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「あおり運転」をしない、遭わないためには…

2018年3月増刊号

今月のクイズ

2016年中における高速道路での車間距離不保持(必要な車間距離をとっていない)違反による取り締まり件数を、次の中から選んでください。

  • (1)
    2,690件
  • (2)
    4,690件
  • (3)
    6,690件

「後ろの車にあおられたことはあるけど、あおり運転はしていない」と思っていませんか?しつこく追い回したり、無理に停止させて暴行行為に及んだりするなど、悪質で危険な行為さえしなければ「あおり運転」にはならないと考えていませんか?
今号は、「あおり運転」とは何か?「あおり運転」をしない・遭わないためにはどうしたらよいか?もし、悪質で危険なドライバーに嫌がらせを受けた場合、どう対処すればよいのかを考えてみましょう。

あなたは「あおられている?」それとも「あおっている?」

「あおり運転」は、一般的に前の車との車間距離を詰めたり、ハイビームやパッシング、不必要なクラクションを使ったりすることで、前方または周囲の車を威嚇・挑発する行為とされ、事故を誘発する危険な運転です。
交通マナーに関するアンケート調査によると、ドライバーのほとんどは「思いやりを持ち、交通マナーを意識して運転している」と答えていました(図1)。一方、後続車にあおられた経験が「よくある」「時々ある」と答えたドライバーは半数を超えていました(図2)。「あまりない」と答えたドライバーも合わせると、あおられた経験があるドライバーは9割を超えます。
みなさんは、周囲のドライバーが自身の運転を「どう感じているか」考えたことはありますか?車の外からは、ドライバーの表情をうかがうことはできません。車の動きで「優しいな」「荒いな」と、相手のドライバーの運転態度を推し量ります。自分は「大丈夫」と思っている車間距離でも、前の車のドライバーは「あおられている」と感じるかもしれないのです。

※ 構成比は小数点第2位を四捨五入して表示しているため、合計が100%にならない場合があります。
出典:一般社団法人日本自動車連盟(JAF)平成28年6月「交通マナーに関するアンケート調査」より弊社作成

相手の行動に過剰に反応し、執拗に追い回す悪質で危険なドライバーがいる!

周囲には、運転以外のことでイライラしていたり、粗暴な運転を繰り返したりするドライバーもいます。2017年6月に東名高速道路で起きた「あおり運転」などの、悪質で危険な行為による痛ましい死傷事故を記憶している方も多いでしょう。悪質で危険なドライバーは、前の車が「遅い」、運転が「ムカつく」など相手の行動に対し過剰に反応し、気がすむまで執拗に追い回して嫌がらせ行為を繰り返す可能性があります。さらに過熱すると、無理に停止させて暴言や暴行行為に及ぶ可能性もあるため、大変危険です。このようなドライバーの標的にならないためには、相手を不快にさせない運転を行う必要があります。

心にゆとりを持ち、相手を思いやる運転を心がけよう!

「あおり運転」をしない、遭わないためには、自分自身が心にゆとりを持ち、相手を思いやる運転を心がけることが大切です。では、どのようにすればよいのかをみてみましょう。

発進はゆっくりと加速し、停止するときは徐々に減速して止まりましょう

ゆっくり発進すると、前後の車も落ち着いて発進できます。徐々に減速する停止は、後続車に「追突しそうだ」という嫌な思いを与えません。

十分な車間距離をとりましょう

前の車に対しては安心を与えることができ、急な割り込みがあったときは安全に対処することができます。

車線変更は、進行先の車との距離を十分にとり、ゆっくりとスライドするように移動しましょう

十分な距離とゆっくりとした移動は、進行先の車が車線変更してくる自車を認識し、十分な安全行動をとることができます。

道を譲りましょう

道路は自分だけのものではありません。後続車が急いでいるように感じたら、路肩に寄って「お先にどうぞ」と道を譲りましょう。追い越し車線を走行している場合は走行車線に移動しましょう。

悪質で危険なドライバーに遭遇したときは…

安全運転を心がけていても、悪質で危険なドライバーと遭遇するかもしれません。そんなとき、どのように対処すればよいのかをみてみましょう。

危険な運転をされても、やり返さないようにしましょう

他車から無理な割り込みや急ブレーキをかけられたら、「ヒヤッ」とすると同時に「ムッ」と腹を立てて、車間距離を詰めて「やり返したい」気持ちにかられるかもしれません。しかし、相手は「後方をよく確認していない」「何か危険が迫っていた」など、意図せずに急な車線変更やブレーキをかけているだけかもしれません。やり返さずに、冷静な運転を心がけましょう。

安全な場所へ避難しましょう

一般道路を走行しているときは、警察署や消防署、コンビニなどの人がいる場所へ避難しましょう。 高速道路を走行しているときは、いったん走行車線に移り、近くのサービスエリアや料金所へ避難しましょう。路肩に駐停車するのは危険なので、なるべく避けましょう。

車のすべての窓とカギを閉め、車から降りないようにしましょう

信号や路肩に停車したときや、避難した場所まで追いかけてきて、相手が車を降り暴言を発したり車を叩くなどの攻撃をしてきたりしても、応じないようにしましょう。車のすべての窓とカギを閉めて、車から降りないようにしましょう。

警察に通報しましょう【110番】

暴言を発したり、車を叩くなど攻撃を仕掛けてくる行為は犯罪です。安全な場所で車を停止したら、迷わず110番に通報しましょう。居る場所がわからなくても、携帯電話のGPS機能が有効になっていれば、警察が場所を特定できる可能性があります。落ち着いて通報してください。

一部始終を記録しましょう

ドライブレコーダーを装着している場合は、録画しましょう。また、車を停止した後に携帯電話やスマートフォンで一部始終を録音や撮影すると、警察官への状況説明がしやすくなります。ただし、相手に向けて録音や撮影すると、さらに逆上させてしまう危険性があるので、カップフォルダーなどに立ててマイクやレンズを向けるなど、相手を刺激しないよう細心の注意を払いましょう。

「あおり運転」をしない・遭わないためには、心にゆとりを持ち、相手を思いやる運転を心がけましょう。悪質で危険なドライバーに遭遇したときは、やり返さずに人のいる安全な場所へ避難し、すべての窓とカギを閉め、車から降りないようにしましょう。110番へ通報し、ドライブレコーダーや携帯電話等を使い、細心の注意を払って一部始終を記録しましょう。

今月のクイズの答え