フィジー

フィジーは300余の火山島と珊瑚礁からなる共和国です。植林を行っているビティレブ島では、波や潮流による海岸侵食、サイクロンやハリケーンなどの被害を受けやすい場所です。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

フィジーでは、2004年度よりNGO「オイスカ」により、マングローブ植林活動を進めています。波の力が強く、土壌の浸食や高波による被害が多いため、その被害を軽くすることを目的としてマングローブを植林しています。マングローブを植えた場所は、土砂が堆積して地盤が強くなっており、今後少しずつ災害への抵抗力が高まることが期待されます。

  • 2023年度の植林面積 0.4ヘクタール
  • 累積植林面積 80.4ヘクタール

マングローブ植林活動状況

ビティレブ島北東部・ラ県にあるヴェイドゥララ村の新しい植林地Namuruwaiで、14人の村人が参加し、700本のマングローブを植えました。この活動には、女性も積極的に参加しています。

同村のベカという植林地では、14人の村人とともに、1,000本のマングローブを植林しました。また、ナオゾバウ村のDralevuという植林地では、17人の村人が参加し、1,500本のマングローブを植えました。

女性が積極的に参加したヴェイドゥララ村での植林活動の様子

村人と犬も参加したナオゾバウ村での植林活動の様子

植林活動から2カ月後のマングローブの様子

植林地の様子

今年度の新たな植林地ヴェイドゥララ村で2カ月後にモニタリング調査を実施したところ、マングローブは生存率が約90%となっており、順調に成長しています。

サイオコ村では、海岸沿いに植えられたマングローブが成長し、村を風や高波から守ることができるようになりました。生態系を効果的に利用した防災や減災(Eco-DRR)の取り組みとして好結果を得ているといえます。自然災害から土地や村人を守るためにマングローブが重要であるという認識は、少しずつ周辺の村にも浸透しています。また、実際にマングローブの森が形成されている村では、魚介類が顕著に増加しており、住民たちの生計の維持・向上に貢献しています。

サイオコ湾内では、新たにマングローブの植林が必要とされる場所が2カ所あることがわかりました。ここでもマングローブを植え、適切に管理することで、浸食や地滑りなどの緩和が期待できます。

2022年に種を直植えしたサイオコ村のマングローブの様子

2023年1月に植えたマングローブの様子

過去にナオゾバウ村で植えたマングローブは、立派な林を形成しています

今後の活動予定

次年度は、ビティレブ島北岸のバ州からタブア州にかけての2カ所を新たに追加し、マングローブの植林活動を実施していきます。