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COP27のまとめ

COPとは

はじめに、COPとは何かについて説明します。COPとは「Conference of the Parties」の略で、日本語では「締約国会議」。つまり、国連の気候変動枠組み条約を締結する国々による会議という意味です。197の国と地域が参加しており(2022年3月現在)、世界全体で地球温暖化対策にどのように取り組むかについて議論します。
「COP27」は、第27回の国連気候変動枠組み条約締約国会議という意味です。

これまでのCOP

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とパリ協定の関係
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とパリ協定の関係

出典:資源エネルギー庁

COPは1995年 に始まり、1997年に京都で開催されたCOP3では「京都議定書」が採択されました。2020年までの世界の地球温暖化対策の枠組みを定め、先進国全体の温室効果ガス排出量を1990年と比べて少なくとも5%削減する目標を掲げました。

さらに、2015年のCOP21では、発展途上国にも温室効果ガスの排出削減を求める「パリ協定」が合意されました。パリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前より2℃以下に保つこと、1.5℃以下に抑える努力をすることが世界共通の目標とされ、2020年以降の温暖化対策の枠組みとして位置付けられています。

COP27の主要な議題

出典:Adobe Stock

2022年11月6日から20日にかけて、エジプトのシャルム・エル・シェイクでCOP27が開催されました。議長国のエジプトはCOP27の優先課題として、温室効果ガス排出量の削減に加え、気候変動の悪影響による損失と損害への具体的なアクションなどを掲げていました。

気候変動に関しては、先進国が排出した温室効果ガスによる地球温暖化が発展途上国に悪影響を与えるという問題が指摘されることがあります。例えば、温暖化による海面上昇の被害をもっとも受けやすいのは、ツバルのような島国でしょう。そのため、こうした気候変動に対してぜい弱な発展途上国が先進国に支援を求めており、COP27の主要な議題の一つとされていたのです。

COP27の成果と次回に向けた課題

COP27は当初、11月18日までとされていましたが、会期を延長して議論が続けられました。その結果、気候変動対策の各分野における取り組みの強化を求める「シャルム・エル・シェイク実施計画」が決定されました。これによって、温室効果ガスの排出削減対策が行われていない石炭火力発電をしだいに減らすことなどが取り決められました。

また、気候変動の悪影響による発展途上国の損失と損害を支援するための「ロス&ダメージ基金(仮称)」を設置することも決定しました。ただし、この基金の運用に関しては、来年開催予定のCOP28で検討される見通しとなっています。

気候変動対策のための資金としては、先進国が年間1000億ドルを拠出するという目標が設定されていますが、達成されていない状態が続いています。COP27では、発展途上国から達成状況を報告してほしいという要望があがり、隔年で進捗報告書を作成することも定められました。

まとめ

多くの国連加盟国が集うCOPでは、先進国と発展途上国との間で対立する意見をどのようにまとめるかが一つの焦点だとされています。発展途上国であるエジプトが議長国を務めたCOP27では、気候変動による損失や損害を受けた途上国を支援する基金を設立することが決定されました。気候変動という地球規模の問題を解決するには、世界各国が協力しながら取り組みを加速させることが求められるでしょう。

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