故障などによるトラブルへの対応
2024年9月号
今月のクイズ
故障や燃料切れ・充電切れなどによって走行ができなくなったときに、対応を間違えると後続車を巻き込む事故などの二次災害を引き起こすリスクが高まります。非常時に慌てずに対処するために、万が一の際の対処の仕方と、トラブル防止のための備えについて考えてみましょう。
どのようなトラブルが多いのか?
JAF(日本自動車連盟)の発表によると、2023年度におけるJAFロードサービスの主な出動理由として、一般道路ではバッテリーやタイヤのトラブルが多く、高速道路ではタイヤや燃料切れによるトラブルが全体の約半数を占めています(図1)。走行中にこれらのトラブルが発生すると走行不能となり、大変危険です。
- 出典:JAF「ロードサービス救援データ-主な出動理由TOP10(2023年度)」より弊社作成
走行中にトラブルが発生したときの対応
1.安全な場所に停止する
まずは慌てずに、できるだけ安全な場所に停止しましょう。ハザードランプを点灯させ、左側に寄せて停止します。他の交通の妨げにならないよう交差点やトンネルなどは避け、できるだけ幅の広い路側帯などを選びましょう。
2.後続車に停止していることを知らせる
後続車を巻き込む事故を防止するために、自分の車が停止していることを知らせる必要があります。すみやかに後方に三角表示板(停止表示板)を設置しましょう。設置する際は発炎筒を持ち、走行車に合図をしながら移動すると安全です。三角表示板の他、発炎筒を置いたりトランクを開けたりすることで後続車へ注意を促すことができます。なお、発炎筒の有効期限は4年と定められていますので、予め期限を確認しておきましょう。
3.安全な場所へ避難する
二次災害への対処後は、車内にとどまらず、すみやかに歩道やガードレールの外側など安全な場所へ避難しましょう。万が一の衝突などから身を守るため、故障車よりも後方へ避難するようにしましょう。
4.ロードサービスを手配する
JAFや加入している自動車保険のロードサービスへ連絡をし、救援を依頼します。住所がわからないときは、ランドマークや交差点名、高速道路であればキロポスト*1の数字などを伝えましょう。通報後も、安全な場所で待機しましょう。
- *1キロポストとは、国道や高速道路などの起点からの距離を示す標識の1つで、高速道路では100m間隔で設置されています。
トラブル防止には事前の備えが大切です
日頃から車のメンテナンス管理をしましょう
走行時の故障やトラブルを防ぐためには、日頃の点検・整備が大切です。「ガラガラ」「キュルキュル」といったようなエンジンの不調を知らせる異音や、「硫黄のような臭い」「ゴムが焼ける臭い」などバッテリーやベルト部分のトラブルを知らせる異臭など、普段と違った音や臭いは車に異常が発生しているサインです。また、以下のような警告灯が点灯することもあります。このようなときは放置せず、すみやかに対処しましょう。
こまめな空気圧のチェック、早めの給油・充電を心がけましょう
タイヤのトラブルは一般道路でも高速道路でも多く発生していますので、ガソリンスタンドに寄った際や高速道路を走行する前など、こまめに空気圧をチェックし、適性値より低下している場合は補充しましょう。ガソリンは半分以下から3分の1程度になったら給油するのが望ましいです。すぐ近くにガソリンスタンドが無い場合や、渋滞や立ち往生、突然の災害など不測の事態で給油ができなくなることもありえます。早めの給油を心がけましょう。EV車の場合も、油断するとエアコン利用による電力消費の過多や充電スポットがなかなか見つからないなど、電欠が起こる可能性があります。充電にも時間がかかりますので、こまめに充電をしておきましょう。
ロードサービス付帯の自動車保険に加入しておきましょう
修理工場などへのレッカー搬送や緊急時応急対応費用の補償、ガソリン配達サービスなど、ロードサービス付帯の自動車保険に加入しておくと、いざというときに安心です。
- 走行不能時は、まず安全な場所に停止し、可能な限り二次災害の防止に努めましょう
- すみやかにロードサービスを手配し、安全な場所で待機しましょう
- 日頃の点検・整備や早めの給油・充電など、トラブルを未然に防ぎましょう
- ロードサービス付帯の自動車保険に加入してトラブルに備えましょう
今月のクイズの答え
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(3)
約200万件
- 出典:JAF「ロードサービス救援データ」より
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