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GXリーグについて

GXリーグとは

そもそもグリーントランスフォーメーション(GX)とは、2050年カーボンニュートラルを達成するための取り組みを経済成長の機会と捉え、二酸化炭素(CO2)の排出削減と産業競争力の向上を両立できるように経済社会システム全体を変革することを指します。

「GXリーグ」は、GXに積極的に取り組む企業が、行政や学術機関、金融機関などと協力しながら、経済社会システムを変革するにはどうすればよいかを議論したり、新たな市場を創造したりする場として位置付けられています。政府は、2023年度にGXリーグを創設することを予定しています。

GXリーグ創設の背景

政府がGXリーグを創設する背景として、第一に国内企業による環境分野への投資をしっかりと評価し、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させる、という狙いがあります。また、環境分野のルールは、これまで欧州や国際NGOなどによって決められてきたケースが多いことから、国内でも官民が連携してこうしたルールを形成する能力を高めたい、という意図もあります。加えて、GXリーグの創設を通じて国際ビジネスで勝ち残る企業を育て、経済成長を促したいという思いも込められています。

GXリーグの目指す姿

2022年2月には、GXリーグを実装するための詳しい議論や取り組み実証を進めるにあたって「GXリーグ基本構想 」が発表されました。それによると、GXリーグの目指す「経済社会システム全体の変革」は、次のような構造だとされています。

GXリーグの目指す循環構造
GXリーグの目指す循環構造

出典:経済産業省『GXリーグ基本構想』

はじめに、企業の意識や行動の変化が生み出した新しい市場によって価値が提供されます。次に、その新たな価値によって生活者の意識や行動が変わると、それがさらに企業の意識や行動の変容を促すという構造です。こうした循環構造によって企業の成長、生活者の幸福、地球環境への貢献が同時に実現される姿こそ、GXリーグの目指すものであるとされています。

GXリーグの取り組みと賛同企業

GXリーグでは以下の3つの場を提供するとしています。これらのステージを通じて、企業の声を政策の形成に活かすことを目指します。

(1)未来社会像対話の場

産学官民の幅広い関係者が持続可能な未来像を議論・創造する場として、GXによる経済社会システム移行のあるべき姿を示します。

(2)市場ルール形成の場

「未来社会像対話の場」での議論を踏まえ、新たなビジネスモデルを検討し市場のルールづくりについて議論する場です。

出典:経済産業省『GXリーグ基本構想』

(3)自主的な排出量取引の場

カーボンニュートラルの実現に向け、CO2排出量を取引する場として「カーボン・クレジット市場」を新設する予定です。ここでは、排出削減の目標に満たない場合はクレジットを購入したり、目標を超過した場合はクレジットとして売却したりすることができます。

出典:経済産業省『GXリーグ基本構想』

2022年9月には、経済産業省と東京証券取引所が「カーボン・クレジット市場」における取引の実証事業を開始しました。実証事業ではすでに流通しているJ-クレジットの取引が行われ、171の企業や地方自治体などが参加しています。(2022年11月25日現在)

GXリーグは2023年度から本格稼働する予定ですが、それに先立ち、GXリーグ基本構想に賛同する企業が募集されました。10月末までに、さまざまな業種の合計551の企業が賛同しており、賛同企業はGXリーグ設立準備公式Webサイトで公表されています。

まとめ

企業は、GXリーグに参画することでカーボンニュートラルに積極的であることを広くアピールできるため、資金や人材を集めやすくなると予想されます。また、政府は今後、GXリーグに参画して一定の取り組みを実践した企業に対しては、補助金や優遇措置などを検討するとしています。GXリーグの始動によって、カーボンニュートラルと経済社会の活性化の両立に期待が寄せられます。

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