一時停止と安全確認の重要性

2026年7月号

今月のクイズ

2025年中に発生した交通事故のうち、法令違反である「一時不停止」と「安全不確認」を合わせた割合で正しいものを次の中から選んでください。

  • (1)
    36.0%
  • (2)
    27.5%
  • (3)
    19.9%

日常の交通場面には、一時停止が義務付けられている場所や場面が多くあります。しかし、実際の交通事故では、一時停止の不履行や安全確認の不足が原因となるケースが少なくありません。一時停止は単なるルールではなく、危険を未然に防ぐための重要な安全行動です。今月は一時停止の重要性や意味、正しい方法について考えてみましょう。

一時停止の意味と正しい停止の仕方

一時停止は、信号機のない交差点や見通しの悪い場所等、交通事故のリスクが高い場所や場面に定められています。しかし、徐行・減速といった「止まったつもり」の行動や、安全確認を怠り「形だけの停止」で済ませてしまうと、重大な交通事故につながるおそれがあります。実際に発生した車両相互事故のうち、約3割は出会い頭事故であり、その多くは一時不停止や安全不確認に起因しています(図1)(図2)。事故を防ぐためには、正確な一時停止と確実な安全確認を行うことが重要です。

図1 一般原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別交通事故件数 [車両相互] 図2 出会い頭事故の原因となった主な法令違反

一時停止とは、停止線または交差点の直前で、タイヤを完全に停止させる行為を指します。指定された場所を越えて停止したり、徐行・減速のまま通過したりする行為は違反となります。また、一時停止は安全確認を行うための時間を確保する行為であり、単に停止すればよいというわけではありません。停止後は、3秒程度静止し、左右をしっかりと確認することが必要です。あらためて一時停止の方法を確認し、正しい手順で実践しましょう。

正しい方法
  • (1)
    停止線または交差点の直前で確実に車を停止させます。このとき、タイヤが完全に止まることを意識しましょう。
  • (2)
    左右の安全を目視で確認します。建物や壁等による死角がある場合は、一度停止した後に少しずつ前進し、左右が見えやすい位置でもう一度停止し、安全を確認してから進みます。このように、見える範囲を広げながら確認を行う「二段階停止」を徹底することで、見落としを防ぐことができます。
二段階停止の位置
誤った方法
×フロントバンパーが停止位置を越えてしまう
×停止後すぐに発進してしまう
×左右の確認をしながら徐行で進む
×一度の確認で済ませてしまう


誤った一時停止や安全確認の怠りは、見えない危険への対応を遅らせる要因となります。一時停止は見えている危険を確認するだけでなく、見えていない危険にも備える行動です。また、交差道路を通行する他の交通参加者へ、自分の車の存在を知らせる行為であることも意識しましょう。

一時停止が義務付けられている場所・場面

道路交通法によって一時停止が義務付けられている場所や場面を、いま一度確認してみましょう。

標識等によって指定されている場所

道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、停止線または交差点の直前で一時停止しなければなりません*1。特に見通しの悪い場所では停止線が交差点よりも手前に引かれていることがありますが、その位置を守って停止しなければ事故につながるおそれがあります。積雪等によって停止線が確認できないときは、停止線の標識が立っている位置を参考にし、この標識を越えないように注意しましょう。

一時停止の標識
停止線の標識

信号機のない踏切

踏切を通過しようとするときは、踏切や停止線の直前で停止し、安全であることを確認した後でなければ進行してはいけません*2。前の車に続いて通過する場合も、一時停止して目と耳で安全を確認する必要があります。ただし、信号機のある場合は信号機に従って通過することができます。発進する際は周囲の歩行者等にも注意しましょう。

信号機のない横断歩道に横断する人がいるときや停止している車があるとき

信号機のない横断歩道は歩行者優先です。横断している人やしようとしている人がいるときは、必ず一時停止して通行を妨げないようにしなければなりません*3。しかし、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)の調査によると、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は56.7%で、依然として約4割の車が止まらないという結果でした*4。また、横断歩道の手前に停止している車があるときも、その前方に出る前に一時停止をしなければなりません*5。止まっている車が死角となり、見えない場所から横断歩行者等が出てくる可能性があります。横断歩道の30m手前と50m手前には、前方に横断歩道があることを示す標示(◇マーク)があります。見つけたときは横断歩道周辺の状況をいち早く確認するよう心がけましょう。

歩道や路側帯を横切るとき

駐車場等に出入するために歩道や路側帯を横切るときは、直前で一時停止し歩行者等の通行を妨げないようにしなければなりません*6。歩道や路側帯は歩行者等が安全に通行するための部分です。歩行者等がいてもいなくても、必ず一時停止と安全確認をしましょう。

交差点やその付近で緊急自動車が近づいてきたとき

交差点やその付近で緊急自動車が接近してきたときは、進路をゆずるため、交差点を避けて道路の左側*7に寄り、一時停止しなければなりません*8。交差点付近以外では一時停止の義務はありませんが、緊急自動車を安全に通行させるため、状況に応じて停止するようにしましょう。また、発進する際は、他の交通参加者と接触しないよう、周囲の安全を十分に確認してから行動しましょう。

一時停止で交通の安全を確保する

「止まる」「見る」「確かめる」という基本動作を確実に行うことが、事故を防止し、交通の安全を図ることにつながります。一時停止と安全確認の重要性を認識し、正しい方法で行うようにしましょう。

今月のクイズの答え