飲酒運転をしないために

2019年12月号

今月のクイズ

呼気中アルコール濃度が、酒気帯び運転の基準値とされている0.15mg/l未満でも、酒酔い運転として罰せられることが「ある」か「ない」か、次の中から選んでください。

  • (1)ある
  • (2)ない

年末年始は、お酒を飲む機会が多くなりがちです。しかし、お酒を飲んで気が大きくなり、「ほんの一口しか飲んでいないから平気」などと軽い気持ちでハンドルを握った結果、楽しい飲酒が一転、苦い後悔に変わります。
今月は、飲酒運転による死亡事故の特徴を通し、飲酒運転を「しない」「させない」ためにどうしたらよいのかをみてみましょう。

飲酒運転による死亡事故の特徴

2014年~2018年の5年間の飲酒運転による交通事故*1は18,713件、そのうち死亡事故は1,043件発生し、死亡事故率は5.57%でした。同時期の飲酒なしの交通事故による死亡事故率(0.67%)と比べ約8.3倍もあり、飲酒運転の危険性が高いことがわかります。死亡事故の類型をみると、単独事故では主にドライバーが死亡しており、非単独事故(車両相互や車対人など)では、事故に巻き込まれた第三者が多くを占めています(図1)。ドライバーの飲酒状況をみると、真っすぐに歩けない状態での酒酔い運転と、呼気中のアルコール濃度が0.25mg/l以上ある酒気帯び運転で全体の約7割を占めています(図2)。


図1:飲酒死亡事故による死者の当事者順位別比較(2014年~2018年)



図2:飲酒死亡事故件数の飲酒状況別比較(2014年~2018年)


図3:飲酒死亡事故件数の発生時間帯別比較(2014年~2018年)



図4:飲酒死亡事故の免許保有者10万人あたり年齢層別比較(2014年~2018年平均)

事故の発生時間帯は、22時から翌朝6時が全体の約6割を占め、特に深夜0時~2時に最も多く発生しています(図3)。お酒を飲んで「帰宅しよう」または、家で飲んでいて「お酒を買い足しに行こう」と動く時間帯だと推察されます。また、ドライバーの年齢層別に免許保有者10万人あたりの飲酒死亡事故の発生件数をみると30歳未満が高く、なかでも飲酒が禁止されている20歳未満が最も高くなっています(図4)。若いドライバーほど規範意識が薄く、お酒の誘惑に勝てない傾向があるようです。

飲酒運転をしないために

飲酒する機会が多くなる時節ですが、誘惑に負けず飲酒運転を防ぐにはどうしたらよいのかをみてみましょう。

ドライバーは「私は飲まない」と宣言し、周囲もお酒を飲ませないようにしましょう

お酒を提供するお店に車で出向くときは、ドライバーは最初に「私は飲まない」と周囲の人や店員に伝えましょう。また、周囲の人や店員もドライバーに配慮し、お酒を勧めたり飲ませたりしてはいけません。もし、お酒を提供し飲酒したドライバーが運転したり、飲酒運転の車に同乗したりすると、提供した側や同乗者にも罰則が科せられます。

道交法第65条1項
ドライバーの違反種別 罰則 違反点数 行政処分
酒酔い運転 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 35点 免許取消し/欠格期間3年
酒気帯び運転
呼気中アルコール
0.25mg/l以上 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 25点 免許取消し/欠格期間2年
0.15~0.25mg/l未満 13点 免許停止/停止期間90日
道交法第65条3項・4項
ドライバーにお酒を提供または同乗した者 罰則
ドライバーが酒酔い運転をした場合 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
ドライバーが酒気帯び運転をした場合 2年以下の懲役または30万円以下の罰金

飲食店で一口でもお酒を飲んだら、代行車を呼びましょう

「お酒に酔う」とは、血液に溶け込んだアルコールが脳に運ばれ、脳がまひを起こしている状態をいいます。一般的に「お酒に強い」といわれる人は、「お酒に弱い」といわれる人に比べ、アルコールの分解が速いだけで、脳がまひしている状態は変わらないといわれています。
飲食店で一口でもお酒を飲んだ場合は、決して自分で運転せずに、車の代行サービスやタクシーを利用して帰宅しましょう。

家でも「お酒を飲んだら運転しない」という意思を強く持ちましょう

自宅や友人の家でお酒を飲むと、解放感から飲酒量が増えてしまいませんか?家での飲酒は「近くの酒屋まで買い足しに行こう」「友人を送って行こう」と、気軽に運転する危険性をはらんでいます。
飲酒運転は、視聴覚や運動機能の低下とともに注意力や判断力が鈍るので、速度超過やブレーキペダルの踏み遅れなど、重大事故が起きやすい状況を作ります。
家でも「お酒を飲んだら運転しない」という意思を強く持ちましょう。

お酒は20歳になってから

未成年の飲酒は法律で禁止*2されています。未成年者は成人に比べてアルコールの分解が遅く、血中濃度がより高くなって急性アルコール中毒を起こしやすくなります。また、脳の機能低下や臓器の障害を引き起こしやすく、性ホルモンに異常が起きて性的機能に悪影響をもたらします。さらに、成人に比べアルコール依存症になりやすくなります。
将来の心身を自らが守るため、お酒は20歳になってから飲みましょう。周囲の人は未成年者にお酒を勧めないようにしましょう。

  • *2未成年者飲酒禁止法(20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律)第1条1項
    (参考:国税庁「未成年者がお酒を飲んではいけない5つの理由」より弊社作成)

今月のクイズの答え