的確な状況認識をしよう

2014年5月号

今月のクイズ

2010年中の事故のうち、直進中の車が歩行者に接触した事故による死者数は、1,310人でした。そのうち、ドライバーの漫然運転や脇見運転等が原因となり、ドライバーが注意対象に気づくのが遅れて事故に巻き込まれた歩行者の割合は、次のうちどれでしょうか。

  • (1)30%
  • (2)50%
  • (3)70%

刻々と変化する交通状況の中で、ドライバーは瞬時に目の前の状況を認識し、どのように運転すればよいかを判断して、運転操作を行っています。状況認識が甘いと、その後の判断を誤り事故を起こす要因になります。今月は、状況認識とは何なのか、的確に状況認識をするためにはどうすればよいのかをみてみましょう。

ドライバーはどのように状況認識をしているのでしょうか

下図のように交差点を右折するとき、「このまま進んだら対向車とぶつかるかもしれない」と危険を感じ、「止まって様子をみよう」と交差点内で車を停止します。状況認識とは、1 ドライバーが瞬時に『注意が必要なポイント』があることに気づき、2 その『注意が必要なポイント』は「対向車」であり、「ぶつかる」危険性があることを理解し、3 「このまま進んだらぶつかるかもしれない」とその後に起きる可能性のある危険な状況を予測することです。もし、ドライバーに『注意が必要なポイント』についての知識がなく、その危険性を感じなければ、その後に起きる可能性のある危険な状況を予測することができずに、事故を引き起こす危険性があります。
的確な状況認識は、安全な運転方法を考えるもととなり、適切な判断、操作へとつながります。運転経験が豊富なベテランドライバーほど『注意が必要なポイント』に対する知識も増えるので、状況認識が円滑にできるようになります。
一方、ベテランドライバーでも自分の運転技能を過信してしまうと、危険に対する油断が生じます。また、焦っていれば「自分が運転する車が右折する余裕がある」と自分にとって都合が良いように状況を認識し、判断を誤る可能性があります。なお、運転以外のことを考えていると、『注意が必要なポイント』に気づかない可能性があります。運転中は、心を平静に保ち、周囲の交通状況を的確に認識しましょう。

図:交差点を右折する際の注意点

様々な交通状況があることを認識し、注意をはらいましょう

ドライバーは、隠れている『注意が必要なポイント』があることや、動きをつかみ難い『注意が必要なポイント』があることを理解し、状況を認識しなくてはなりません。身近なケースで考えてみましょう。

商店街や交通量が多い場所では…

自転車や対向車等、目に見えるものに注意が向きがちになりますが、配送等で停車中のトラックのドアが急に開いたり、路地から車が出てきたりする可能性もあります。
商店街や交通量が多い場所では、隠れている『注意が必要なポイント』があることを認識し、速度を落として注意をはらいながら走行しましょう。

図:トラックを追い越す自転車

バスが停車中のときは…

バスに乗ろうとしている少年がいるので発車までに時間があり、対向車や自転車に注意しながら追い越すことができそうです。しかし、バスが少年の乗車を待たずに発車したり、バスから降りた人が道を横切ったりする可能性があります。
停車中のバスを追い越す場合は、バスの動向や、バス前方には『注意が必要なポイント』があることをよく認識し、慎重に運転しましょう。

自転車を追い越すときは…

道路も空いており、そのまま快適に走行できそうですが、自転車が周囲の状況をよく確認しないで道路を横断する等、危険な動きをする場合があります。
自転車は、動きがつかみ難い『注意が必要なポイント』であることを認識し、自転車との間隔をあけて、十分に注意をはらいながら通過しましょう。

『注意が必要なポイント』についてどのような危険性があるのかを理解しましょう。
運転中は、心を平静に保ち、周囲の交通状況を的確に認識しましょう。

今月のクイズの答え