自動運転レベル4が始まる！？

2023年4月号

今月のクイズ

自動運転レベル4の車を運行するためには、特定の条件が付きます。その条件を次の中から選んでください。

  • (1)
    場所(高速道路のみ等)、天候(晴れのみ等)、速度など自動運転が可能な条件
  • (2)
    緊急時など自動運転の継続が困難な場合は、システムの要請に応じてドライバーが適切に対応することが条件

2023年4月から、ドライバーがいない状態で走行する車両(自動運転レベル4)を運行(特定自動運行)する為の許可制度が始まります。
今月は、自動運転レベル4とは何なのか？特定自動運行とは何なのか？どうして自動運転が可能なのか？をみてみましょう。

自動運転のレベル4とは？

運転の自動化に伴うレベルは次の5段階に分かれています。自動運転レベル4は、場所や天候、速度などの特定条件の下、自動運転システムが主体となって車を操縦し制御を行います。2023年4月から、このレベル4の自動運転システムを装備している車の運行(特定自動運行)の許可制度が始まります。高齢化や人口減少が進む地域において、ドライバーがいない状態でもバスを運行することができるため、交通の利便性が向上し、交通弱者の方々が出かけやすい環境が整います。

表1：運転自動化のレベル

システムが主体の操縦 Level 5 完全自動運転(ドライバーズフリー)
常にシステムがすべての運転を行います。
Level 4 2023年4月よりスタート！
特定条件下における完全自動運転(ブレインフリー)
場所や天候、速度などの特定条件の下、自動運転システムがすべての運転を行います。
(作業継続が困難な場合もシステムが対応します)
Level 3 特定条件下における自動運転(アイズフリー)
特定条件下で自動運転システムが運転を行いますが、特定条件を外れる等、作動の継続が困難な場合はシステムの介入要求に対してドライバーが適切に対応することが必要です。
ドライバーが主体の操縦 Level 2 高度な運転支援(ハンズフリー)
自動で速度が遅い前の車を追い越したり、車線を維持しながら前の車に付いて走ったりなど、システムが前後及び左右の車両の動きを捉えて制御を行います。
Level 1 運転支援(フットフリー)
衝突被害軽減ブレーキや前の車に付いて走る、車線からはみ出さないなど、システムが前後及び左右のいずれかの車両の動きを捉えて制御を行います。

特定自動運行(自動運転レベル4相当)は、遠隔で監視を行う？

自動運転レベル4相当の特定自動運行を行うためには、各都道府県の公安委員会に申請し許可を受けなければなりません。また、特定自動運行を実施する者は、運行計画の遵守や業務従事者への教育などの義務が課されるほか、運行する地域の理解を得る必要があります。
ドライバーがいない状態の特定自動運行と言っても、特定自動運行主任者を配置し、運行の遠隔監視を行います。また、交通事故など不測の事態が発生した場合は速やかに救急や警察への通報、現場措置業務実施者を現場に向かわせるなどの対応を行わなくてはなりません。

自動運転レベル4の車はどのように走行しているのか？

どうしてドライバーがいなくても車が動くのか、みてみましょう。

運転に必要なドライバーの能力を、自動運転システムが替わって行う

自動運転レベル4の車では、運転に必要なドライバーの能力(認知、予測・判断、操作)を、自動運転システムが替わって行います。カメラやレーダーなどのセンサーで周囲の状況を認知し、AIや電子制御装置などで次に起こることを予測、安全な運転方法を判断し、適切に操作を実行します。

図1：自動運転システムのイメージ

自車の位置や周辺の交通状況は、自動運転システムのSLAM 技術やITS 等から取得する

自動運転システムは、カメラやLiDAR*1等を用いて常に自車の位置の特定と地図の作成(SLAM)を行っており、GPSを含む衛星からの位置情報と合わせて自車の位置を認識しています。SLAMは、タイヤの回転数・ジャイロや加速度センサーからの情報も取得しているため、通信環境が良くないトンネルの中でも自車の位置を認識することができます。
また、高度道路交通システム(ITS)等の情報網から周辺の交通状況を取得することにより、最適な判断と運転操作を行います。

図2：自車の位置を推定する技術

自動運転レベル4の車両に近づいても、普段通りに安全運転を行いましょう

自動運転レベル4の車両は、交通法規に則って安全運転を行います。運転中にみかけて「珍しい」と近くに寄る、「遅い」と急な割り込みをすると、安全のために速度を落としたり、路肩に寄せて停止したりする可能性があります。自動運転レベル4の車両に近づいても、普段通りに車間距離をとる、無理な追い越しはしないなどの安全運転を行いましょう。

少し先の自動運転レベル4は、高速道路をリラックスした状態で走行できる？

政府は、2025年に高速道路での自動運転(レベル4)の実施目標を掲げています。自動運転システムを装備した車が必要ですが、高速道路をリラックスした状態で走行することが可能になるかもしれません。


自動運転レベル4の車は、場所や天候、速度などの特定条件下で、車の自動運転システムがドライバーに替わりすべての運転を行います。
高齢化や人口減少が進む地域において、自動運転レベル4のバスを運行することにより、交通の利便性向上が期待されています。

今月のクイズの答え