風が強いときの安定走行とは

2016年6月号

今月のクイズ

高速道路で吹き流しがほぼ真横になる風速10m/sとは、どのくらい強い風なのか次の中から選んでください。

  • (1)樹木の枝が揺れて、走行中の風切り音が大きくなり始める
  • (2)樹木全体が揺れて、高速運転中では横風に流される感覚を受ける
  • (3)樹木の細い枝が折れるほど揺れて、通常の速度で運転することが困難になる

風は、雨と違って目に見えません。ドライバーは、街路樹などの揺れや走行中の風切り音が大きくなることによって、風が吹いていることを認識します。風が強くなると、ハンドルをとられたり物が飛んできたりして、運転に支障を及ぼします。特に梅雨時から秋口までは、竜巻や台風などにより突風が吹きやすく、事故を起こす危険性があります。今月は、走行中の車がどのように風の影響を受けるのか、風による事故を起こさないためにはどのようにすればよいのかを考えてみましょう。

風が強くなるほど車に危険な圧力がかかる

車を走行中、強い風を受けると車に危険な圧力がかかります。下図のように風が強くなればなるほど、車が流される・横転するといった危険性が高くなります。さらに、風は一定ではなく、吹く強さや方向も変化します。瞬間風速は平均風速*の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定な場合などは3倍以上になることもあります。そのため、注意して走行しないとハンドルをとられてしまいます。

風の強さと吹き方(出典:気象庁2014年3月「雨と風の階級表」より弊社作成)

突風が吹いたとき、速度が速いと横滑りや横転の危険が増す

突然強い風を受けたとき、車の速度が速ければ速いほど車体が回転する遠心力が強く働いてしまい、ハンドルをとられて車線から逸脱する危険性があります。ドライビングシミュレータを使い、風速25m/sの強い風を1秒間加えて車の重心を基点にして横滑りする速さを測った走行実験によると、車の速度が60km/hの場合は、車は風下の方へ滑りました。車の速度が80km/hの場合では、一旦風下へ滑った後、回転しながら横滑りし、100km/hになるとより速い勢いで回転しながら横滑りしました。
また、突風により車体が横滑りすると、路面とタイヤの間に摩擦が働き、車体が傾きやすくなります。ワンボックスカーやトラックなど車体が大きくなるにつれ、横風の影響を受けやすく、横転する危険性が高くなります。

強風時に車が横滑りする速さ(イメージ図) (出典:公益社団法人土木学会論文集No.766 2004年7月 著:丸山喜久,山崎文雄「横風強風時の車両走行安定性に関する数値解析とシミュレータ実験」より弊社作成) 横風の影響で車体が傾く(イメージ図)

風が強いときの安定走行とは…

風の影響を受けず、安定した走行をするためには、どのようにすればよいのかを考えてみましょう。

出発前に天気予報をチェックする

出発前に風が吹いていなくても、大気の状態が悪いと走行中に突風が発生する可能性があります。そのため、出発前に警報や注意報が出ていないかを天気予報でチェックしましょう。また、大気の状態が不安定な日は、天気予報が変わることがあるので、ラジオをつけて変化する天気の情報をキャッチし、警報が出ている場合は、不要な外出は控えましょう。

風の影響を受けやすい場所は、あらかじめ注意して運転する

風による影響を軽くするためには、前方の状況を予測しながら運転する必要があります。高速道路では、電光掲示板に情報を表示しているほか、吹き流しで風の強さや向きを知らせています。また、下図に示す場所は、風が穏やかな日でも、急に強く吹くことがあります。速度を落とし、注意して通過しましょう。

ハンドルをしっかり握り、速度を十分に落とす

強風で車がふらついたとき、驚いて急ハンドルを切ると横転したり車線を逸脱したりする危険性があります。また、慌てて急ブレーキをかけると後続車に追突される危険性があります。風が強くなり始めたときや突風が吹いたときは、ハンドルをしっかり握り、速度を十分落として安定した走行を行いましょう。

風が強いときは、無理をせず安全な場所へ避難する

車が風に流される感覚がある場合は、無理をせず速度を落として安全な場所へ避難し、風がおさまるまで待ちましょう。また、竜巻の発生源となる積乱雲や竜巻注意報などが出ている場合は特に注意し、風が吹いていなくても急に暗くなったり雷が鳴り始めたりなど、周囲の状況が変わったら安全な場所へすみやかに避難しましょう。

風が強いときは、ハンドルをしっかり握り、速度を十分に落として安定した走行を心がけましょう。
車が風に流される場合は、無理をせず安全な場所へ避難しましょう。

今月のクイズの答え