付随的な保険金の支払い漏れに関する当社の対応について

 東京海上日動火災保険株式会社(社長 石原 邦夫)は、2005年11月25日付業務改善命令に基づき、先般、金融庁に業務改善計画書を提出いたしました。
 保険金のお支払いは、保険会社の基本的かつ最も重要な機能であるにもかかわらず、費用保険金等の付随的な保険金の支払い漏れが発生したこと、並びにそれに伴い金融庁より保険業法に基づく行政処分(業務改善命令)を受けましたことは、ご契約者をはじめ皆様の信頼を損ねるものであり、皆様方に多大なるご迷惑をおかけしたことに対しまして、改めて深くお詫び申し上げます。
 今後は、「お客様にお支払いの対象となる保険金を漏れなくご案内し、漏れなくお支払いする」という保険会社としての基本姿勢を再徹底するとともに、下記の再発防止策に真摯に取り組んでまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。なお、今般の付随的な保険金の支払い漏れを踏まえ社長および関係者について厳正な処分を実施することとしました。

付随的な保険金の支払い漏れに係わる再発防止策

 今般の費用保険金等の付随的な保険金の支払い漏れにつきまして、経営陣が先頭に立ち、「お客様にお支払いの対象となる保険金を漏れなくご案内し、漏れなくお支払いする」という保険会社としての基本姿勢を再徹底するとともに内部管理態勢を強化し、全社員・代理店が再発防止策に真摯に取り組んでいくことを通じ、お客様の信頼回復に努めてまいります。

  1. 1.
    お客様にお支払いの対象となる保険金を漏れなくご案内する態勢
    • (1)
      保険商品をご案内する際には、どのような保険金が付随しているのかをわかりやすく解説した「ご説明ちらし」をパンフレットに添付するなどの方法で、お客様にご説明します。
    • (2)
      事故が発生し、お客様よりそのご報告をいただいた際には、担当者が「保険金のお支払いに関するチェックシート」を活用し、お客様にお支払いの対象となる保険金を個別にご案内することを基本とします。
  2. 2.
    お客様にお支払いの対象となる保険金を漏れなくお支払いする態勢
    • (1)
      保険金をお支払いする際には、「保険金のお支払いに関するチェックシート」により担当者がチェックした後に上司が再度チェックを行うダブルチェックを励行し、漏れなくお支払いする手続きを行います。
    • (2)
      基本的な保険金をお支払いする際に、あわせてお支払いすべき付随的な保険金については、「支払いが行われないと業務が終了できない」などのシステム対応を行うことにより、漏れのないお支払いを徹底します。
  3. 3.
    付随的な保険金のお支払いに関する適正な業務運営態勢の構築
    • (1)
      付随的な保険金の支払い状況に関するモニタリング態勢につきましては、1.保険金の支払いを行う「損害サービス拠点」、2.保険金の支払いを統括する「損害サービス業務部・コマーシャル損害部」、3.「コンプライアンス部」、4.「内部監査部」による事後点検や監査といった4段階での点検・モニタリング態勢とします。
    • (2)
      新たに損害サービス部門における保険金の支払いなどの業務の適正性を点検・監視する部署を「コンプライアンス部」に設置し、中立的な立場から牽制する機能を強化します。
    • (3)
      上記の点検や監査の報告に基づいて経営陣は、付随的な保険金の支払いに関する業務運営態勢の確認を行うとともに、問題がある場合には原因分析と改善策の検討を指示し、適正な業務運営態勢の構築に努めてまいります。なお、現在、これまで行ってまいりました調査結果につきましても、念のため再点検しております。
  4. 4.
    付随的な保険金のお支払いに関するその他の対応築
    • (1)
      付随的な保険金の支払い漏れが生じないような商品の開発や改定を行うために、新たに経営会議の下に「商品開発改定委員会」を設置し、経営会議に付議する商品の開発・改定について、保険金支払いに関するシステム対応などの点検・確認を行い、その検討結果を付帯して経営会議に付議することにより、内部牽制を強化します。
    • (2)
      今後も過去の保険金の支払い漏れに係わるご照会をいただいた場合には、お問い合わせ内容を確認した上で、適切な対応を行うように努めてまいります。
  5. 5.
    再発防止策の進捗管理
    • (1)
      再発防止策については、コンプライアンス委員会において定期的に実施状況を点検・監視し、その報告をもとに経営会議・取締役会等で進捗状況を管理してまいります。

役職員の処分

 今般の付随的な保険金の支払い漏れに関しては、保険金の支払いという保険会社の基本的かつ最も重要な機能において問題を惹起したものであり、経営として会社全体に係わる重大な問題ととらえ、社長および関係役員については、1か月分の役員報酬の30~10%を自主返上することとしました。あわせて関係部長についても、社内規則に従い厳正な処分を実施することとしました。

以上