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車の自動運転って…なに?

2018年11月号

今月のクイズ

総務省が2016年に行った調査によると、「完全自動走行車」(完全自動運転車)の認知度について、「内容はよく知らないが、名前程度は聞いたことはある」もしくは「全く知らない」と答えた人は、全体のどれくらいを占めていたか、次の中から選んでください。

  • (1)
    37.6%
  • (2)
    57.6%
  • (3)
    77.6%

人が直接運転に関わらない自動運転について「興味はあるけどよく分からない」「次々に変化する交通状況に対応できるのかな」と思っていませんか?
今月は、自動運転のシステム開発がどのように進んでいるのか、どのように周囲の交通状況を把握しているのかについてみてみましょう。

自動運転はドライバーのミスによる事故を減らし、人や物の移動を容易にする!?

自動運転のシステムは、ドライバーの速度違反やわき見運転、運転操作の誤り等による交通事故の大幅な低減が期待されます。また、少子高齢化による輸送ドライバー不足への対応や、高齢者の移動手段としての期待も高まります。レベルを5段階に分けて開発が進められており、現在はレベル2まで一部実用化されています。

自動運転のレベル分け

ドライバーによる監視<現在>

レベル1「運転支援」

自動運転のシステムが、ハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルの操作のうちいずれかを実施します。自動ブレーキを搭載した「セーフティ・サポートカー(サポカー)」等が含まれます。追突や運転操作不適等による事故を減らせます。

レベル2「特定条件下での自動運転機能」

高速道路で自動運転のシステムが、ハンドル操作や加速・減速の動作を組み合わせて安全走行を実施します。高速道路でぼんやりしながらの漫然運転や、安全不確認等による事故を減らせます。
さらに、追い越し時や分合流時等に一時的な自動運転モード機能がはたらき、高速道路での車線変更等が苦手なドライバーも、無理なく安全な移動が可能になります。ただし、レベル2まではドライバーによる監視を前提としているため、ドライバーは運転の監視を怠ってはならず、過信は禁物です。

自動運転のシステムによる監視

レベル3「条件付自動運転」政府目標:高速道路での条件付自動運転(2020年目途)

高速道路や特定の場所において、自動運転のシステムが周囲の交通状況を把握し、適切な運転操作を実施します。ドライバーはハンドルやペダルから手足を離すことができます。ただし、緊急時やシステムの継続作動が困難になった場合は、ドライバーが代わって運転をしなくてはいけません。長時間ドライブや渋滞時に、ドライバーの身体への負担が軽減されるとともに、人のミスによる事故の低減が期待されています。

レベル4「特定条件下における完全自動運転」政府目標:地域限定での無人自動運転移動サービス(2020年まで)高速道路での完全自動運転(2025年目途)

特定の場所や天候条件等、運転環境による制限がつきますが、自動運転のシステムが周囲の交通状況を把握し、運転に関する全ての操作を実施します。緊急時も自動運転のシステムが対応します。ドライバーが乗っていなくても走行が可能になり、過疎地域での無人宅配サービスや、無人自動運転バス等により高齢者の移動等が容易になると期待されています。

レベル5「完全自動運転」

自動運転のシステムが、いかなる条件でも、完全な自動運転で走行します。ハンドルもペダルも不要になるので、車内は列車の個室のようになります。ビジネスマンが次の取引先に移動する間に資料を読んだり、休日はゲームをしながらドライブしたりすることが可能になります。ドライバーが起こす速度違反や安全運転義務違反等の法令違反が無くなるため、交通事故が大幅に減ると期待されています。

自動運転の車はどのように周囲の交通状況を把握して走行するのか?

刻々と変化する交通状況に対し、自動運転のシステムはレーダー等を使って危険を「認知」し、AI(人工知能)により適切な「判断」を行い、安全で最適な運転「操作」をするために車両を制御します。では、自動運転の車がどのように周囲の交通状況を把握して走行するのかをみてみましょう。

図1:カメラやレーダー等で周囲の危険を認知し、安全で最適な判断と運転操作を行う様子
図2:高度道路情報システム(ITS)やインターネット等の情報網を使い周辺の交通状況を取得し、安全で最適な判断と運転操作を行う様子

自動運転の車により、ドライバーのミスによる交通事故が減り、安全な交通社会になることが期待されています。

今月のクイズの答え