Indonesia1万7,500を超える島々から成るインドネシアは、近年、自然災害や環境破壊の影響が深刻です。島が水没するなどの被害も起きており、早急な支援が必要とされています。

マングローブ植林活動レポート

エコツーリズムの人気スポットも誕生。政府との協力も始まり、インドネシアの植林活動は、新たな局面を迎えています。

マングローブ植林活動状況

公益財団法人オイスカが現地にとけこみながら、住民や自治体の方々と進めているインドネシアでの植林活動。2012年度は、ジャワ島の6つの地域と、すぐ隣のマドゥラ島の2つの地域で、計205ヘクタールに植林しました。
オイスカのメンバーにとって、2012年の活動内容で最も印象に残っているのが、11月に植林地のプマランで開催された「全国マングローブワークショップ」です。環境省、内務省、全国や郡の公的機関、地元大学、そして植林活動のメンバーが参加。エコツーリズム、環境教育、植林ボランティアなどをテーマに、さまざまな発表や討論が行われ、大成功のうちに幕を閉じました。
このワークショップによって、中央政府もマングローブ植林に注目。オイスカのメンバーが政府のマングローブ植林プログラムに参加するための調整も進んでいます。


2011年植林のマングローブ(ダマック)


ワークショップ後の参加者による植林

最大の75ヘクタールを植林したパティ。マングローブ伐採禁止令も

植林地の7つの地域のうち、75ヘクタールと面積が最も広いのがジャワ島北岸のパティです。97,000本の苗木の約75%が海岸線に、残り20%が養殖池や河の岸に沿って植えられました。
植林後に観察に行くと、乾季の温度が高く、引き潮のときに水がなくなってしまったことが影響し、黄色い葉が落ちている苗木が3割ほどありましたが、雨期に入ると、新しい葉が芽生えてきました。
葉を食べてしまうヤギの放し飼いを禁止する看板の設置、イモムシは有機防除剤の散布と手での除去、植林地内で養殖池をつくらないよう関係者と禁止令を強化するなど、さまざまな問題の対策を立てています。


舟を使っての植林


植林から3年。順調に育っています

パメカサンでは、汚水によるコケの発生や変わらない住民の意識に向き合う

ジャワ島の北東に位置し、スラマドゥ大橋よってジャワ島と結ばれている小さな島がマドゥラ島です。マドゥラ島内にあるパメカサンでは、50ヘクタールに31,250本の苗木が植えられました。苗木の生存率は9割ですが、2010~2011年に植林した苗木の生存率は6割にとどまっています。
生存率を低くしている犯人が、波によってもたらされたコケと海藻です。養殖業者が池から汚水を流したことで、コケが発生しています。植林活動に参加しているメンバーが、コケやフジツボを取り除いていますが、コケの成長は早く、きれいに取り去ることは困難です。
マングローブに対する地域の住民の考えも、大きく向上したわけではありませんが、植林の効果が出始めたら、意識が変わるのではと期待しています。実際、マングローブが増えたことで、ロルジュという食用貝が多く採集できるようになりました。
植林活動のメンバーは、マングローブ林が生み出すメリットについて、地域住民のみなさんに積極的に伝えており、その活動は今後も続けていきます。


マングローブに絡まった藻を取り除く


パメカサンの地で活躍する女性たち


スメネップでもフジツボの付着被害が発生

地域との交流

植林したすべての地域にオイスカの研修を受けた研修生OBが滞在し、調整員役を果たしているインドネシア。植林地がある地域では、インドネシア語だけでなく、ジャワ島で使われるジャワ語でさえ通じないこともあり、植林活動の理解を得るには地元の言葉を操れる人材が欠かせません。研修生OBの存在が、各村のコミュニケーションを密に保つことに貢献しています。
ジャワ島ダマックでは、マングローブがなければ水没していた村があるほど、環境による被害を受けていました。そのため、この地の住民は自発的に植林活動に参加し、環境保護についても強い関心を持つようになりました。また、ジェパラでは、環境にやさしい養殖に取り組むためのワークショップをオイスカが主催。参加できなかった住民が再度ワークショップを開催してくれるよう依頼があり、さまざまなかたちで自然保護に対する住民の意識変革を図っています。 パティのように、学校と協力して、環境教育を進め、学生たちに植林活動に参加してもらう例も増えています。

今後の活動予定

2013年度は、5年計画の最終年であり、目標とする面積まであと134ヘクタールとなりました。