Fijiフィジーは300余の火山島と珊瑚礁からなる共和国です。
波や潮流による海岸侵食、そして海面上昇により、様々な被害を受けています。

マングローブ植林活動レポート

サイクロンの直撃で、種の収集には苦労していますが、自然被害からマングローブを守ろうとする住民の意識は高まっています。

マングローブ植林活動状況

公益財団法人オイスカが中心となって、地域住民のみなさんと行っているフィジー、ビチレブ島での植林活動。2013年度は、以前から植林を熱望していた北東部ラ県のベレベレ村で初めて植林を行いました。

間隔を密にして植えることで、高い活着率を目指すベレベレ村

ベレベレ村のような潮の流れが早い植林地の場合、まずは活着させることが大切です。そこで、同条件のコーラルコーストでも高い活着率となった、間隔を密にして胎生種子を直接植える手法を採用しました。
まずは、住民のみなさんと共に、0.8ヘクタールに8,000本(1穴に2本植え)の種を植林。この成長を見守りながら、今後約5,000本の苗木を育て、成長具合に合わせて補植や追加の植林を実施する予定です。
ベレベレ村の植林地は村が定める海洋保護区域の中に位置し、住民もマングローブの必要性をよく理解していて、とても協力的です。


植林後2年が経過したマングローブ


土壌侵食によるダメージ

豪雨やフジツボによる被害からマングローブを守る、サイオコ村の住民

2010年に植林をしたルブナブアカ村では、波や砂の影響で苗木が生育不良。さまざまな課題を抱えるフィジーの植林活動ですが、苗木が順調に成長して根を伸ばしているサイオコ村のような植林地もあります。
サイオコ村では、2012年度も500本の補植を行いました。漁獲量が増加するなど、マングローブ林の効果を実感しているため、地域住民のみなさんも植林にとても協力的です。
ただし、植林地が河口付近に位置し、集中豪雨の際に満潮になると水かさや勢いが増し、流されてきた砂や泥、がれきで苗木がダメージを受けることがあります。マングローブの天敵であるフジツボの発生も問題です。フジツボがストレスとなって、マングローブの成長が阻害され、なかには枯れてしまうものもあります。
こうした被害やダメージは、村のミーティングで共有され、漂流物などがあるときには干潮時に住民が撤去するなど、マングローブを守る意識は高まっています。

地域との交流

植林活動が順調なサイオコ村の補植には、環境の取り組みに前向きな地元のナコロトブ小学校の先生や児童も参加。小さな頃からマングローブの重要性を認識し、自らの手でマングローブを育てることのできる貴重な機会となっています。 ナコロトブ小学校の先生と2名の児童は、2012年に日本に招かれました。マングローブ植林を通して、日本とフィジーの子どもたちとの交流も始まっています。


マングローブの種を直接植える様子

今後の活動予定

フィジーでは、種(胎生種子)が収集できる時期にサイクロンが多く、直撃されるとほとんどの種が落ちてしまいます。2013年度の新規植林の準備が遅れているのもこのためです。
2012年12月にも大型サイクロンEvanがフィジーを直撃し、多くのマングローブの種が落下。植林用の種集めが思うように進みませんでしたが、なんとか2万本程度の胎生種子を確保しました。
2013年度も、主な植林活動は補植になりますが、種子の数に余裕があれば、新規植林も行いたいと考えています。