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居眠り運転を防ぐために

2019年9月号

今月のクイズ

高速道路で、居眠り運転により事故を起こした、もしくはヒヤリとした経験があるドライバーの、眠気が発生した時間帯別の割合*をみると、午前2時(15%)が最も多く、午前3時(13%)が続きます。では、3番目に多い時間帯を次の中から選んでください。

  • (1)
    午前4時
  • (2)
    午後2時
  • (3)
    午後11時
  • *
    アンケート調査による眠気発生時間帯の回答サンプル数÷2012年関越道の交通量(時間帯別走行台キロ)×100

「運転中に眠くなったことはあるけど、居眠り運転はしたことがない」と思っていませんか?もしも、眠気によって一瞬だけでも意識が遠のいたことに気付かず運転を続けたとしたら、事故を起こすおそれがあります。
今月は、居眠り運転がどれくらいあるのか、どのような交通状況で起きているのかを通し、居眠り運転を防ぐためにどうしたらよいかをみてみましょう。

居眠り運転でヒヤリとしたドライバーは半数も占めている

一般ドライバーを対象にした高速道路における居眠り運転に関するアンケートの調査結果をみてみると、「眠くなった経験がある」ドライバーは約8割を占めていました(図1)。眠気や居眠りにより「事故を起こした」ドライバーは1%でしたが、事故に至らないまでも「ヒヤリとした」経験があるドライバーは全体の約半数を占めており、「あわや」というところで事故を免れているケースが多くあるようです。
走行中の眠気や居眠りは、運転から意識が遠のくため前方への注視が外れ、運転操作がおろそかになり事故を誘発する危険性があります。

図1:居眠り運転による事故及びヒヤリ経験の割合

眠気は、運転に変化や刺激が少ない状況で発生しやすい

「事故を起こした」及び「ヒヤリとした」経験があるドライバーの居眠り運転発生時の状況をみると、交通状況は空いているときに多く発生しています。また、道路の線形は緩やかな直線区間で多く発生しています(図2)。

図2:居眠り運転発生時の周辺状況

居眠り運転を防ぐために

疲れていたり睡眠不足だったりすると、日常生活の中でもついウトウトしてしまうことがあると思います。運転中にウトウトすれば事故につながりかねません。居眠り運転を防ぐためにどうしたらよいかをみてみましょう。

眠気があるときは15分~30分以内の仮眠をとりましょう

一日の中で、人は午前2時~4時と、半日後の午後2時~4時に強い眠気をもよおすとされています(サーカセミディアンリズム)*。運転中に眠気を感じたときは、サービスエリア等の駐車場に停車して仮眠をとるようにしましょう。
ただし、仮眠時間が30分を超えると深い睡眠状態になるため、起きても身体が覚醒しきれずに眠気や疲労を余計に感じてしまいます。一方、15分未満だと眠気が取れない場合があります。仮眠時間は15分~30分以内にしましょう。
仮眠をとるときはシートを倒して身体をリラックスした状態にし、仮眠をとった後は車外に出て深呼吸し身体を覚醒させましょう。

カフェインを摂取したときは、眠気を抑える効果が表れ始める15分後に運転を再開しましょう

コーヒーや紅茶、エナジードリンク等に含まれるカフェインは、眠気を抑える効果があります。ただし、カフェインを摂取後に眠気の抑制効果が表れるのは、概ね15分後とされています*。コーヒー等を飲んでほっとした後は、車から外に出て身体を動かすなど気分転換してから運転を再開しましょう。または、カフェイン摂取後に15分の仮眠をとってから運転を再開してもよいでしょう。

長時間運転のときは、2時間ごとに休憩をとりましょう

人は、2時間の間隔で覚醒と眠気を繰り返す生体リズムを持っているとされています(ウルトラディアンリズム)*。長時間運転するときは、眠気や疲れを感じていなくても2時間ごとに適切な休憩をとりながら走行を続けましょう。

日頃から適当な睡眠時間をとり、身体を休めましょう

睡眠不足により覚醒レベルが低下すると、酒気帯び運転と同じくらいに作業能力も低下するとされています*。 すなわち、集中力が持続できなくなるので危険に対して注意が向かず、外からの刺激への反応が遅くなり、運転操作が危うくなります。日頃から適当な睡眠時間をとり、十分に身体を休めましょう。


今月のクイズの答え