運転中に大地震が発生したときの対応

2026年1月号

今月のクイズ

大地震発生時には主要道路が「緊急自動車専用路」や「緊急交通路」に指定されることがありますが、このような交通規制が実施される基準を次の中から選んでください。

  • (1)
    震度5弱以上
  • (2)
    震度6弱以上
  • (3)
    震度7弱以上

日本は地震大国といわれており、2024年1月1日に能登半島で発生した大地震も記憶に新しいのではないでしょうか。いつ発生してもおかしくない切迫性と経済・社会への大きな影響が懸念される大規模地震には、南海トラフ地震や首都直下型地震等があります。政府の地震調査委員会は今後30年以内に発生する確率として、南海トラフ地震で「60~90%程度以上」または「20~50%」、首都直下型地震で「70%程度」と高い数字を予想しています。大地震は、いつ・どこで発生するか分かりません。運転中に突然強い揺れに襲われたらどのように対処すれば良いのか、日頃からどのような心構えをしておけば良いのかを考えてみましょう。

運転中に大地震が発生したときは

大地震が発生すると道路の損壊、建物や電柱等の倒壊、落下物等、様々な危険が生じます。携帯電話の通信が途切れて正しい情報を得ることが難しくなったり、停電に伴う信号機の停止によって交通の秩序が乱れたり、突然の激しい揺れによって混乱に陥る可能性もあります。そのような状況下で無理に運転を続けると、自分自身や同乗者への危険に加え、他の人の避難や救助の妨げになることも考えられます。また、あわてて急ハンドルや急ブレーキで対処しようとすると、追突や横転等の事故となるリスクが高まります。まずは落ち着いて、次の手順で対応しましょう。

1. できるだけ安全な方法で道路の左側に停止する

急ハンドルや急ブレーキを避け、ハンドルをしっかり握り、車の姿勢を保ちながら徐々に減速しましょう。トンネルの中や橋の上、高架下、交差点の中央では停止せず、できるだけ建物や塀から離れた、広い場所を選びます。停止後はハザードランプを点けて、周囲に知らせましょう。

2. 情報を入手し、周囲の状況に応じて行動する

スマートフォンやカーラジオで地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動しましょう。運転を継続する場合、通常の交通環境とは様変わりしている可能性があります。損壊や倒壊、障害物によって道が塞がれる、上方向からの落下物等、前方以外から危険が迫ってくる、といったことが考えられます。また、揺れによるパニックや信号機の停止で交通の秩序が乱れ、交差点上で渋滞が発生すると、前後左右に車が詰まって身動きが取れなくなる状態(グリッドロック)に陥るおそれもあります。その他、余震の可能性もあるため、無理に運転を続けないようにしましょう。

3. 車を置いて避難する

車を置いて避難する場合は、避難する他の人の通行や災害応急対策の実施の妨げとならないように、できるだけ道路外の場所に移動させましょう。やむを得ず道路上に車を置いて避難するときは、車内への引火や車両火災を引き起こさないよう、窓を閉めてエンジンを止めます。放置車両が緊急車両や救援車両の通行の妨げとなった場合に別の人がすぐに移動できるよう、ドアはロックせず、エンジンキーは付けたままとするか、運転席等の車内の分かりやすい場所に置いておきましょう。余裕があれば車検証と貴重品、防災グッズを携帯して車を離れます。

高速道路では

急な減速は追突のおそれがあり危険です。ハザードランプを点けて周囲に知らせながら、状況を確認して少しずつ減速しましょう。停止するときは路肩や路側帯に入ります。避難する際は必ずガードレールの外側を歩くようにしましょう。

運転中以外に大地震が発生したときは

津波から避難するためや、歩行が困難で車で避難せざるを得ないなどの場合を除き、避難のために車を使用しないようにしましょう。津波から避難するためにやむを得ず車を使用するときは、十分に注意しながら運転してください。

交通規制について

大規模災害が発生すると、高速道路を含む幹線道路は「緊急自動車専用路」や「緊急交通路」に指定されることがあり、指定された道路は災害応急対策に従事する車両以外は通行できなくなります。自宅や職場に近い地域に「緊急交通路指定予定路線」とされている道路がないか、確認しておきましょう。

警察官の手信号・交通誘導

停電によって信号機が停止した場合は、警察官が手信号で交通整理をすることがあります。運転席から見て警察官の身体が横を向いているとき、腕を水平に上げている場合は青信号と同じ意味になり、垂直に上げている場合は黄信号と同じ意味になります。警察官の身体がこちら側を向いているときや背を向けているときは、腕の位置にかかわらず赤信号と同じ意味になります。手信号以外にも交通誘導を行うことがありますので、必ず指示に従いましょう。また、このようなとき警察官は車道上や交差点の中央に立っていることがありますので、接触しないよう速度を落とし、慎重に通行してください。

大地震の発生に備える

いざというときのために、次のようなことを準備しておきましょう。

災害発生後は供給不足の不安からガソリンスタンドが混雑したり、停電によって給油や充電自体ができなくなったりするおそれがあります。日頃から、残量は半分以上をキープするように心がけましょう。なお、電気自動車は災害時に非常用電源として活用することもできます。なるべくこまめに充電し、満タンを維持できると安心です。一部のガソリンスタンドには自家発電設備を備え、災害等が原因の停電時にも継続して地域の住民に給油できる「住民拠点サービスステーション(住民拠点SS)」があります。2025年2月時点で全国に約14,260箇所あり、資源エネルギー庁のウェブサイトから検索することができるので、予め確認しておくと良いでしょう。

自宅での防災対策と同じように、車にも懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、水、非常食、毛布、応急セット、ホイッスル等、必要となるものを備えておくと安心です。車を置いて避難する際、すぐに持ち出せるように防災バッグにまとめておきましょう。
一方で、被災後は車が避難所代わりやプライベートスペースとなることもあります。快適に過ごせるようなグッズも用意しておくと良いかもしれません。

日頃から大地震発生時の対応や注意点を意識しておくことで、突然の大きな揺れにも冷静に対処することができます。災害時には一瞬の判断が生死を分ける可能性もあるので、自分自身や同乗者の命を守るためにも、「揺れを感じたら、まずどうするのか?」「車を置いてどのように避難するのか?」等、具体的にイメージしておくことが大切です。

運転中の大地震による被害を最小限に抑えるために

今月のクイズの答え