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自転車との事故を防ぐには

2023年10月号

今月のクイズ

2022年中に起きた自転車事故は69,985件でしたが、交通事故全体に占める割合を、次の中から選んでください。

  • (1)
    約13%
  • (2)
    約18%
  • (3)
    約23%

自動車の運転中に、自転車が路地から飛び出してきたり、車の前をふらつきながら走っていたりしてヒヤリとしたことはありませんか?2022年中に起きた自転車と四輪車の事故件数は54,047件*1で、そのうち四輪車側の過失が大きい事故(第1当事者側)は49,272件となり約91%を占めていました。
今月は、自転車と他の車両の交通事故がどのように起きているかを通し、自転車との事故を回避するためにはどうしたらよいかをみてみましょう。

  • *1
    公益財団法人交通事故総合分析センター 令和4年「自転車事故の推移:衝突相手別 全事故件数」より

自転車と車両との事故はどのように起きているのか?

2022年中に起きた自転車と他の車両(四輪車、二輪車、自転車等)との事故で、自転車側が過失の小さい事故(第2当事者側)が発生したときの状況(事故類型)をみると、交差点での出会い頭による事故が約50%と最も多く、次に右左折時の事故が約32%を占めます(図1)。そのときの自転車側のミス(人的要因)の割合は、人的要因なしが最も多くなりますが、安全不確認が約33%、相手の動きを見誤る動静不注視が約18%と続いています(図2)。自転車は、交差点を通過したり、右左折をする際に、交差する道路を進む車両に対しての安全確認を怠ったり、「相手が道を譲ってくれる」と都合よく解釈したりして事故に遭っていると考えられます。
また、四輪車の過失が大きく、自転車等*2の過失が小さいときの事故の行動類型では、自転車側は直進走行中(等速での直進)が最も多く、次に道路の横断が続きます(図3)。一方、四輪車側も直進走行中が多くなりますが、右左折時や発進時等の行動でも多くの事故が発生しており、右左折や発進を行う交差点やその付近では注意が必要です。

  • *2
    自転車等:その他の車両(車両等から四輪車と二輪車を除く)
図1:自転車側(第2当事者)の事故類型の割合
(自転車と車両の事故)2022年中

図2:自転車側(第2当事者)の人的要因の割合
(自転車と車両の事故)2022年中
図3:四輪車(第1当事者)と自転車等(第2当事者)との事故時の行動類型の割合 2022年中

自転車との事故を防ぐためには

自転車は、搭乗者を守る車体やシートベルトがないので、事故に遭遇すると重大事故につながる危険性が高くなります。四輪車が自転車との事故を防ぐためにはどうしたらよいのかをみてみましょう。

信号機のある横断歩道や交差点では…

横断歩道や交差点で信号機が青信号に変わっても、一拍置いて、目の前の横断歩道付近から自転車が横断しようとしていないか確認してから、ゆっくりと発進しましょう。

交差点を右折するときは…

交差点が近づいてきたら交差点手前で止まれるくらいに減速し、対向車の動きや右折先の横断歩道の安全確認を行い、徐行で右折しましょう。
交差点に進入する対向車がいる場合は交差点内で停止して、安全確認がとれてから右折しましょう。ただし、対向車の通過を待つ間に右折先の横断歩道の状況が変わり、自転車や歩行者が横断歩道に進入してくるかもしれません。横断歩道やその周辺の安全確認をもう一度行い、自転車や歩行者を確認したら、横断歩道手前で止まり、通過するまで待ちましょう。

交差点を左折するときは…

交差点の30m手前になったらウインカーを点け、左後方からバイクや自転車が来ていないかをサイドミラーで安全確認して減速しはじめましょう。左折時に左後方から来るバイクや自転車の巻き込み事故を防ぐため、交差点手前でバイクや自転車がすり抜けできないように車を左側に寄せましょう(約1mが目安)。
交差点を左折するときは、右折待ちの対向車の動きも確認します。さらに、横断歩道上やその付近から歩行者や自転車が進入してこないか確認を行い、再度サイドミラーと目視で左後方の安全確認をしてから徐行で左折しましょう。歩行者や自転車を確認した場合は、横断歩道手前で停止し、歩行者や自転車が通過するのを待ちましょう。

信号機のない交差点では…

信号機のない見通しが悪い交差点では、一時停止の標識がなくても左右から自転車が飛び出てくることを想定し、交差点手前で一旦停止して安全確認を行いましょう。さらに、交差する道路を確認できるところでもう一度停止し(二段階停止)、安全確認を行い、ゆっくりと通過しましょう。

走行中の自転車の横を通過するときは…

自転車は、後方から車が接近していることに気付かず、思いもよらない運転行動をとることがあります。とくに、子どもや高齢者が運転している自転車は後方の安全確認をせずに急に車道に飛び出てくる可能性があります。また、自車がハイブリッド車や電気自動車の場合は、走行音が静かなので、自転車側が自車の存在に気付かないおそれがあります。
自転車の横を通過するときは、急に飛び出てくる可能性をふまえ、速度を抑え、自転車との間隔をあけて通過しましょう。場合によっては無理に追い越しをせず、自転車を先に通行させましょう。


今月のクイズの答え