あおり運転が起きるきっかけをつくらないためには

2020年5月号

今月のクイズ

「危険な速度や割り込み等、人や車の通行を妨害する目的で運転した罪」*が適用された事故は、2015年に18件発生しました。では、5年後の2019年に発生した件数を次の中から選んでください。

  • (1)23件
  • (2)28件
  • (3)33件

走行中に「後ろの車が迫ってきた」「無理な割り込みをされた」という経験はありませんか?「自分は普通に運転しているのになぜ?」と思ったことはありませんか?
今月は、あおり運転による死傷事故がどのようなきっかけで起きたのかを通し、あおり運転されない、しないためにはどうしたらよいかをみてみましょう。

誰でもあおり運転の被害者になる可能性があり、ともすると加害者に転じる危険性がある

「危険な速度や割り込み等、人や車の通行を妨害する目的で運転した罪*」が適用された死傷事故件数は、2016年と2017年の2年間で38件ありました。その内容をみると、加害者の約9割が四輪車で妨害し、被害者の約半数は四輪車、約4割が二輪車を運転して被害に遭っています。事故の発生場所は13%が高速道路、87%が一般道路で、あおり運転が注目されるようになったのは高速道路での事故ですが、多くは一般道路で起きています。車線数をみると、約6割が複数車線の広い道路で起きており、ほぼ追い越し車線で発生しています(図1)。
妨害行為のきっかけは、被害者に「進行の邪魔をされた」など、「~された」と加害者が思ったことが半数を超えています(図2)。しかし、その中にはたまたま追い越し車線を走り続けてしまったり、割り込み先の後続車に気づかなかったりと、被害者には加害者を挑発する意図が無いケースも含まれると思われます。一方、口論や不快なジェスチャーなど、被害者から敵意を向けられたことがきっかけだったものもありました。また、被害者が信号無視をしたことに対し制裁する意図を持って妨害行為を行ったケースもみられます。ささいなきっかけで、誰でもあおり運転の被害者になる可能性があり、ともすると加害者に転じる危険性があります。


図1:事故発生道路の車線数(2016年~2017年のあおり運転による死傷事故の割合)


図2:加害者が妨害目的の運転を行ったきっかけ(2016年~2017年のあおり運転による死傷事故件数の割合)


あおられるきっかけをつくらないためには…

走行中は、相手のドライバーの表情が確認できず、会話による意思疎通もできないため、運転態度一つで相手に誤解を与え、不快にする場合があります。あおられるきっかけをつくらないためには、ゆとりを持って相手を思いやる運転を心がけることが大切です。では、どうしたらよいのかをみてみましょう。

  • 複数車線の道路では一番左側の車線を走り、右側の車線は前の車を追い越すときのみ利用しましょう。
  • 車線変更するときは進行先の車を確認し、距離を十分にとって落ち着いて移動しましょう。
  • 後続車が急いでいるなと思ったら、路肩に寄って道を譲りましょう。
  • 前の車との車間距離は十分にとりましょう。
  • 車を停止するときは、徐々に減速して止まりましょう。

あおり運転をする車に遭ったときは…

安全運転を心がけても、あおり運転をしてくる車に遭うかもしれません。どのように対処すればよいのかをみてみましょう。

  • 相手の運転態度にいらいらしても、やり返さず冷静な運転を心がけましょう。
  • 相手の運転態度が執拗で危険だと思った場合は、警察署や消防署、コンビニなど、なるべく人がいる安全な場所へ避難しましょう。
  • 車から降りずに、窓を閉めドアをロックして警察に「110番」通報しましょう。相手が追いかけてきて、暴言や車を叩くなどの攻撃をしてきても応じてはいけません。
  • 一部始終をドライブレコーダーやスマートフォンで記録しましょう。

ドライブエージェント パーソナル(DAP)をご活用ください

車にドライブレコーダーが装着されていない場合は、「ドライブエージェント パーソナル」(DAP)のご活用をおすすめします。本機器は常に走行を録画(7時間半後は自動で上書き)するとともに、衝突など強い衝撃を検知した時は、自動で事故受付センターに連絡します。
また、車線を逸脱しそうになったり前の車に近づきすぎたりした場合に、音声と画面表示で警告することで事故を防止します。さらに、急アクセルや、急ブレーキ、急ハンドルといった運転操作の履歴も記録し、自身の運転が安全か診断を受けられます。

あおり運転の罰則が新設され、危険を生じさせた場合は罰則が強化される

社会問題となっている「あおり運転」に対する新たな罰則を設ける道路交通法改正案が2020年3月に閣議決定されました。国会で成立すれば、2020年の夏ごろに施行される見通しになります。

違反があった場合の罰則
3年以下の懲役または50万円以下の罰金
1回でも違反すれば、免許取り消し
車を止めさせるなど危険を生じさせた場合の罰則
5年以下の懲役または100万円以下の罰金
免許取り消し

今月のクイズの答え