ペダルの踏み間違いを防ぐには

2018年12月号

今月のクイズ

2012年~2016年の5年間に、駐車場で起きたペダル踏み間違い事故の状況を、行動の類型別にみると、「直進時」が最も多く発生していました。では、2番目に多かった行動を、次の中から選んでください。

  • (1)発進時
  • (2)右左折時
  • (3)後退時

「ペダル踏み間違い事故は高齢者に多い」と思っていませんか?その一方「バックで駐車しようとしたら、ペダルを踏み間違えそうになってあせった」という経験はありませんか?
今月は、ペダル踏み間違い事故がどのような状況で起きるのか、踏み間違いを防ぐ方法はあるのかについてみてみましょう。

ペダル踏み間違い事故は、高齢者が中心とは限らない

2017年中のペダル踏み間違い事故をドライバーの年齢別の割合でみると、70歳以上と20歳代がそれぞれ2割を超えています(図1)。しかし、30~60歳代も約1割前後発生しており、ペダル踏み間違い事故は高齢者が中心とは限らないようです。ただし、死亡事故をみると加齢とともに高くなり、70歳以上が全体の約7割を占めています。高齢者の踏み間違い事故は重大事故につながる危険性が高いことがうかがえます。


図1:ペダル踏み間違い全事故・死亡事故の年齢層別分布(2017年中)

想定外の危険に、慌てたりパニックに陥ったりして踏み間違い事故を起こす

2017年中のペダル踏み間違い事故の内容をみると、車両相互事故が多く、その中でも追突が全事故の6割を超えています(図2)。渋滞中にボーッとして運転し、前の車に続いて止まるべきところでペダルを踏み間違えて追突するような事故が多いことがうかがえます。一方、死亡事故では車両単独事故が多く、家屋や壁等の工作物への衝突が全体の4割を占めており、転落を含む路外逸脱も約2割発生しています。駐車場等で誤ってアクセルを踏み込み、車が勢いよく進んで工作物へ衝突するような事故が多いことがうかがえます。また、路外へ逸脱するような事故は、速度が出すぎたままカーブに入り、減速させるつもりが間違えてアクセルを踏み、曲がりきれずに重大事故に至ると考えられます。

図2:事故内容別のペダル踏み間違い全事故・死亡事故割合(2017年中)全事故は人対車両5%、車両相互82%のうち追突64% その他18%、車両単独12% 死亡事故は人対車両24%、車両相互10%、車両単独66%のうち工作物衝突40% 路外逸脱18% その他8%(構成比は小数点以下を四捨五入して表示しているため、合計が100%にならない場合があります。)

では、どうしてブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えてしまうのでしょうか。交通事故例調査データから、どのような状況でペダルの踏み間違い事故が起こりやすいか*をみると、「慌て、パニック」が最も多く、加齢により運転に支障があったと判断される「高齢」や「乗り慣れない車」といった要因が続きます。ドライバーが想定外の危険を認知した際、慌てたりパニックに陥ったりしてしまうと意識がペダル操作に向かず、踏み間違いが起こると思われます。加えて、ブレーキペダルを踏んでいると思い込んでいるので、止まらないとあせってさらにアクセルペダルを踏み続けてしまい、重大事故に至ると考えられます。

ペダル踏み間違いを防ぐには

危険回避の行動をとるときに、足にも注意を向け踏み込むペダルを間違えないように操作するには、どうしたらよいのかをみてみましょう。

アクセルペダルからブレーキペダルへ踏みかえる習慣をつけましょう

アクセルからブレーキへのペダル操作のとき、かかとをつけたまま足先だけを動かす操作をしていませんか?雨で靴底が濡れていたり、ブレーキペダルの隅に引っ掛けるように踏んでいたりすると、ペダルから足が滑って踏み間違える危険性があります。ブレーキをかけるときは、かかとを床から離してアクセルペダルからブレーキペダルへ踏みかえる習慣をつけましょう。

カーブには、足をブレーキペダルの上に置いた状態で入りましょう

速度が落ちていない状態でカーブに差し掛かったとき、「ブレーキ!」と判断しても、パニックで踏み慣れているペダルを踏んでしまうことがあり、足先がアクセルペダルにあればそのまま踏み込んでしまうおそれがあります。

  • カーブの手前で速度を落とし、足をブレーキの上に置いた状態でカーブに入りましょう。
  • 適切な速度で曲がり、カーブを出るときにアクセルペダルへ足を移動しましょう。

渋滞中は、足は常にブレーキペダルの上に置き、ゆっくり進みましょう

渋滞中は、車が進んだり止まったりの繰り返しで、ついボーッとしてしまい、運転操作から注意が逸れやすくなります。オートマチック(AT)車を運転している場合は、シフトレバーがパーキング(P)やニュートラル(N)以外の位置にあるとき、車はアクセルペダルを踏まなくてもシフトレバーの働き通りゆっくりと動きます(クリープ現象)。渋滞中は、足を常にブレーキペダルの上に置き、クリープ現象を利用してゆっくりと進みましょう。
マニュアル(MT)車を運転している場合でも、車がゆっくり進んでいるときは、足はブレーキペダルの上に置き、前の車との間隔が十分に空いてから加速するときに、足をアクセルペダルへ移動しましょう。

駐車するときは、目視でシフトレバーの操作を確認し、ブレーキペダルに足を乗せたままゆっくりと駐車しましょう

駐車スペースに車を停めるときは、シフトレバーの切り替えや前後左右の安全確認など、運転操作が複雑でペダル操作への注意がおろそかになりがちです。
さらに、後退して駐車するために後方を向くときは、身体をひねるため足先の位置がずれる可能性があります。また、前進しようとしているときシフトレバーのギアが後退(R)のままだったり、後退するときにドライブ(D)のままだったりすると、想定外の動きにパニックを起こし事故を誘発する危険性があります。

  • 駐車スペースの直前で、ブレーキペダルを踏み込み車を一旦停止させ、周囲の安全確認を行いましょう。
  • 足はブレーキペダルの上に置いたまま、クリープ現象を利用してゆっくりと車を動かしましょう。
  • シフトレバーを操作するときも、ブレーキペダルを踏み込んで車を一旦停止させ、目視でギアの位置を確認し、駐車スペースを含め周囲の安全確認を行ってから車を動かしましょう。

今月のクイズの答え