日本の森林・林業の課題
日本の森林・林業に関する課題は多岐にわたります。
森林の多面的機能に関する課題
日本の森林の約4割は戦後に植林された人工林であり、その多くが資源として利用可能な段階に達しています。このため、林業に適した場所においては、以下の対応が必要です。
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・適正な伐採
森林資源を持続的に利用するために、計画的でかつ林地を荒らさない適正な伐採を行う必要があります。 -
・再造林の確保
伐採後の森林再生を確実に行うことが重要です。また、気候変動による豪雨の増加等に対応するため、間伐等の森林整備や治山対策を更に進める必要があります。
林業に関する課題
人口の減少に伴い林業の従事者数が減少している現状においては、以下の対応が求められます。
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・林業経営体の育成や人材の確保
長期にわたって持続的な経営ができる林業経営体の育成と人材の確保が必要です。 -
・コストの低減
ドローンやエリートツリー(成長の早い木)等の活用によりコストの低減を図る必要があります。 -
・生産性の向上と労働環境の改善
林業作業の省力化・軽労化による生産性の向上と、林業従事者の安全と労働環境の改善を進める必要があります。

林産物(木材)に関する課題
原木を安定的に供給していくためには、以下の取り組みが必要です。
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・生産流通の効率化
原木の安定供給には生産流通の効率化が必要不可欠です。 -
・品質性能の向上と低コスト供給
国産材が競争力の高い外材などに対抗するため、寸法安定性に優れた高品質な木材製品を低コストで安定的に供給することが求められます。 -
・木材需要の喚起
都市や生活関連分野等における木材利用の促進を図り、木材需要を喚起する必要があります。
