フィジー

フィジーは300余の火山島と珊瑚礁からなる共和国です。植林を行っているビティレブ島では、波や潮流による海岸侵食、サイクロンやハリケーンなどの被害を受けやすい場所です。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

フィジーでは、2004年度よりNGOオイスカにより、マングローブ植林活動を進めています。波の力が強く、土壌の浸食や高波による被害が多いため、その被害を軽くすることを目的としてマングローブを植林しています。マングローブを植えた場所は、土砂が堆積して地盤が強くなっており、今後少しずつ災害への抵抗力が高まることが期待されます。

  • 2022年度の植林面積 1.8ヘクタール
  • 累積植林面積 80ヘクタール

マングローブ植林活動状況

ビティレブ島北東部・ラ県の湾に囲まれたヴェイドゥララ村では、今年からベカと呼ばれる植林地での活動を始めました。育苗場で育てたマングローブの苗木1,700本を植えました。また、過去サイクロンに倒された林に再植林したマングローブも無事に育っていることが確認できました。

ラ県内のほかの植林地でも活動を実施しました。ナヴォラウ村では1,600本、ナヴニイヴィ村では1,200本、ナオゾバウ村では1,500本のマングローブを植えました。また、サイオコ村では8,000本の胎生種子の植林に加えて、土砂崩れを起こしやすい場所に根が深く伸びる草を植える活動も実施しました。

さらに、ビティレブ島南西部のホテル「Fiji Marriott Resort Momi Bay」との共同事業で、2022年6月に500本、2023年3月に300本のマングローブを植林しました。スタッフがとても協力的・積極的であり、植えたマングローブの活着率も高いことから、今後もぜひプロジェクトの一環として連携していきたいと考えています。

ヴェイドゥララ村での植林活動の様子

サイオコ村でマングローブの胎生種子を植えている様子

ホテルと連携して実施した植林活動の様子

植林地の様子

植林地周辺の住民は漁業を営む人々が中心で、マングローブ植林による効果に対しての期待が大きく、保全への意欲は高くなっています。マングローブ林を維持・管理していくことが、周辺に棲む魚介類をはじめとした生物の多様性につながること、入手できる魚介類の捕獲量やサイズが大きくなっていること、それが沿岸住民の生活にとっても非常に重要なことを実感しています。

そして、政府はコロナ禍の援助策として、一部の村人にマングローブ苗を提供しました。マングローブ植林活動における数々の実績が、この支援につながっているものと考えられます。政府は沿岸の村人たちにマングローブの保護と保全を奨励し、地元の人たちに保全活動に前向きになってもらうよう試みています。

コーラルコーストで3年前に植えたマングローブ

ナオゾバウ村で2018年に植えたマングローブ

マングローブの苗床作りに励む住民と関係者

今後の活動予定

次年度も、マングローブの植林活動や育苗活動を実施していきます。