坂道を安全に走行するためには

2016年8月号

今月のクイズ

車両は坂の頂上付近や勾配の急な坂では、一時停止等の指定がある場合を除いて、駐停車が禁じられています(道路交通法第44条第1項)。法令に違反して駐停車した場合、どのような罰則になるか次の中から選んでください。

  • (1)罰金 5万円以下
  • (2)罰金10万円以下
  • (3)罰金15万円以下

たとえば勾配の緩やかな下り坂に差し掛かったとき、スピードを十分に落とさずに下ってしまい、坂の途中の左カーブで減速しきれずセンターラインを越えてしまったことはありませんか?そんなときに対向車が現れたら、重大事故につながる可能性があります。
夏休みに、山へ出かける方もいらっしゃることでしょう。今月は、坂道での安全な走行・停止・発進の仕方について考えてみましょう。

坂道を下るときの事故は重大事故につながる

2014年中に坂道で起きた交通事故を、事故を発生させた車両の進行方向別に比較すると、車両が坂道を下っているときに起きた事故が全体の約6割を占めています。また、下り坂での交通事故が交通事故全体に占める割合は4.6%ですが、死亡事故全体に占める割合になると2倍以上も高くなります(図)。
勾配の急な下り坂はもとより、緩やかで長い下り坂でも徐々に加速します。また、頂上付近でスピードが出たまま下り坂に入ると、車に重力がかかって加速してしまい、減速させる運転操作が難しくなります。スピードコントロールができないまま坂道を下ると、カーブに差し掛かったときや、人が飛び出してきたりした場合に、適切な運転操作を行うことができずに事故に至る危険性が高まります。

図:車両が坂道を下っているときの交通事故・死亡事故の発生割合(2014年中)
(出典:公益財団法人交通事故総合分析センター 平成26年版「交通事故統計年報」より弊社作成)

坂の頂上付近にも危険が潜んでいる

坂の頂上付近では、坂の向こう側の交通状況を把握することが困難です。頂上付近で駐停車すると、自車を追い越そうと後続車が対向車線に出たときに、坂の向こう側から対向車が現れ衝突事故を誘発するおそれがあります。
また、スピードが出たまま坂の頂上を通過すると、その先が渋滞していたり、駐車車両があったりした場合に気づくのが遅れ、追突する危険性があります。そのため、道路交通法第44条第1項でも頂上付近での駐停車は禁じられています。坂の頂上付近では、見えない危険が潜んでいることを考慮して慎重に運転しなければいけません。

図:坂の頂上付近に潜む危険

坂道で安全走行をするためには

坂道で安全走行を行うためには、どのようにすればよいか考えてみましょう。

坂の頂上付近では、駐停車せず徐行して通過しましょう

坂の頂上付近では、一時停止の指定がある場合等を除いて駐停車せず(道路交通法第44条第1項)、頂上手前でスピードを落としましょう。頂上を通過するときは徐行し、坂の向こう側の安全確認をしてから下り始めましょう。

下り坂では、速すぎず遅すぎない法定内のスピードを保ちましょう

スピードが出やすい下り坂では、こまめにスピードメーターを確認して、エンジンブレーキを活用しながら、速すぎず遅すぎない法定内のスピードを保ちましょう。

道幅が狭い坂では、下りの車が一時停止して道を譲りましょう

道幅の狭い坂では、車がすれ違うのにどちらかが一時停止をする必要があります。上りの車は停止すると発進するのが難しいので、下りの車が一時停止して道を譲りましょう。待避所がある場合は、上りの車でも待避所に入り、一時停止して道を譲りましょう。

坂道で一時停止するときは、車間距離をとりパーキングブレーキをかけましょう

赤信号や一時停止等により、坂道で車を停止するときは、発進時に余裕をもって操作できるよう車間距離を十分にとり、車が動かないようにパーキングブレーキをかけましょう。

上り坂での発進は、アクセルを踏みながらパーキングブレーキを外しましょう

上り坂では、ブレーキを解除したときに車が後退し、後続車に衝突する危険性があります。

下り坂での発進は、パーキングブレーキを外してからペダル操作をしましょう

下り坂で平坦な道路と同じようにアクセルを踏み込むと、急発進する危険性があります。

坂道ではこまめにスピードメーターを確認し、一定のスピードを保ちましょう。

今月のクイズの答え