カーブを安全に曲がるには…
2018年2月号
今月のクイズ
2016年中に起きたカーブでの死亡事故件数は、昼間より夜間の方が半数近く減りますが、内容を詳しくみると夜間の方が約1.4倍も増えるケースがありました。そのケースを次の中から選んでください。
- (1)横断歩道も何もないカーブで横断中の歩行者と衝突
- (2)カーブで出会い頭に車と衝突
- (3)カーブから路外に逸脱し転落
カーブを曲がるとき、速度を落としきれずに車線を越えそうになったり、カーブの先で停止した前の車やふいに現れた歩行者にヒヤリとしたりしたことはありませんか?
今月は、カーブでどのような事故が起きているかを通し、安全に曲がるためにはどうしたらよいかをみてみましょう。
カーブでは、適切な速度コントロールがポイントになる
2016年中に起きた交通事故全体のうち、カーブで起きた事故は約3%ですが、死亡事故になると5倍の約15%に増え、カーブでの事故が重大事故につながりやすいことがわかります。事故の相手と、どのような事故類型(事故の種類)だったのかを、カーブでの事故全体と死亡事故の発生割合を比べてみてみましょう(図)。
カーブの事故全体をみると、事故の相手は「車両」が約7割を占め、「正面衝突」「追突」「すれ違い」の順で多く、この3類型でカーブ事故の半数を超えます。一方、死亡事故では「単独」が半数以上に増え、そのうち電信柱や防護柵などに衝突した「工作物衝突」が最も多くを占めています。

カーブに入るときに速度が出ていると、ハンドルをとられて車線を逸脱し、対向車や道路わきの工作物に衝突して重大事故につながる危険性があります。また、見通しが悪いカーブや夜間に少しでも速度が出ていると、停止している前の車や路肩から出てきた歩行者に対応できず、衝突する危険が高くなります。カーブを安全に曲がるには、適切な速度コントロールが大切になります。
カーブを安全に曲がるには…
カーブを安全に曲がるにはどうすればよいのかを考えてみましょう。
カーブで速度をコントロールするためには…
- 1.カーブの手前で、速度を落としましょう
カーブの途中で慌ててブレーキを踏み、スピードを落とすことがないように、カーブに入る前に速度を落とします。アクセルから足を離し「このくらいなら大丈夫」と思う速度より、もう少しだけ速度を落としましょう。特に、下り坂ではカーブの途中で速度が出やすくなるので、カーブに入る前に十分速度を落とす必要があります。
- 2.速度を落とした状態で曲がりましょう
速度が落ちていれば、安定したハンドル操作が可能になります。速度を落とした状態で曲がりましょう。
- 3.曲がり終えてから速度を上げましょう
曲がり終え、ハンドル操作に余裕が出てきたら、速度を上げましょう。
車線を逸脱しないためには…
- 右カーブ
- ドライバーは、視線を向けている方向にハンドルを操作する傾向があります。
右カーブでは先が見えやすいため、視線を遠くに向けすぎるとカーブの内側に寄りやすくなります。
- 左カーブ
- ドライバーは、自分の走行する車線が広く感じると、体感速度よりも実際の速度が速くなる傾向があります。
左カーブでは対向車線に比べ自車線の方が広く見えるため、速度が速くなり外側に寄りやすくなります。

- カーブを曲がるときは、視線を車線の中央に向けましょう。
右カーブのときは車は車線の中央より少し外側に、左カーブのときは内側に寄せて曲がりましょう。
見通しが悪いカーブや夜間のカーブでは、さまざまな「危険が潜んでいる」と疑おう
見通しが悪いカーブでは、前の車が停まっていたりバイクが対向車線から逸脱してきたりと予測できない事態が発生することがあります。
また、夜間のカーブでは、ヘッドライトが照射される範囲は視認性が高くなりますが、それ以外は見えにくい状況になります。特に、右カーブを走行中に右側から現れる歩行者は、目の前にくるまで気づかない可能性があります。ところが歩行者は、自分にヘッドライトが当たってなくても光りがあると「ドライバーは自分が見えている」と思い込み、横断する危険性があります。
見通しが悪いカーブや夜間のカーブでは、さまざまな危険性があることを念頭におき、速度を十分に落としてハンドルをしっかりと握り、注意を払いながら曲がりましょう。

- カーブを曲がるときは、カーブに入る前に十分に速度を落としましょう。
- 視線を車線の中央に向け、右カーブのときは車は車線の中央より少し外側に、左カーブのときは内側に寄せて曲がりましょう。
今月のクイズの答え
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(1)
横断歩道も何もないカーブで横断中の歩行者と衝突(出典:公益財団法人 交通事故総合分析センター 平成28年度版「交通事故統計年報」より)