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太陽光発電の仕組みと制度

気候変動が世界各国で問題視されている中、発電時に温室効果ガスを排出しないことで、次世代のエネルギーとして注目されている再生可能エネルギー。特に資源が限られる日本において、再生可能エネルギーは重要な役割を担うことになります。中でも太陽光発電は一般の家庭や企業においても普及が進んでおり、今後さらなる拡大が期待されています。今回は太陽光発電の仕組みや制度について、基礎的な知識をまとめていきます。

太陽光発電とは?

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーから直接電気を作る太陽電池を活用した発電方法で、再生可能エネルギー発電の一つです。日当たりの良い立地であれば比較的導入しやすいことに加えて、自然エネルギーを利用するため半永久的になくなる心配がなく、二酸化炭素を排出しないという点で環境にも配慮されており、全国的に導入が進んでいます。
特に企業における導入が目覚ましく、小売業界や物流業界を中心に、社屋へ設置するケースが増えており、脱炭素経営を推進する手法として着目されています。

太陽光発電の種類

太陽光発電にはまず、家庭用と産業用の2種類があります。
出力が10kW未満であれば家庭用、10kW以上であれば産業用となります。そのため、一般住宅であっても出力が10kWを超えていれば産業用として区分されます。

また、太陽光発電システムには、「系統連系システム」と「独立電源システム」があります。「系統連系システム」は、昼間に発電された電気はそのまま利用し、発電電力が消費電力を上回った場合には、電力会社へ送電することで電気を買い取ってもらうシステムです。主に一般のご家庭や公共施設、オフィスやショッピングセンターなどの商業施設で使用されています。
一方で「独立電源システム」は、防災用の電源、あるいは電力線を引くことが難しい無電化地域の生活向上のためなど、様々な用途で活用されています。

太陽光発電の仕組み

冒頭でご紹介したように、太陽光発電は太陽の光エネルギーから直接電気を作る太陽電池を活用した発電方法です。
電気的な性質が異なるN型半導体とP型半導体を重ね合わせた部分に光を当てると、2つの接合面を境にN型側に電子(-)、P型側に正孔(+)が集まるという性質があります。その性質を活用し、それぞれの電極をつなぐことによって電気が流れる仕組みを作り出します。また、ここで発生した電気は直流電力であるため、パワーコンディショナーによって一般に利用できる交流電力へと変換されます。

太陽光発電の買取制度【FIT】と【FIP】

再生可能エネルギーの買取に関して、現在2種類の制度が存在しています。

1つ目として、発電した電気を買い取ってもらうことができるFIT(固定価格買取制度)があります。
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、再生可能エネルギーを利用して発電された電気を、電力事業者が固定価格で一定期間買い取ることを義務づける制度です。2012年に本制度が定められたことによって、再生可能エネルギーを活用した発電方法の導入が加速度的に進んでいます。
具体的な売電の方法としては、発電した電気を全て売ることができる「全量買取」と、発電した電気を自社で使用する自家消費を優先し、余った電気を売る「余剰買取」があります。

  • 出力が10kW未満である家庭用太陽光発電については、余剰買取のみ

また、主力電源を再生可能エネルギーへとシフトさせる動きをさらに活発化させるため、2022年4月には、新たな制度が導入されました。それが、「FIP」制度です。

FIT制度は予め決まっている固定価格で必ず電力会社が買い取る制度ですが、FIP制度では、卸電力取引市場や相対取引で再生可能エネルギーを市場に供給した際、一定の補助(プレミアム)が交付される制度です。欧州などではすでに取り入れられている制度であり、今年から日本でも導入がスタートしました。
出力が50kW以上であれば、事業者が希望する場合、FIP制度による新規認定とFIT制度を選択することができます。また、すでにFIT認定を受けている電源であっても出力50kW以上であればFIP制度に移行が可能となっています。ただし、一定規模以上については、新規認定としてFIP制度のみが認められることとなります。

まとめ

環境問題への取り組みが企業でも必須課題となっている現在、再生可能エネルギーへの期待値はさらなる高まりを見せています。再生可能エネルギーの自立化に向けたステップとしてFIP制度の導入も始まっていますが、再生可能エネルギー発電事業者のみならず、新ビジネスの創出やさらなる再生可能エネルギーの導入が進むことが期待されています。

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