植林活動の歴史
東京海上日動は、1999年からマングローブ植林事業を開始し、2024年3月末までに、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、フィジー、バングラデシュ、インド、マレーシアの9カ国において12,597ヘクタールの植林を実施しました。NGOのマングローブ植林行動計画(ACTMANG)、公益財団法人オイスカ、特定非営利活動法人国際マングローブ生態系協会(ISME)をパートナーとして、植林地域の政府や地域の住民のみなさまと連携しながら取り組んでいます。
きっかけは社員の声から
東京海上日動は、創業120周年の記念事業の一環として1999年よりマングローブ植林事業を行っています。「環境を守り、長く続けられることを」という社員の声をきっかけに始まりました。2007年には、当社の地球温暖化問題への取り組みとして、「マングローブ植林事業」を100年間続けることを宣言しています。また、長年の取り組みが評価され、2013年には、「地球温暖化防止活動 環境大臣表彰(国際貢献部門)」を受賞しました。
※植林事業を行っている国(2024年3月末現在)
インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、ベトナム、インド、バングラデシュ、フィジー(順不同)
ベトナム ハイフォン市ティエンラン郡で初めての植林体験
植林を開始した1999年7月には、社員・代理店・グループ会社社員・OBとその家族を対象とした「マングローブ植林ボランティア」を初めて実施しました。約30名のメンバーがベトナムのハイフォン市ティエンラン郡を訪問し、ハイフォン市長や地域の住民のみなさんと一緒にハマザクロという種類の苗木を植えました。植林場所までは舟で渡り、膝まで水に浸かり泥だらけの大変な作業となりましたが、自分たちの手で植えた苗木が海の森に育つことを想像しながら、全員で力をあわせて作業を行いました。



植林活動の困難を乗り越えて
植林活動では、自然の力による困難もあります。
インドのグジャラート州サバルマティ川河口のヴァドガム村では、近年、サバルマティ川が大増水となり、植林地が侵食されてヒルギダマシという種類のマングローブが洪水で流出してしまいました。
また、フィジーでも植林地が河口付近に位置しており、集中豪雨の際に満潮になると、流されてきた砂や泥、がれきで苗木がダメージを受けることがあります。また、マングローブの天敵であるフジツボがストレスとなって、マングローブの成長が阻害され、なかには枯れてしまうものもあります。
こうした被害やダメージは、村のミーティングで共有され、漂流物などがあるときには干潮時に撤去するなど、地域の住民のみなさんが知恵を出し合い、マングローブを守っています。

成長し続けるマングローブ植林活動

カーボン・ニュートラル
東京海上グループでは、事業活動により生じるCO2排出量を、マングローブ植林やグリーン電力証書(風力、バイオマス)等によりCO2吸収・固定・削減効果で相殺する「カーボン・ニュートラル」化を進めています。マングローブ植林を活用した、カーボン・ニュートラルの取り組みは、国内外において類を見ないユニークな取り組みです。
※エネルギー起源のCO2排出量等の情報は、EY新日本有限責任監査法人による「第三者保証」の対象となっています。マングローブ植林によるCO2吸収・固定量の情報は、財団法人電力中央研究所に評価・算定を依頼し、報告書を受領しています。さらに、その報告書の主要な算定過程をEY新日本有限責任監査法人が確認しています。

カーボン・ニュートラルの実現(2023年度)
マングローブ植林による経済価値と地域社会にもたらした影響
東京海上日動では、株式会社三菱総合研究所に調査を委託し、国際的に認められた方法論に従い評価を実施。その結果、同社が植林を開始した1999年4月から2023年3月末までの間に生み出された経済価値が、累計2,023億円に達しているという試算結果を得ました。また、地域の人々の暮らしの向上や防災・減災などの便益も生み出されています。