>災害への備え>防災ツーリズム
日本ではこれまで沢山の災害が発生しています。被災したときの経験から得られた防災に関する知見は、将来の災害による被害を減らすためにとても貴重な教訓になります。防災ツーリズムでは、災害が起こった地域を訪ねて、その土地の食べ物や文化を楽しみつつ、被害の状況をつぶさに知ることで、命を守ることの大切さを学ぶことができます。
防災ツーリズムとは
防災ツーリズムの概要
防災ツーリズムとは、各地域への観光で体験したことを通じて、防災についての理解を深め、その意識を高めていく取り組みのことです。
自然は、私たちの暮らしに、さまざまな恵みを与えてくれる存在です。一方で、自然は時として、大きな災いをもたらす存在でもあります。こうした自然の二面性を理解して、自然と共生していく方法を学ぶことが、防災ツーリズムの趣旨といえます。
防災ツーリズムに参加することで、その地域ならではの自然の魅力に触れながら、過去の災害の教訓や今後の備えについて、見識を広げることができます。
防災ツーリズムの価値
「まさか、自分が被災者になるとは……」。
被災後には、全国各地でこのような声が発せられるそうです。
日本では、これまでに数々の自然災害が発生してきました。こうした災害の発生リスクについて、しっかり認識しているつもりでも、「自分事」として考えることは簡単ではありません。
しかし、観光を通じて実際に被災した人から話を聞いたり、被災した遺構や防災施設を見たりすることで、防災ツーリズムに参加した人は、災害のリスクを「自分事化」しやすくなります。
一人ひとりが災害リスクを「自分事」としてとらえ、避難といった主体的な防災行動をとることが、災害から命を守り、被害を最小化することにつながります。

認定制度(NIPPON防災資産)について
NIPPON防災資産とは
地域で発生した災害の記憶を、ほかの人へ、次の世代へと伝承していくことが、人々に災害への備えを促し、実際の避難といった防災行動につながります。過去に発生した災害では、伝承が災害への備えに大きな役割を果たし、それが実際に人々の命を救った事例もあります。
そこで内閣府と国土交通省は、2024年5月に「地域で発生した災害の状況をわかりやすく伝える施設」や 「災害の教訓を伝承する語り部といった活動」などを、「NIPPON防災資産」として認定する制度を創設しました。
認定制度の目的
この制度の目的は、次の3つです。
- 1地域の災害の自分事化
地域で起きた災害を、そこに住む人々に伝え、自分事化や主体的な行動のきっかけとなる - 2良質な伝承例の共有
工夫やノウハウが、国内外の人々の参考となり、災害伝承が各地に広がる - 3社会の雰囲気づくり
何かを伝え合うことを大切にする雰囲気が醸成され、社会全体で災害に対する意識が高まる
なお、各活動が過去のものではなく、現在、未来へと価値を発揮し続けるものであってほしいという願いから、制度の名称は「遺産」ではなく「資産」となっています。
この制度を通じて、各地域で過去の災害の教訓や今後の備えに対する理解が深まり、災害リスクの自分事化が進み、地域の防災力向上につながることが期待されています。
認定された防災資産の一例
兵庫県防災ツーリズム

兵庫県では、これまで1925年の北但大震災や、1995年の阪神・淡路大震災など、大きな自然災害が発生しています。そこで得た経験や教訓などを、世代や地域を越えて伝承するために、推進しているのが防災ツーリズムです。
県内の防災関連資源と観光資源を活用して、これから起こる災害に備えて、自分たちの命を守るための防災学習と、兵庫県の魅力を体験できるプログラムを実施しています。
出典:兵庫県防災ツーリズム
黒潮町防災ツーリズム

2012年に内閣府が公表した情報によると、南海トラフを震源とする巨大地震の発生時には、高さ34mという日本最大級の津波が想定されている高知県幡多郡黒潮町。この発表を機に会議を重ね、「避難放棄者」を出さないことを基本理念とした防災計画を立てました。
防災倉庫の整備や津波避難タワーの建設、体験型プログラムの提供など、ハードとソフトの両面で備えを進めつつ、防災ツーリズムを通じて、自ら考え行動する力が身につく防災学習の場を提供しています。
出典:黒潮町防災ツーリズム
3.11伝承ロード(東北復興ツーリズム)

東日本大震災の被災地にある、被災の実情や教訓を学ぶための遺構や展示施設を、「震災伝承施設」として定めてネットワーク化し、防災に関する学びや備えを伝えるさまざまな取り組みや事業を行っています。
「教訓が、いのちを救う。」をコンセプトに掲げ、防災に対する知識や意識の向上、地域や国境を越えた多くの人々との交流促進によって、災害に強い社会の形成と地域の活性化を目指しています。
出典:一般財団法人3.11伝承ロード推進機構
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