結婚したら生命保険を検討したほうがいい?

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“既にある保障”を踏まえ保障設計

結婚をきっかけに、生命保険の加入検討を始める人も多いようですね。
そこでまず知っておきたいのが、「すでにある保障」。世帯の生計維持者が死亡すると、遺された家族は遺族年金の対象になるのです。ですから、土台となる保障を踏まえ、不足する分があれば生命保険で補う、これが死亡保障を確保するときの基本的な考え方です。
そもそも生命保険とは、遺された家族が暮らしに困らないようにするためのもの。遺された家族の暮らし方次第で、困り具合は変わってきます。生計維持者が死亡したら、どこでどのように暮らし、働くのか。こうした状況を見極めることがポイントです。

父子世帯も遺族年金を受け取れるが…

ところで、わが国の家族形態は多様化が進んでいます。会社員の夫と専業主婦の妻という、かつての「標準家庭」が減少する一方で、共働き家庭は増加。妻の収入が夫より多い家庭も少なくありません。さらに、妻が生計を維持して夫が専業主夫となる世帯も増加傾向にあります。
このとき気になるのは、家計寄与度の高い妻が先立ってしまったときかもしれません。
現在は母子のみならず、遺族が父子の場合でも、遺族基礎年金を受け取ることができます。しかし、遺族厚生年金は夫ではなく子が受け取るため、18歳になると年金支給はストップ。ですから最長で生涯にわたり遺族厚生年金を受け取れる妻とは異なり、夫は限られた年金額しか受け取ることができないのです。
つまり現在では、「結婚したら夫に生命保険を」ではなく、個々の世帯のリスク状況を踏まえた現実的な準備が大切になっているのです。

■遺族構成と遺族年金(生計維持者が会社員の場合)

妻と子 遺族基礎年金+遺族厚生年金
遺族厚生年金
夫と子 遺族基礎年金+遺族厚生年金(子のみが受け取る)
55歳未満の夫は原則、対象外

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コラム執筆者

ファイナンシャル・プランナー 清水 香さん

学生時代より生損保代理店業務に携わるかたわら、ファイナンシャル・プランナー(FP)業務を開始。2001年、独立系FPを志し独立、のち(株)生活設計塾クルー取締役に就任、現在に至る。生活者のライフプラン相談を受けているほか、執筆・講演活動も幅広く展開、テレビ出演も多数。
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