後部座席でのシートベルト非着用はこんなに危険!

2013年12月号

今月のクイズ

2012年10月1日~10日の10日間に、全国の一般道路でシートベルトの着用状況を調査したところ、運転者の着用率は約97.7%、助手席乗員の着用率は約93.2%でした。では、後部座席乗員の着用率は次のうちどれでしょうか?

  • (1)約93.2%
  • (2)約63.2%
  • (3)約33.2%

車の後部座席に乗るときに「近い距離だから」「面倒くさいから」「いつも締めていないから」と考えてシートベルトを着用せずに乗車してしまうことがありませんか?
今月は、後部座席でのシートベルト非着用の危険性についてみてみましょう。

シートベルト非着用時の死傷者は6歳から増え、特に16~24歳の若者が多くなります

2008年~2010年の3年間に起きた交通事故で、後部座席で死傷した人のうち、シートベルト非着用者の割合を年齢別(図1)にみると、6~9歳で大きく上昇します。6~9歳のシートベルトの使用状況(図2)をみると、大人用のシートベルトだけを着用(46.3%)したり、非着用で後部座席に乗車(41.2%)したりしているケースが多くなっています。チャイルドシートの使用義務がなくなる6歳になり、体格が大きくなっていても、まだ大人の身体の大きさにはなっていません。後部座席で子どもを安全に座らせるために、体格に合ったチャイルドシート・ジュニアシートの使用が必要です。
一方、16~24歳の死傷者数のうち51.8%が、シートベルト非着用で死傷しています。この年代が特に後部座席でシートベルトを着用していない傾向がうかがえます。

(図1)後部座席で死傷した人の年齢別・シートベルト非着用率 (図2)後部座席で死傷した人のシートベルト使用状況(6~9歳)

シートベルト非着用時の死亡率は、着用時に比べ約3.5倍も高くなります

シートベルトを着用していないとどのくらい危険なのでしょうか。
2010年中に起きた交通事故による後部座席の乗員の死亡率を、シートベルト着用の有無別に比較(図3)してみると、シートベルト非着用での死亡率は着用に比べ約3.5倍も高くなります。

(図3)後部座席乗員の事故時のシートベルト着用有無別死亡率

車の衝突時に、後部座席の乗員はどのような衝撃を受けるのでしょうか

衝突時に、シートベルト非着用で後部座席に乗車していた場合、乗員はどのような衝撃を受け、どのような危険があるのでしょうか。

一瞬で、自分の体重の約30倍の衝撃がかかります

車が40km/hの速度で走行中、壁などに衝突したときに後部座席の乗員が受ける衝撃は、ビルの3階(約6m)から落下したときの衝撃とほぼ同じになります。このとき、身体には自分の体重の約30倍の力が瞬時にかかり、前へ押し出されます。

全身を打ちつける危険性があります

衝突前にドライバーがハンドルを切っていたり、衝突の角度によっては車が回転し、遠心力が発生します。その後、背もたれに身体を強く押し戻されるなど、身体は前後左右に振り回され、全身を打つ危険性があります。さらに、体重が軽ければボールのように飛んでしまい、全身を打ちつける危険性があります。

車外に放出される危険性があります

座っている場所によっては、衝突時に座席などの障害物に当たらず、そのままフロントガラスを突き破り、車外に放出される危険性があります。また、身体が強く戻されるときに、後方の窓を突き破り、車外に放出される危険性があります。体重が軽い子どもほど、飛び出す危険性が高くなります。

自分の身体が凶器になる危険性があります

40km/hで衝突した場合、後部座席の乗員の体重が60kgの大人だと、その約30倍の約1.8トンの力が前の座席の背もたれにぶつかります。後部座席の乗員が負傷する危険性はもちろんのこと、前の座席の乗員もエアバックと後部座席の乗員に挟まれ、胸部を圧迫して重傷を負う危険性があります。

シートベルトは身体に合わせて、正しく着用しましょう

シートベルトを着用していても姿勢が悪かったり、正しい位置に着用していないと、衝撃を受けたときにベルトで首を締めたり、内臓や骨を損傷するおそれがあります。 シートベルトは身体に合わせて、正しく着用しましょう。

シートベルトの正しい締め方

座席に深く座ります。
(肩ベルト)肩から胸骨を押さえ、首にかからないように着用します。
(腰ベルト)腹部の下の位置に左右の骨盤を挟むように着用します。
(バックル)差し込んだ後、しっかり接続されているかを確認します。
ベルトに締めすぎやたるみ、よじれがないことを確認します。

後部座席でのシートベルト非着用は、事故が起こった際に車内のあらゆるところに全身を打つ危険や、車外に放出される危険が伴います。また、身体が前の座席に当たり、その衝撃で前の座席の乗員にけがを負わせる危険性があります。シートベルトは身体に合わせて、正しく着用しましょう。

今月のクイズの答え