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EV・PHEVの普及動向

EV・PHEVの普及の背景

はじめに、EV(Electric Vehicle)とは 、バッテリーに貯めた電気を動力として走行する自動車のことです。外部から充電できるバッテリーを搭載していることから「Battery Electric Vehicle」の頭文字をとって「BEV」と呼ぶこともあります。PHEVは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle(プラグインハイブリッド電気自動車)」の略で、電気とガソリンで走るハイブリッド電気自動車に、外部から充電できる性能を加えたものです。

EV・PHEVは、走行中の二酸化炭素(CO2)排出量がガソリン車より少ないという特徴があります。CO2は地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一つで、世界的に排出量の削減が目指されています。こうした背景から、世界各国でEV・PHEVなどへのシフトが進められています。今回は、急速な導入が進むEV・PHEVの普及動向について説明していきます。

日本のEV・PHEVの現状

環境省によると、2021年9月時点でEVは13社から24車種、PHEVは10社から48車種が販売されています。また、EV、PHEVを含めた次世代自動車の年間販売台数は、2009年度以降徐々に上昇しており、ガソリン車やディーゼル車などの内燃エンジン車に比べると少ないものの、少しずつ増加している状況だといえます。

EV・PHEVのメリットとデメリット

近年世界規模で注目が集まっており、国内でもその普及に向けて補助金制度などが整備されつつあるEV・PHEVですが、普通車と異なる性質を持つことから、メリットとデメリットの両面があるとされています。ここでは、EV・PHEVのメリットとデメリットそれぞれについてご紹介します。

メリット① 快適な乗り心地

ガソリン車と比較して走行音が静かで振動も少ないため、乗り心地が快適です。また、補助金や減税が適用されることにより、初期費用の削減にもつながります。

メリット② 環境にやさしい

CO2排出がゼロであることから、地球温暖化対策として大きく寄与している点がメリットとして挙げられます。

デメリット① 充電時間が必要

ガソリン車との違いとして、EV・PHEVでは充電が必須条件となります。家庭でフル充電する場合には約7~15時間かかる点が、デメリットとして挙げられます。

デメリット② 充電ステーションの数が少ない

ガソリンスタンドと比較すると充電ステーションがまだまだ少ないため、利便性が低い点がデメリットとして挙げられます。

以上が、EV・PHEVのメリットとデメリットとなります。現在は、これらの解決と今後のさらなる普及に向けて様々な対策が講じられています。

EV・PHEVの普及に向けた取り組み

2021年1月、日本は「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と宣言しました。これを受け、同年6月に改訂された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(グリーン成長戦略)」では、車両の導入だけでなくインフラ整備も含めた包括的な措置を講じることが盛り込まれました。特に、足元の10年間ではEVの導入に力を入れるとされています。

EV・PHEVの普及に向けては、充電スタンドなどのインフラ整備のほか、1回の充電で走行できる航続距離を伸ばしたり、車種のラインナップを拡大したりといった課題があるとされています。今後、国や自動車メーカーなどはこうした課題の解決に向け、さらに取り組みを加速させていくものと考えられます。

まとめ

EV・PHEVは日本でも普及が進みつつあるものの、中国や欧州と比較すると大きくリードされているというのが現状です。走行時のCO2排出量を抑制できるという特徴から、これからも世界各地で導入が進むものと考えられます。EV・PHEVの拡大にあたっては、航続距離や車種など車両そのものの性能の向上とインフラ整備の両輪で、官民における取り組みが望まれています。

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