高速道路でのトラブル回避

2020年11月号

今月のクイズ

あおり運転と怒りの関係性についての調査で「あなたは、運転をしている際に、あおり運転や急な割り込み等、周りの車に危険な運転をされたことがありますか?」の問いに、「ある」と回答した割合を次の中から選んでください。

  • (1)43.1%
  • (2)63.1%
  • (3)83.1%

高速道路を走行中、カーナビや景色に気をとられ、前方から視線を外したことはありませんか?割り込まれないように車間距離をつめて走行したことはありませんか?追い越し車線を走行し続けていませんか?
今月は、高速道路で生じるトラブルについてみてみましょう。

高速道路で前方を見て運転している?

高速道路では、運転操作が単調になるため、つい脇見や考え事等で前方への注意がおろそかになる状況が生じます。
高速道路での事故は追突が多く、事故類型全体の72.1%を占めています。その内容をみると、車線上に停止している車への追突が41.6%、走行車への追突が25.6%になります(図1)。事故時の法令違反をみると、前方や周囲の状況をよく見ていない「前方不注意」と「動静不注視」が70%を占めており、追突事故が多くなる様子がみてとれます(図2)。


図1:高速道路における事故類型別の交通事故件数の割合(2019年中)


図2:高速道路における法令違反別(第1当事者)の交通事故件数の割合(2019年中)

  • 構成比は小数点第2位を四捨五入して表示しているため、合計が100%にならない場合があります。

あおり運転は誰でも遭遇する?

高速道路での違反による取り締まりの状況(2019年)をみると、あおり運転(車間距離不保持)と判明したのは13,787件で全体の約3%でした。一方で、「あなたは、運転をしている際に、あおり運転や急な割り込み等、周りの車に危険な運転をされたことがありますか?」の問いに、「ある」と回答した割合は83.1%もあり、取り締まりを受けていないもののあおり運転そのものは多く発生していることがわかります*。また、速度違反は法令違反の約7割を占めています(図3)。この中には前の車をあおった後、追い越し車線で速度超過で走り続ける危険なドライバーも含まれているかもしれません。
2020年6月30日に改正道路交通法が施行され、「妨害運転罪」が成立しました。これにより、わざと車間距離をつめて運転したり、急ブレーキをかけて他車の運転を妨害したりすること等が厳正な取り締まりの対象となりました。あおり運転の加害者にならないような運転が求められます。


図3:高速道路における法令違反の取り締まり状況(2019年中)

逆走車に遭遇することは無い?

2018年の高速道路での逆走による通報件数(誤報も含む)は802件あり、全国の高速道路のどこかで1日に2件以上発生している計算になります。確保されたのは200件で、そのうち32件が事故を起こしていました。逆走の原因をみると「過失」が最も多く約4割を占めています。次いで出口を行き過ぎたので戻るなどの「故意」に逆走したケースや、確保されるまで逆走した「認識なし」のケースがそれぞれ約2割です(図4)。ジャンクションやインターチェンジなどで本線を逆走してくる車と遭遇すれば、重大事故に至る危険性があります。


図4:高速道路における逆走車の原因別割合(2018年中)

高速道路でのトラブルを回避するためには

複数の車が同一方向に高速走行している高速道路では、ドライバーの法令違反や不注意がトラブルを招き、大きな事故につながります。では、高速道路でトラブルを回避するためにはどうしたらよいのかをみてみましょう。

車間距離を十分にとり、前方をよく見て運転しましょう

車間距離をとると視野が広がるので、前方に危険が生じたとき、早めに発見し対処することが可能になります。車間距離を十分にとり、前方をよく見て運転しましょう。

車間距離を確認するには…

車間距離は、前方に危険を発見した際、安全に停止できる距離でなければなりません。高速道路の場合、時速100kmで走行しているときは約100m、時速80kmのときは約80mの車間距離をとる必要があります。また、雨で路面が濡れていたり、タイヤがすり減っていたりする場合には、この倍の車間距離が必要とされています。
車間距離確認の標識がある場合は、それを利用して十分な距離を確認しましょう。しかし、走行中に車間距離を正確に確認するのは容易ではありません。車間距離を時間に換算し、前の車が標識等の"目標"を通過してから自車が通過するまで、ゆっくりと3秒を数えて距離を確認しましょう。焦って数えないために「ゼロイチ・ゼロニ・ゼロサン」と、「ゼロ」を付けてゆっくり確認するとよいでしょう。

車間距離をとらないと飛び石でフロントガラスが割れる危険性がある

走行中、「パチッ」と車体に小石が当たるような音を感じたことがありませんか?道路上に散らばる小石を、車のタイヤが巻き上げて後続車に当ててしまうケース(飛び石)があります。小石がフロントガラスに当たればクモの巣のように割れて前が見えなくなる危険性があります。また、トラック等のように大きなタイヤを装着している車両は、溝に少し大きめの小石を挟んでしまい勢いよく後ろに飛ばす可能性があります。車体に小石が当たるような音がしたり、トラックが前を走行していたりする場合は、車間距離を長めにとり、慎重に走行しましょう。

走行車線を走るようにしましょう

追い越し車線を走り続けると違反になる

車線が複数ある場合、一番右端の車線は追い越しをするための車線で、車はそれより左側の走行車線を走らなければなりません(道路交通法第20条)。従って、追い越し車線を使って追い越した後は、走行車線へ安全に戻る必要があり、走行車線が空いているにも関わらず追い越し車線を走り続けることは交通違反です。
また、追い越し車線を走り続けると、追い越しをしたい他の車の進路を塞ぐ形となり、あおり運転を受けてしまうケースもあります。追い越しが終わった後は、追い越し車線から走行車線に戻りましょう。

追い越し車線は逆走車に出会うリスクが高い

自分が逆走していると気づいていないドライバーは、対面通行の道路で左側通行していると勘違いして、自車から見ると追い越し車線を逆走してくる可能性が高くなります。
高速道路の情報板などで、逆走車の情報を得たら、速度を落とし、車間距離をとって一番左の車線を走行しましょう。
逆走車を発見したら、路肩に避難し、携帯電話等で道路緊急ダイヤル(♯9910)か警察(110)に通報しましょう。


高速道路でのトラブルを回避するためには

今月のクイズの答え