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自転車で交差点を安全に通行するには

2017年5月号

今月のクイズ

信号のない交差点で、自転車が走っている道路より交差する道路の幅の方が明らかに広い場合は、交差する道路の車が優先して通過できます。では、交差する道路の道幅が同じ場合は、どちらが優先して通過できるでしょうか?

  • (1)
    左方から来る車が優先
  • (2)
    右方から来る車が優先
  • (3)
    車より自転車が優先

自転車は車両の仲間なので、交差点では信号に従い、信号のない交差点では一時停止の標識がある場所で停止し、安全確認を行う義務があります*。自転車を利用している皆さんは、実行していますか?
今月は、交差点で自転車側の過失により起きた事故を通し、交差点を安全に通行する方法をみてみましょう。

自転車は、交差点で交通ルールに違反した結果、事故になることが多い

2015年中に起きた自転車側の過失(第1当事者)による交通事故のパターン(図1)をみると、安全確認や一時停止を怠り、交差点やその付近で、出会い頭に車と衝突している様子がうかがえます。
京都市内の信号のない交差点で行った自転車利用者の実態調査(図2)をみると、自転車の97%が一時停止せず、十分な安全確認を行わないまま交差点を通過していました。そのうち44%が徐行で通過していました。速度を落としていることを「止まっている」と思い込み、安全確認を行ったつもりになって通過している自転車が多いと考えられます。
また、信号のある交差点では、赤信号を無視したケースが22%(図3)も占め、そのうち19%は止まることなくそのまま通過していました。事故に遭わないために、自転車の走行中はもちろんのこと、交差点を通過するときも交通ルールを守ることが大切です。

図1:自転車側の過失(第1当事者)による最も多い交通事故の状態 事故の相手 車42%、事故の種類 出会い頭54%、自転車側の法令違反 安全不確認27%、自転車側の法令違反 一時不停止20%、道路の形状 交差点66%(信号なし45% 信号あり12% 交差点付近9%) 出典:公益財団法人交通事故総合分析センター 平成27年版「交通事故統計年報」より弊社作成
図2:信号のない交差点での自転車利用者の実態調査 図3:信号のある交差点での自転車利用者の実態調査 図2,3出典:一般社団法人日本自動車連盟(JAF)京都支部 交通安全実行委員会 平成28年9月「独自!自転車の利用実態調査結果」より弊社作成

交差点を安全に通過するためには…

自転車で安全に交差点を通過するための方法をみてみましょう。

交差点の手前では…

交差点に近づいたら、十分に速度を落とす
自転車の速さは歩行者の約3~4倍になります。交差する道路の車に気づいたとき、歩行者はすぐに立ち止まることができても、速度を緩めていない自転車は車と衝突する危険性があります。交差点の手前で止まれるように、十分に速度を落としましょう。

信号のない交差点では…

一時停止し、安全確認を行う習慣をつけましょう
信号のない交差点を、安全確認したつもりで止まらずにそのまま通過しようとすれば、不意に現れた車と衝突する危険があります。また、「車の方が止まってくれる」、「停止している車は動かない」という勝手な思い込みも危険です。なぜなら車が自転車に気づいていない可能性があるからです。一時停止の標識がある場所では、人や車がいなくても停止線の前で自転車を停止させ、十分な安全確認を行う習慣をつけましょう。一時停止の標識がない場所でも「見えにくい」、「車が来ている」と思ったら一時停止し、安全確認を行いましょう。
交差点内は、ゆっくりと通過しましょう
見通しが悪い交差点には、徐行(いつでも停止できる速度)で入りましょう。交差点内で左右の安全確認ができにくい場合は、速度を上げずに通過しましょう。
また、見通しの良い交差点を通過するときも、手前で速度を落としてゆっくりと通過しましょう。

信号のある交差点では…

対面する信号に従いましょう
自転車は、原則として車道を通行しなくてはならないので、交差点では車用の信号機に従い通過することになります。ただし、「歩行者・自転車専用」と表示された信号機がある場合は、自転車専用の信号機に従いましょう。赤信号のときは、車道の左端にタイヤを沿わせるように寄せて停止し、信号が変わるのを待ちましょう。また、自転車専用の信号機が赤信号で、車用の信号機が青信号のとき、後ろから来る車やバイクに追突される危険があります。安全のため自転車から降りて、歩道へ移動し、信号が変わるのを待つとよいでしょう。
横断歩道を通過するときは歩行者用の信号機に従いましょう。
黄信号や赤信号のときは止まりましょう
前方の信号が黄信号のときは、左折待ちをしていた同車線の車や、右折待ちをしていた対向車が動きはじめるため、衝突の危険性が高まります。赤信号はもちろんのこと、黄信号のときも交差点手前で自転車を止めましょう。
また、青信号に変わってもすぐに発進せず、交差する道路の車の動きを確認してから進みましょう。
自転車横断帯を通行しましょう
横断歩道に自転車横断帯がある場合は、その上を通行しましょう。自転車横断帯がなく、車道を走行しているときは、そのまま車道に沿って横断します。
また、横断歩道を利用してもかまいませんが、歩行者の通行を妨げてはいけません。歩行者が横断している場合は、自転車から降りて横断しましょう。
右折するときは、2段階で右折しましょう
交差点を右折するときは、2段階で右折しなくてはいけません。
  • (1)
    車道のできるだけ左に寄り、交差点の向こう側まで進んで自転車を止めましょう。
  • (2)
    自転車の向きを右に変え、対面する信号が青になったら目的の方向へ進みましょう。

(出典:警察庁「交通の方法に関する教則」(平成26年9月1日現在)を参考に弊社作成)

信号のない交差点では、自転車を一時停止し、十分な安全確認を行いましょう。
信号のある交差点では、信号を守りましょう。

今月のクイズの答え