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火山噴火への備え

火山噴火への備えは大丈夫?

活火山は、噴火していない時間の方が圧倒的に長いことも事実です。しかし、ひとたび噴火すると、噴石や火砕流などが短時間で襲来する可能性があります。私たちは、いつ発生するかわからない火山の噴火に対して、しっかりと備えておくことが大切です。

噴火予知


*GNSS観測点:全球測位衛星システムによって観測しているポイント
(GNSS:Global Navigation Satellite System)

マグマが地下の浅い場所に上昇するとき、岩盤を割りながら上昇するため地震が発生します。また、上昇してきた際に山を膨らませるため、位置や傾斜に変化が起きます。地表では、噴気が増えたり温泉に異常が見られたりすることがあります。これらを計測・観測することで、火山活動の変化をあらかじめ知ることができます。

これらの観測精度が高まると、マグマは上昇したものの噴火には至らない現象の検知が、増える可能性があります。2015年8月、鹿児島県 の桜島では、約1000回の兆候を観測しました。火山に関する情報が出ているあいだは、防災意識を持ち続けることが重要です。

噴火警戒レベル

噴火警戒レベルとは、登山者、防災機関、住民が取るべき行動を5段階のキーワード(避難、避難準備、入山規制、火口周辺規制、活火山であることに留意)で設定したものです。噴火警戒レベルは、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山のうち、48火山(2021年4月現在)で運用されています。 こうした情報に敏感になることが大切です。

レベル1 活火山であることに留意(対象範囲火口内など 火山活動の状況火山活動は静穏。火山活動の状態によって、火口内で火山灰の噴出等が見られる(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)。 住民等の行動通常の生活。(状況に応じて火山活動に関する情報収集、避難手順の確認、防災訓練への参加等。) 登山者・入山者への対応特になし(状況に応じて火口内への立入規制等)。) レベル2 火口周辺規制(対象範囲火口周辺 火山活動の状況火口周辺に影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される。 住民等の行動通常の生活。(状況に応じて火山活動に関する情報収集、避難手順の確認、防災訓練への参加等)。 登山者・入山者への対応火口周辺への立入規制等(状況に応じて火口周辺の規制範囲を判断)。) レベル3 入山規制(対象範囲火山から居住地域近くまで 火山活動の状況居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される。 住民等の行動通常の生活(今後の火山活動の推移に注意。入山規制)。状況に応じて高齢者等の要配慮者の避難準備等。 登山者・入山者への対応登山禁止・入山規制等、危険な地域への立入規制等(状況に応じて規制範囲を判断)。) レベル4 避難準備(居住地域及びそれより火口側 火山活動の状況居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される(可能性が高まってきている)。 住民等の行動警戒が必要な居住地域での高齢者等の要配慮者の避難、住民の避難の準備等が必要(状況に応じて対象地域を判断)。) レベル5 避難(居住地域及びそれより火口側 火山活動の状況居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある。 住民等の行動危険な居住地域からの避難等が必要(状況に応じて対象地域や方法等を判断)。)

気象庁ホームページより弊社作成

ハザードマップ

過去の火山活動や噴火から、噴石や火砕流などの災害がどの範囲まで及ぶか、ある程度予測することができます。それを地図で示したものがハザードマップです。あらかじめハザードマップで、危険な区域を確認しておきましょう。

登山時の備え

どのあたりに避難小屋や山小屋があるのか、事前に確認してから登るルートを決めましょう。また、過去に発生した噴火や災害、最新の火山活動の状況などについて、Webサイトや関連書籍で調べておきましょう。登山時には、ヘルメットやタオル、ライトなどを装備してから登りましょう。

火山ガス濃度を確認することも大切です。濃度が高い場合は山への立ち入りが制限されます。特に喘息の症状が懸念される方は注意が必要ですが、健常者でも長時間の滞在は避けることが、噴火リスクを低減する意味でも大切です。

「緊急時の避難ルート」としては、風下ではない尾根のコースをたどることが有効です。その場合、登山ルートと異なる可能性もありますので、事前に複数のルートも確認しておくことが重要になります。

また、近年の登山人気により登山を楽しむ人が増えている一方で、登山計画書(登山届)を提出せずに山に登る人の増加が問題になっています。登山計画書(登山届)が提出されていないと、万が一の緊急捜索活動が円滑に進みません。登山届制度が導入されている火山については、必ず登山計画書(登山届)を提出しましょう。

提出方法は、次の3つがあります。

  • 1登山口の近くにある「登山ポスト」に提出
    その場で書かず、入山前にあらかじめ書いておきましょう。
  • 2事前にFAXや郵送で提出
    登山山域の都道府県警察本部地域課、または山域を所管する警察署・交番・駐在所に提出しましょう。
  • 3メール(インターネット)で提出
    警察署によっては、メールやインターネット上から提出できる場合があります。
  • 4日本山岳ガイド協会「Compass(コンパス)」
    オンラインで登山計画書を作成し、提出することができるほか、作成した登山計画書を設定した連絡先に送付することも可能です。

内閣府ホームページより弊社作成

また、各登山山域の都道府県では感染対策情報も公開されていますので登山前に確認しましょう。

火山灰への備え

ひとたび火山が噴火すると、その噴火は長期間続くことがあります。特に火山灰は広範囲に飛散し、農作物の被害、家屋倒壊など、社会生活に深刻な影響を与えます。さらに、人体にもさまざまな害をもたらします。いざというときに、火山灰から自分の身を守るためにも、マスクやゴーグルなどの防災グッズを備えておきましょう。

マスク

火山灰を吸い込むと、せきや息苦しさ、のどが痛くなるなどの症状が出てくるほか、呼吸器疾患を悪化させる恐れがあります。

火山灰を吸い込まないよう、防塵能力が高いマスクを用意しましょう。

ゴーグル

火山灰は、塵のように細かい上、角が尖っているため、目に入ると角膜を傷つける恐れがあります。

火山灰が目に入らないように、防塵ゴーグルを備えておくと安心です。

レインコート

皮膚に火山灰が付くと単純に不快というだけではなく、尖った角で皮膚を傷つけることもあります。

外出時に着用できるよう、レインコートを準備しておけば、火山灰から皮膚や洋服を守ることができます。

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