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台風の被害

台風によって起きる被害

台風によって降雨量が増えると、水害や土砂災害などの災害が発生する恐れがあります。また、強風による災害が発生する恐れもあります。住んでいる場所の地質や地形によっては、被害の規模が大きくなる場合もあるので、注意が必要です。

水害

河川氾濫

台風によって大量の雨水が川に流れ込むと、川の水が堤防や川岸を越えてあふれ出すことがあります。そうなると、周辺の家の中まで水が入ってきたり、家のものが流されてしまったり、流れてきたものにぶつかったりする可能性があります。急な増水によって、川の中州に取り残されることも考えられます。

高潮

また、台風や発達した低気圧が通過すると、潮位が長時間にわたって平常よりも高く上昇することがあり、波が堤防を乗り越えて陸地に入り込んでくることがあります。高潮は広い範囲で海岸線から一斉に海水が流れ込むため、河川氾濫よりも被害が大きくなる可能性があります。

令和元年東日本台風の例

2019年10月10日から13日までの総降水量は多いところで1,000ミリを超え、静岡県や新潟県、関東甲信地方、東北地方を中心として、短時間で非常に激しい雨や猛烈な雨が降りました。

広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、浸水害、土砂災害等が発生し、死者・行方不明者121名、住家被害は10万棟以上にのぼり、多くの人命や財産が失われました。(消防庁情報、2020年10月13現在)

2013年11月8日 フィリピンの高潮被害の例

2013年11月3日 から11日にかけて発生・発達・消滅した台風30号(HAIYAN)は暴風雨・高潮・高波によりフィリピンに死者・行方不明者約8,000人、100万棟を超える建物被害を与えました。

高潮、高波により浸水深は5m以上もあり、さらには高潮に対する理解不足から避難しなかった・できなかった住民が多く存在しており、被害が拡大したとみられています。

内水氾濫(ないすいはんらん)

大量の雨が降ると、地面にしみ込まず地表に溜まることがあります。それらの水は低いところに流れ、道路や田畑などで冠水を引き起こします。

道路が舗装された都市部では、雨水が排水溝や下水道をあふれさせたりすることもあります。地下街や地下室に人が閉じ込められたり、道路や鉄道の下を通る道路で車が動かなくなる事故も発生しています。

*財団法人消防科学総合センター「災害写真データベース」より転載

土砂災害

大量の雨が降ると、山やがけが崩れたり、水と混じり合った土と石が川から流れ出す土砂災害が発生する恐れがあります。中でも発生件数が多いのが「がけくずれ」。前触れなく発生し、スピードも速いため、たくさんの被害が生じます。ほかにも地面の層が広い範囲に滑り落ちる「地すべり」や、大量の土砂や岩石が流されてくる「土石流」などの災害が発生する恐れがあります。

がけくずれ

地すべり

土石流

2013年10月16日 伊豆大島の土砂災害の例

 

2013年10月15日から16 日にかけての台風26号の影響により、伊豆大島(東京都大島町)は24時間雨量が824mmに達する記録的な豪雨に見舞われました。

豪雨により元町地区上流域の大金沢を中心とした渓流で、流木を伴った土砂流出が発生するなど甚大な土砂災害が生じました。その結果、死者・行方不明者39人、住家被害153棟におよぶなど、多くの人命や財産が失われました。樹木が大量の流木となって出水と一緒に市街地を襲ったことにより、被害を大きくしたと考えられます。

  • 東京都建設局 「伊豆大島土砂災害対策検討委員会報告書」巻末資料より転載

強風被害

台風の接近に伴って、強風が吹きはじめます。強風は木造の家屋の倒壊や農作物の被害を招き、その強さによっては自動車や列車などが転覆することもあります。また、看板や瓦などが飛ばされることで、人が死傷したり、建物が壊れたりする事故も発生します。
ほかにも、鉄道や船をはじめとした多くの交通機関の交通障害、送電線や送電施設に問題が起こり広い範囲で停電が発生するなど、強風によって社会的機能がまひしてしまうこともあります。

令和元年房総半島台風
財団法人消防科学総合センター「災害写真データベース」より転載

風の強さと吹き方

風の強さ
(予報用語)
平均風速
(m/s)
おおよその時速 速さの目安 人への影響 屋外・樹木の様子 走行中の車 建造物
やや強い風 10以上
15未満
おおよその瞬間風速20(m/s)以下
~約50km 一般道路の自動車 風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。 樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。 道路の吹流しの角度が水平になり、高速運転中では横風に流される感覚を受ける。 樋(とい)が揺れ始める。
強い風 15以上
20未満
おおよその瞬間風速20~30(m/s)
~約70km 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。
高所での作業はきわめて危険。
電線が鳴り始める。
看板やトタン板が外れ始める。
高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる。 屋根瓦・屋根葺材がはがれるものがある。
雨戸やシャッターが揺れる。
高速道路の自動車
非常に強い風 20以上
25未満
おおよその瞬間風速30~40(m/s)
~約90km 何かにつかまっていないと立っていられない。
飛来物によって負傷するおそれがある。
細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。
看板が落下・飛散する。道路標識が傾く。
通常の速度で運転するのが困難になる。 屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。
固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する。
ビニールハウスのフィルム(被覆材)が広範囲に破れる。
25以上
30未満
おおよその瞬間風速30~50(m/s)
~約110km
特急電車 屋外での行動は極めて危険。 走行中のトラックが横転する。 固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。
養生の不十分な仮設足場が崩落する。
猛烈な風 30以上
35未満
おおよその瞬間風速40~50(m/s)
~約125km
35以上
40未満
おおよその瞬間風速50~60(m/s)
~約140km 多くの樹木が倒れる。
電柱や街灯で倒れるものがある。
ブロック壁で倒壊するものがある。
外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある。
40以上
おおよその瞬間風速60(m/s)以上
約140km~ 住家で倒壊するものがある。
鉄骨構造物で変形するものがある。
  • 平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均です。

リーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」気象庁ホームページより弊社作成

台風による帰宅困難者

2011年9月21日、東日本に上陸した台風としては戦後最大級となる「平成23年台風第15号」が上陸。15時ごろに首都圏が暴風圏に入り、帰宅時に各交通機関のダイヤが乱れるなどして、多くの帰宅困難者が発生しました。

企業や学校によっては、午後の早い時点で帰宅を促しました。

受付の多い事故形態

台風の後に、弊社にご連絡をいただく事故受付の例です。ご注意ください。

  • 風にのった飛来物の衝突
  • 強風による瓦のずれ、ずれた箇所からの雨漏り
  • 強風による樋(とい)の変形
  • 屋外設備装置、付属建物(車庫・物置)の転倒
  • 浸水
  • 土砂崩れによる家屋の倒壊、破損、汚損
  • 給排水管の詰まりによる逆流

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