見ていたはずなのに事故になる!? ~なぜ、相手の動きを見極められず、結果的に判断を誤るのか?~

2013年7月号

今月のクイズ

2012年中の警察庁のデータによると、相手の存在を認知していたのに相手の動きに対する判断を誤ってしまった(動静不注視)事故は、約7万1千件も発生しています。これは、交通事故全体の約何%を占めているでしょうか。

  • (1)6%
  • (2)11%
  • (3)16%

渋滞で車が止まっているときに「隣の車が動いたのでつられてブレーキから足を離そうとしたら、先行車が止まったままであることに気がついた」ということはありませんか。前を向き、目は先行車をとらえているはずなのに、相手の動きに対する判断を誤ってしまう「動静不注視」は、なぜ起きるのでしょうか。
今月は、この「動静不注視」によって起きる事故の内容を分析するとともに、どのようにして判断を誤り事故を起こしてしまうのかをみてみましょう。

「動静不注視」により、どのような事故が起きているのでしょうか

交差点で右折する際、ドライバーは対向車の動きを見てその距離を感覚でつかみ、「自分が運転する車が先に曲がれるか」、「対向車をやり過ごすか」を瞬時に判断し、運転しています。
2008~2010年の3年間に、信号のある交差点で起きた右折時の車対車の死傷事故を、ドライバーの人的要因別にみると、「安全不確認」に続いて「動静不注視」が2番目に多く、全体の約17%を占めています。交差点での右折では、確認することが多く、複雑な判断と操作を繰り返さなければならない状況です。そのなかで、相手の動きに対する判断を誤って事故が発生していることがわかります。
では、どのような誤った判断によって、事故を起こしているのでしょうか。2000~2009年の10年間に、右折時に車と衝突事故を起こしたドライバーに、聞き取り調査を行い分析した結果(図1)をみると、「先に行けると判断」したドライバーが48件で全体の約29%を占めています。他にも「相手が停止すると判断」、「相手が右左折すると判断」など、自分が運転する車に都合よく判断し行動してしまった結果、事故を引き起こしています。なぜ、対向車を認知していたにもかかわらず、自分にとって都合のよい判断をしてしまうのでしょうか。

(図1)四輪車対四輪車「右折時事故」を引き起こした側の人的事故要因

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どのようにして判断を誤り、事故を起こしてしまうのでしょうか

注意すべきものを発見してから、運転操作に必要な判断を行うまでの過程を通して、右折時の事故に至るまでの経過をもう少し詳しくみてみましょう。

図:安全な右折と危険な右折

相手を目視していたのに、相手の動きに対する判断を誤ってしまう事故を起こさないためには、

今月のクイズの答え