正しい合図の方法
2025年4月号
今月のクイズ
道路での走行中にドライバー同士が直接コミュニケーションをとることは難しいため、ウインカー(方向指示器)による合図は、自車の行動を周囲に伝えるための重要な意思表示の手段です。しかし、正しいタイミングと方法で合図を行わなければ、接触や追突などの事故を招くリスクがあります。JAFが実施したアンケートでは、「方向指示器を出さずに車線変更や右左折する車が多い。」という問いに29.4%が「とても思う」、47.7%が「やや思う」と回答しており、合図を適切に出していない車が多いと思っている人が8割近くもいることがわかっています*。改めて、正しい合図のタイミングと方法について確認してみましょう。
- *出典:JAF「交通マナーに関するアンケート調査(2016年)」より
正しい合図のタイミングと方法
進路変更や右左折を行うときは道路交通法施行令第21条に従い、以下のタイミングで合図を出さなければなりません。
- 進路変更をするときは、進路を変えようとするときの3秒前に合図をします
- 右左折をするときは、右左折しようとする地点または交差点から30m手前の地点に達したときに合図をします
進路変更の合図は車線変更するときだけでなく、駐停車車両や工事現場などの障害物を避ける場合も含まれます。障害物を避けた後、元の走行位置に戻るときも合図を忘れてはいけません。急な動きにならないよう、戻りの合図も遅れないように注意しましょう。また、全ての合図は行動が完了するまで出し続けなければなりません。途中で切れてしまった場合は、すぐに出し直すようにしましょう。


正しく合図を出せていますか?
図のような道路では、合図の方法や必要性に迷うことがあるかも知れません。正しく理解できているかどうか、例題で確認してみましょう。


形状が複雑な道路では、合図が必要かどうか、どちらに出すべきなのか、判断に迷うことがあるかもしれません。どのように対応すれば良いのかを予め理解しておきましょう。
不適切な合図は事故を引き起こす可能性があります
図は、早すぎる合図によって出会い頭の事故が起きてしまった場面です。手前の黄色の車は「先の信号機のある交差点で左折をしよう」と考えて合図を出していますが、手前の交差点から出てくる緑の車は、黄色の車が左の合図を出しているのを見て「自分のいる交差点で曲がるのだろう」と考え、交差点へ進入したところで衝突してしまいました。このような事故を避けるためにも、合図は適切なタイミングで出すようにしましょう。また、緑の車の立場であったときも、右側からくる車の合図だけを見て判断するのではなく、速度やドライバーの視線などにも注意を向け、勝手な思い込みで交差点へ進入することのないようにしましょう。

図のような場面に限らず、不適切な合図は他のドライバーに自車の意思が正しく伝わらず、事故に繋がる危険性があります。合図が遅れる、出さないなどは「合図不履行違反」となり、周囲の車に迷惑をかけるだけでなく、急な動作が衝突や追突を招くリスクがあります。また、進路変更や右左折をしないにもかかわらず合図を出した場合や、行動と異なる合図を出した場合、行動が完了しても合図を戻さない場合など、不必要な合図は「合図制限違反」となります。合図による意思表示はお互いの行動を予め把握・理解するためにとても大切なことです。正しく行うようにしましょう。
- 合図は法令に従って適切なタイミングと方法で行いましょう
- 形状が複雑な道路や交差点での合図の出し方を理解しておきましょう
- 事故を防ぐために、不必要・不適切な合図はしないようにしましょう
今月のクイズの答え
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(2)
6,000円・1点
- 出典:「道路交通法施行令(別表)」より
- 出典: