信号のある交差点を安全に右折するには

2016年11月号

今月のクイズ

2015年中に信号のない交差点で、右折時に起きた車両同士の死亡事故は37件でした。では、信号のある交差点で、右折時に起きた車両同士の死亡事故件数を、次の中から選んでください。

  • (1)52件(1.4倍)
  • (2)102件(2.8倍)
  • (3)152件(4.1倍)

「交差点の右折は苦手」という方は多いのではないでしょうか?特に信号のある交差点は車や人通りが多く、右折するときは緊張するものです。
今月は、信号のある交差点で起きた右折時の事故傾向を確認し、安全に右折するにはどうしたらよいかを考えてみましょう。

信号のある交差点での右折事故を防ぐカギは、十分な安全確認!

公益財団法人交通事故総合分析センターの調査によると、2011年中の信号のある交差点で起きた死傷事故のうち、車が絡む事故は全体の9割以上を占めています。その約95%が車側の過失により発生し、うち約40%が右折時に起きています。
右折時の死傷事故の相手側をみると、「車対自転車」が30%と最も多く、次に「車対車」が続きます(図1)。死亡事故に絞り込むと、「車対歩行者」が42%で2倍に増えており、右折時の自車のスピードが遅くても、身体を守ることができない歩行者との衝突は、死亡事故につながりやすくなります。続いて、「車対バイク」が29%に増えており、車の存在を認識していないバイクが、スピードを緩めずに交差点に進入するおそれがあり、自車側が注意しなければ死亡事故に至ります。

図1:車が右折時に起こした死傷事故・死亡事故の相手側の構成率(2007~2011年) 図2:車が右折時に起こした死傷事故の人的要因の割合(2007~2011年) (出典:公益財団法人交通事故総合分析センター イタルダ・インフォメーションNo.95 2012年7月「信号交差点における右折事故」より弊社作成)

右折時にどのような要因で事故が発生したかを相手別にみると、全体的に安全確認を怠った「安全不確認」が大部分を占めます(図2)。交差点に潜む危険を理解していなかったり、知っていても「大丈夫」と過信したりして、安全確認を十分に行わないまま右折を開始し死傷事故を起こしている様子がうかがえます。
では、相手別に事故要因の特徴はあるのでしょうか?車やバイクは、相手までの距離やスピードの認識を誤った「判断の誤り」がやや多くなっています。相手の存在を認知しているにもかかわらず「自分の方が先に行けるだろう」という思い込みが判断を誤らせ、死傷事故につながっているのがわかります。また、バイクは対向車の陰に隠れて視認できないことがあり、対向車が停止した途端に安全確認を行わず右折すると、飛び出してくるバイクと衝突する危険が潜んでいます。一方、自転車や歩行者は、右折前に横断歩道の安全確認を行っていても、対向車やバイクに気をとられている間に横断歩道に進入してくる可能性もあります。対向車線の安全確認がとれたら横断歩道や歩道、特に見づらい右後方から自転車や歩行者が進入してこないかを、横断歩道の手前で確認することが大切です。
さらに、交差点の規模が大きくなるほど交通量が増し、注意を向ける箇所も増えるため、危険に対する判断が遅れると重大事故に至る危険性が高くなります。信号のある交差点で右折するときは、危険が潜む場所に注意を払い、十分な安全確認と適切な判断を行うことが事故を防ぐカギになります。

信号のある交差点を安全に右折するには……

信号のある交差点を右折するときは、十分な安全確認を行えるだけの視界を確保し、後続車など周囲の車両の安全も気をつけなければなりません。安全に右折するためには、どうしたらよいのかを考えてみましょう。

1. 交差点の30mほど手前から車線の右側に寄り、交差点手前で安全確認をしましょう

交差点の30mほど手前から車線の右側に寄り、ウインカーを点けて進みましょう。車線の右側に寄ると、交差点の様子をうかがうことができるとともに、後続車に対し「右に曲がる」と認識させることができます。
交差点が近づいてきたら交差点手前で止まれるくらいに減速し、対向車の流れ、横断歩道、右折先の安全を確認しましょう。もし、右折先が渋滞している場合は、右折を開始せずに停止線で止まりましょう。

2. 交差点にまっすぐ入り、車両や歩行者がいる場合は停止して安全確認をしましょう

交差点にまっすぐ入り、対向車や自転車、歩行者が通行していない場合は、徐行で右折しましょう。通行する車両や歩行者がいる場合は交差点内で停止して、安全確認がとれてから右折しましょう。

3. 対向車が停止したら、バイクが来ていないか確認しましょう

対向車が停止したら、徐行で交差点の中央手前を通過します。バイクが来ていないか確認を行い、バイク側に自車の存在を知らせる程度の速度(約4km/h)で、ゆっくり進みましょう。

4. もう一度、横断歩道の安全確認をしましょう

横断歩道の状況が変わり、自転車や歩行者が急に進入してくるかもしれません。横断歩道やその周辺の安全確認をもう一度行いましょう。
自転車や歩行者を確認したら、横断歩道手前で止まり、通過するまで待ちましょう。

前の車に続き右折するときも安全確認を行い、車間距離をあけて右折しましょう

後続の右折車は、交差点内に自車のスペースがある場合はそのまま進みますが、スペースがない場合は停止線で止まりましょう。前方の信号が赤になったときに、目の前の横断歩道の自転車や歩行者の進行を妨げてはいけません。
また、交差点の安全確認をしないまま、右折を開始した前の車に続くと、前の車が止まったり、バイクが現れたりしたときに事故を起こす危険があります。前の車に続いて右折するときも、交差点の安全確認を十分に行い、車間距離をあけて右折しましょう。

信号のある交差点を右折するときは、対向車やその陰に潜むバイク、横断歩道の自転車や歩行者の安全確認を十分に行いましょう。

今月のクイズの答え