走行中に車線逸脱をしないためには

2015年8月号

今月のクイズ

2014年中に漫然運転とわき見運転が原因で起こった交通事故は、13万4,893件でした。これは交通事故全体の何%を占めているでしょうか?

  • (1)3.5%
  • (2)13.5%
  • (3)23.5%

走行中に考え事やわき見等をして、車が車線からそれてしまうと、歩行者や対向車に衝突し、死傷者を伴う重大事故を引き起こす危険性があります。最近は、車が車線逸脱をすると、ドライバーに警告を促すシステムを搭載している車が多くなりました。しかし、これは万一のための補助機能なので、ドライバーは常に車線逸脱をしないように注意して、運転操作を行う必要があります。
今月は、走行中に車線逸脱によって起きた事故の要因を踏まえ、車線逸脱をしないためのポイントを考えてみましょう。

車線逸脱をすると、死亡事故に至る割合が高くなる

図1のとおり、2014年中の交通事故の種類別にみた死亡事故率*は、「路外に逸脱」して起きた事故が14.3%と最も高く、交通事故全体と比較すると20.5倍になります。車線逸脱によって起きたと考えられる「工作物に衝突」も10.1倍、「正面衝突」も4.4倍と高い状況になっています。車線を逸脱すると、死亡事故に至る危険性が高いことがわかります。

図1:交通事故の種類別にみた死亡事故率 (2014年中) (*死亡事故率=死亡事故件数÷交通事故件数×100) (出典:警察庁交通局「平成26年中の交通事故の発生状況」より弊社作成)

運転以外のことに意識が向いたり、ハンドル操作を誤ると車線を逸脱してしまう

なぜ、車線を逸脱してしまうのでしょうか。2005~2009年の5年間に起きた「正面衝突」と「単独事故」(「工作物に衝突」と「路外に逸脱」を含む)における死亡事故を、ドライバー側の要因別にみてみましょう(図2)。
緩やかなカーブに差しかかったとき、考え事等をして漫然と運転していたり、わき見や居眠り等をして前方を見ていないと、車線を逸脱していることに気づかず、事故を起こす要因になります。車線逸脱の「発見の遅れ」は、その先にある工作物や対向車等の「発見の遅れ」につながります。これらの「発見の遅れ」は、ドライバー側の要因の約4割を占めています。

また、前方を走る車が急停止したとき、危険を回避するためにハンドルを回しすぎて車線を逸脱し、事故に至ることがあります。「操作上の誤り」の内訳をみてみると、ハンドル操作の誤りが約7割を占めています。
一方、前方を走る車を追い越すときに、対向車等の安全確認が不十分なままだと、センターラインを越えたときに対向車と衝突事故を起こす危険性があります。追い越しても大丈夫等という「判断の誤り」が15.1%を占め、センターラインを越えてしまい事故につながっている様子がうかがえます。

図2:「正面衝突」と「単独で事故」の死亡事故におけるドライバー側の要因(2005~2009年) (出典:公益財団法人交通事故総合分析センター 平成23年1月「自動車における車線逸脱の要因分析」より弊社作成)

車線逸脱をしないための走行ポイント

Point1:「気づかないうちに車線から出ていた」という事態を防ぐためには…

単調な直線道路を漫然と走行していると、運転操作が単調になり緊張感が薄れます。意識が運転以外に向いて「ぼーっと考え事をして…」しまったり、「エアコンが効きすぎているな…」と前方から目を離して操作したり、「眠い…」と意識が遠のいてしまう危険性があります。
緊張感を保って運転を続けるために、ときどき車を止めて気分をリフレッシュしましょう。運転に関係のないエアコン等の操作は、停車中に行いましょう。

Point2:ハンドル操作を誤って、車線逸脱をしないためには…

前方を走る車との車間距離が短いと、前方の車が急停止したときにブレーキ操作が間に合わず、回避しようとハンドルを切って車線逸脱し、事故を起こす危険性があります。前の車が標識等を通過してから、2秒たった後に自車が同じ標識を通過する位の車間距離を保ちましょう。

Point3:原則、センターラインを越える追い越しはしない!

対向車と正面衝突する危険性がありますので、センターラインを越える走行は、原則として行うべきではありません。やむを得ずセンターラインを越えて車を追い越す際は、追い越す前にセンターライン側に車を寄せて、対向車線の安全を再度確認してから追い越しましょう。

カーブで車線逸脱をせずに、安全に曲がりきるためには…

ドライバーは、視線を向けている方向にハンドルを操作する傾向があります。
右カーブでは先が見えやすくなります。視線を遠くに向けすぎると、カーブの内側に寄りすぎてセンターラインを越えてしまう危険性があります。
また、速度が出ていると、曲がりきれずに路外に逸脱する危険性があります。

ドライバーは、自車線が広く感じると、体感速度よりも実際の速度が速くなる傾向があります。左カーブでは、対向車線に比べ自車線が広く見えるため、速度が速くなり、カーブを曲がりきれずにセンターラインを越える危険性があります。
また、右に寄りすぎると、センターラインが車体に隠れて見えにくくなり、センターラインを越えているのに気づかない危険性があります。

カーブの手前で十分に速度を落とし、視線は車線の中央に向け、車線の中央より左側に寄せて曲がりましょう

車線逸脱をせずに走行するために、考え事やわき見をせずに運転に集中し、十分な車間距離を保ちましょう。

今月のクイズの答え