか?

  • (1)午後9時ごろ
  • (2)午後11時ごろ (※個人差があります)

各業界団体の飲酒運転根絶キャンペーンや悲惨な事故のニュースなどにより、事故の件数も年々減少してきています。しかし、その数が「0」にならないというのが現実です。
今月は、飲酒が運転におよぼす影響についてみてみましょう。

飲酒運転は、死亡につながる悲惨な事故を起こす率が高くなります

2010年中(警察庁データ)に起きた飲酒運転による事故は5,553件ありました。そのうち死亡事故の件数は287件で、10年前の5分の1に減少しました。しかし、全事故の死亡事故率が0.5%であるのに比べ、飲酒運転による死亡事故率は5.2%と約10倍も高くなっており、依然として飲酒運転は重大事故につながる可能性が高いということがわかります。

さらに、昼夜別の死亡事故の発生状況をみると、全事故の死亡事故件数は昼が2,397件で、夜が2,329件とあまり変わりないのに比べ、飲酒運転による死亡事故件数は昼が83件で、夜になると約2.5倍の204件に増えています。お酒を楽しむことが多い夜は、周囲が暗くて見通しが悪くなり、結果として重大事故を引き起こしています。
また、飲酒運転による死亡事故件数の内容をみると、千鳥足状態である「酒酔い」*1は35件ですが、受け答えはできるが体にアルコールが残っている状態の「酒気帯び」*2と「基準以下」*3は合わせて221件と多く、全体の77.0%も占めています。飲酒しているにもかかわらず運転し、重大事故を起こすケースが多いことがわかります。

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「もう酔いは醒めたから・・・」は本当に醒めているのか

楽しい仲間と飲むお酒は、開放的で愉快な気分にさせてくれます。それはアルコールが体内に入ると、血液によって体を駆け巡り、脳を麻痺させるため理性が働きにくくなるためです。しかし、飲酒後30分くらい経過すると血中のアルコール濃度は徐々に下がり、酔いが醒めたように感じられます。たとえば、2時間も経過すると、「酔いは完全に醒めた」と考えるかも知れませんが、実際に体重60kgの成人男性が500mlのビールを飲みアルコールが体外にでるまでには3~4時間かかります。お酒の量が増えれば、それだけアルコールが消失するまでの時間も延びます。(※人により個人差があります。)
また、血中にアルコールが残っている状態では、多少なりとも理性の働きを妨げる状態が続いているので、気持ちが大きくなっており、「もう大丈夫」と思い込んだり、「酔いは醒めた」と安易に判断してしまうことがあります。
お酒を飲むときは運転を止め、飲酒量が多いときは次の日も運転を控えましょう。

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血中にアルコールが残っていると、運転に影響が出てきます

本人は酔いが醒めたと思っていても、血中にアルコールが残っている状態にあると、多少なりとも脳は麻痺しており、脳からの命令を伝える神経の働きが抑えられているので、運転に必要な各機能の働きが鈍くなっています。
たとえば、普段は目前にカーブが迫れば、速度を落としてハンドルを適切にきることができます。しかし、血中にアルコールが残っている状態では、「危ない」と気づくのが一瞬遅れることがあり、適切な対応ができず、あわててハンドルをきりすぎたり、急ブレーキをかけたりと、運転すること自体が危険な状態です。

血中にアルコールが残っている際の運転に及ぼす影響

飲酒量にかかわらず、血中のアルコールは運転に大きな影響を与えます。
飲酒運転は非常に危険です。
お酒を飲むなら運転は止めましょう。

今月のクイズの答え