インド

インドは、世界にあるマングローブ林の約2.8%の面積を保有していましたが、沿岸開発や一部劣化によって失われています。このプロジェクトでは、天然のマングローブ林が存在しなかったインド西部・グジャラート州の河口で植林活動を行っています。

マングローブ植林活動レポート

インドでは、2009年からNGO「国際マングローブ生態系協会(ISME)」が、現地NGO「Daheda Sangh」とともに、インドマングローブ協会の協力を得ながら、ヴァドガム村の住民のみなさんとともに植林事業を進めています。多くの住民が農業で生計を立てているこの地域で、マングローブ植林を実施する目的は、「農地に浸入する海水を軽減すること」、「波を弱めて海岸が削られるのを防ぐこと」、「乾季に家畜への飼料を供給すること」などです。

  • 2019年度の植林面積 75ヘクタール
  • 累積植林面積 885ヘクタール

マングローブ植林活動状況

2019年度は、引き続きグジャラート州のサバルマティ川河口の干潟で、ヴァドガム村のみなさんと協力して植林を行いました。当初はこれまでの植林地の南側と東南側に植える予定でしたが、雨天が続き川の水位が高くなっていたことから、植林地の東側に植林を行いました。

主に植えたのは、降雨量が少ない立地環境でも生育できるヒルギダマシです。また、マングローブ樹種の多様性を確保するため、オヒルギやフタバナヒルギなど導入実験も継続して行いました。川の水がさらに増えて種が流されてしまうことを想定して、1カ所に3粒ずつの種を直接まきました。

ヒルギダマシの皮剥き作業の様子

村人たちによる種まきの様子

2018年9月に種まきした植林地

植林地の様子

2015年7月末に発生した洪水により、サバルマティ川の流れは大きく変わり、マングローブの植林地は一部が流出してしまいました。しかし、現地NGOのDaheda Sanghとヴァドガム村の住民は努力を続け、植林に取り組んでいます。

また、新規の植林活動と並行して、植林地への補植も随時行えるように、ポット苗の準備も進めています。

2018年に植えたヒルギダマシ