エコドライブは安全運転につながる
2019年11月号
今月のクイズ
エコドライブの一つに、車の停止時にエンジンを止め燃費を向上させるアイドリングストップがあります。手動でアイドリングストップを行う車が赤信号で停止するとき、次のどちらが安全のために適切か選んでください。
- (1)アイドリングストップをする
- (2)アイドリングストップをしない
「地球温暖化対策としてのCO2削減は…」とメディアから流れるニュースを聞いたことがある方は多いと思います。では「エコドライブの実践は、CO2の削減だけでなく、安全運転にもつながる」と聞いたことはあるでしょうか?
今月は、エコドライブの実践による燃費向上や交通事故低減の調査を通し、環境に優しく安全な運転を行うためにはどうしたらよいのかをみてみましょう。
エコドライブは、交通事故防止につながる
エコドライブとは、エネルギー消費の少ない運転のことをいい、燃費向上に効果があります。トラックドライバーが、エコドライブ10項目*のうち「ゆっくり発進」「ゆっくり停止」を重点的に実践したところ、燃費は約8.7%向上しました(図1)。さらに、交通事故件数は約半分に低減しました(図2)。エコドライブの項目を全て実践できなくても、無理なくできそうな項目に絞り心がけるだけで、燃費向上や交通事故低減に効果があると考えられます。
エコドライブ10*のすすめ
- 1.ふんわりアクセル『eスタート』(ゆっくり発進)
- 2.車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転
- 3.減速時は早めにアクセルを離そう(ゆっくり停止)
- 4.エアコンの使用は適切に
- 5.ムダなアイドリングはやめよう
- 6.渋滞を避け、余裕をもって出発しよう
- 7.タイヤの空気圧から始める点検・整備
- 8.不要な荷物はおろそう
- 9.走行の妨げとなる駐車はやめよう
- 10.自分の燃費を把握しよう
- 出典:エコドライブ普及連絡会 2019年現在「エコドライブ10のすすめ」より
- 出典:自動車技術会 学術講演会講演予稿集No.38-06 間地寛、春日伸予、石太郎、大聖泰弘 2006年5月「エコドライブ活動による燃費改善と交通事故低減」より弊社作成
- ※2006年の調査当時と、2019年現在とではエコドライブ10の項目に多少の違いがありますが、安全運転に関する項目は、ほぼ変わりがありません。
グリーン・エコプロジェクト(東京都)の13年間の実績*によると、エコドライブを実践したことにより、約1,316万本のスギの木を植えたのと同じCO2削減効果がありました。エコドライブの実践は、環境にも優しいことが実感できます。
- *一般社団法人 東京都トラック協会 HP「グリーン・エコプロジェクト」http://www.tta-gep.jp/より
エコドライブで、環境にも優しい安全運転を実践しよう
エコドライブ10項目のうち、まずは安全走行にかかわることから始めてみませんか。安全走行のためのエコドライブを実践するにはどうしたらよいのかを、4つのポイント別にみてみましょう。
出庫前 タイヤの空気圧をこまめにチェックしましょう
タイヤの空気圧は、車を使用していなくても自然に低下します。空気圧が低下すれば燃費が悪化するのに加え、タイヤの側面がたわんで車全体の安定性が悪くなり、パンクやバースト(破裂)につながる危険性があります。
出庫前に目視で日常点検を行い、月に1回以上はエアゲージを使って空気圧の点検を行いましょう。
発進時 「ふんわりアクセル」でゆっくり発進しましょう
発進時にゆっくり発進する「ふんわりアクセル」を実践すると、約10%の燃費を改善することができます。
交差点等での発進時に急に加速をすると、周囲の危険に対応できなかったり、前の車に追突したりする危険性があります。緩やかにアクセルペダルを踏みはじめ、発進から5秒後に20km/h程度になるのが「ふんわりアクセル」の目安です。
発進時は、周囲の危険を把握するために一拍おいてから、車の速度をゆっくりと上げる「ふんわりアクセル」を実践しましょう。
走行時 十分に車間距離をあけて、加速・減速が少ない運転をしましょう
車間距離が短いと、前の車の動きに左右されやすくなるため、ムダな加速や減速が多くなり、市街地では約2%、郊外では約6%燃費が悪化します。
また、後続車のドライバーに「速くなったり遅くなったりして危ないなぁ」と不安を与えかねず、場合によっては周囲から「あおり運転」と認識される危険性もあります。
走行時は十分に車間距離をあけて、加速・減速などの速度変化が少ない運転をしましょう。
減速時 早めにアクセルペダルから足を離し、ゆっくり停止しましょう
車を停止させるとき、アクセルペダルから早めに足を離しエンジンブレーキを作動させることにより、約2%燃費が改善します。
また、焦らずに足をブレーキペダルへ移せるので、踏み間違えが起きにくくなり、停止位置で安全に止まることができます。
減速時は早めにアクセルペダルから足を離し、ゆっくり停止しましょう。
- 出典:エコドライブ普及連絡会 「エコドライブ10のすすめ」/経済産業省 資源エネルギー庁「エコドライブ推進マニュアル(第3版)」をもとに弊社作成
- 出庫前はタイヤの空気圧をこまめにチェックしましょう
- 発進時は「ふんわりアクセル」を実践しましょう
- 走行時は十分に車間距離をあけて、加速・減速が少ない運転をしましょう
- 減速時は早めにアクセルペダルから足を離しましょう
今月のクイズの答え
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(2)
アイドリングストップをしない手動の場合、アイドリングストップ中にブレーキを何度か踏むとブレーキの効きが悪くなります。また、慣れていないと操作の誤りや発進の遅れが生じるうえ、エアバックなどの安全装置や方向指示器などが作動しなくなり、事故を誘発させる危険性があります。手動でアイドリングストップする場合は、安全な場所で実践しましょう。なお、自動アイドリングストップ機能搭載車の場合は、信号待ちで実践することに問題ありません。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「エコドライブ推進マニュアル 第3版」より)