エンジンが止まったまま走行する危険性

2015年4月号

今月のクイズ

オートマチック車が、エンジンが止まったままの状態で走行し起きた事故の発生場所のうち、下り坂で発生した割合を次の中から選んでください。

  • (1)33%
  • (2)53%
  • (3)73%

オートマチック車が、走行中にエンジンが停止(エンスト)したり、エンジンが掛かっていないのに走行してしまうことがあることをご存知ですか?2011年~2013年の3年間に、オートマチック車がエンジンが止まったままの状態で走行して起きた事故は111件ありましたが、その原因は、坂道で「ギアが後退(R)のまま前進した」が36%、「エンジンを始動させずに進行した」が36%であり、ドライバーの運転操作の誤りによるものが全体の72%を占めています。今月は、オートマチック車がエンジンが止まったままの状態で走行して事故を引き起こす要因と危険性を理解したうえで、事故の発生防止と対処法をみてみましょう。

(出典:平成26年3月 国土交通省/独立行政法人交通安全環境研究所
「『エンジン停止走行』に繋がるおそれがある事象に関する調査」より弊社作成)

オートマチック車は、エンジンが止まったままの状態だとブレーキとハンドルが重くなる

どのような場合に、エンジンが止まったままの状態で走行してしまうのでしょうか。また、どのような危険性があるのでしょうか。

走行中にエンジンが停止するケース
坂道で、ギアをドライブ(D)にしたままブレーキから足を離して後退したり、バック(R)にしたままブレーキから足を離して前進すると、エンジンに大きな負荷がかかり停止することがあります。
下り坂で、対向車に出合い後退して道を譲った後に再度前進するとき等には、意識して必ずギアをドライブ(D)に直しましょう。
上り坂では、ブレーキから足を離したらすぐにアクセルを踏み込みましょう。

エンジンが止まったまま走行してしまうケース
エンジン起動の操作方法を誤るとエンジンが止まった状態になります。さらにその場所が坂道の場合は、ブレーキから足を離すだけで車が動き始めてしまいます。
プッシュスタート式の車の場合、ボタンの操作回数やブレーキを踏まずにボタンを押す等、車種によってエンジンの起動の操作方法が異なるので、注意が必要です。

ブレーキから足を離すと… どうなるの?

ブレーキとハンドルが重くなる
エンジンが止まったままの状態でも、ブレーキやハンドルは作動しますが、オートマチック車の場合、ブレーキ操作の力を補助するブレーキブースターや、ハンドル操作の力を補助するパワーステアリングが作動しなくなります。
国土交通省が行った実験*によると、エンジンが止まったまま走行すると、ブレーキが重くなって踏み込む力が正常な場合の約5倍も必要になり、追突事故を引き起こす危険性があります。
また、ハンドルも重くなって回す力が正常な場合の約2倍必要になり、カーブ等を曲がりきれずに事故を引き起こす危険性があります。

(*出典:国土交通省「オートマ車でのエンストに注意!!」http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/carsafety_sub/carsafety027.html より)

エンジンが止まったままの状態を防ぐための注意点

坂道でエンジンが止まったまま走行すると、急にブレーキやハンドルが重くなり、ドライバーが対処しようと焦って操作を行ってしまい、事故を引き起こしやすくなります。
エンジンが止まったままの状態を防ぐための注意点をみてみましょう。

ギア操作とブレーキ操作の注意点

  • 坂道で車をスタートさせる前に、必ず進行方向とギアの位置が合っているかを確認し、ブレーキから足を離しましょう。
  • ブレーキから足を離したら、速やかにアクセルを踏みましょう。

プッシュスタート式のボタン操作の注意点

  • ブレーキを踏んでからボタンを押す習慣を、身につけましょう。
  • ボタンを押したら、メーターパネルの「警告灯が点いていないか」「エンジンの回転計が動いているか」を必ず確認する習慣を身につけましょう。

エンジンが止まっている状態で、車が動き出してしまったときの対処方法

エンジンが止まったままの状態で坂道を走行してしまうと、ブレーキやハンドルが重くなります。落ち着いて、次の操作をしましょう。

手順1:ブレーキを強い力で踏み込み、車を停止させましょう

  • エンジンが止まった状態でも、ブレーキ操作の補助をするブレーキブースターの力が少し残っていることがあります。ブレーキを一度に強く踏み込むことで、その力を利用して車を停止させましょう。

手順2:パーキングブレーキを掛けて、車を停止させましょう

  • パーキングブレーキは、車種によって、横のレバーを手で引くタイプや足で踏むタイプ等があります。ブレーキを踏むと同時にパーキングブレーキを掛けて車を停止させましょう。

手順3:車が停止したら、ギアをパーキングに入れましょう

  • ギアをパーキングに入れて、車が動かないようにしましょう。

カーブ:ハンドルを強い力で回しましょう

  • 坂道のカーブに差し掛かった場合は、ブレーキを強い力で踏み込むと同時に、カーブから逸脱しないようにハンドルをいつも以上に強い力で回しましょう。

坂道で発進するときは、エンジンが起動しているかメーターパネルを確認し、車の進む方向とギアの位置が合っているかを確認しましょう。

今月のクイズの答え