ベトナム

ベトナムでのマングローブ植林プロジェクトは20年以上が経過し、大きなマングローブ林が広がっています。ベトナム北部から中部、まれに南部も台風による高潮被害にみまわれるため、マングローブ林は天然の防波堤としての大きな役割が期待されています。今後は防災効果が期待される沿岸部などに植林を行うため、適正な樹種を見極めるための試験植林や、劣化した植林地の再生などの保全活動に力を入れることにしています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

ベトナムでは、1999年からNGO「マングローブ植林行動計画(アクトマン)」が、MERD(ベトナム国家大学マングローブ生態系研究センター)および、現地の住民のみなさんとともに、マングローブ植林事業を実施しています。伐採を前提とした木材生産ではなく、防災林や環境林など沿岸部の保護林の造成を主な目標としています。これにより生態系が回復し、地域住民は恩恵を受けることができます。

  • 2023年度の植林面積 20ヘクタール
  • 累積植林面積 1,833ヘクタール

マングローブ植林活動状況

2023年度は、ハイフォン市ティエンラン郡で育てたベニマヤプシキの鉢苗を、ホン川河口域にあるクアンイエン市ハアン村へトラックと船で運搬し、海岸堤防の前にある干潟10ヘクタールに植えました。波風による苗の流失や損傷を軽減するために、植栽した苗は竹の支柱で固定しています。2024年4月時点の活着率は、約70パーセントです。

また、クアンニン省ハイハー郡クアンホン村でも、海岸堤防前の10ヘクタールの干潟にヤエヤマヒルギを植えました。この植林活動は省・郡・村の各赤十字、村の人民委員会、作業に参加した村人、MERDの協力のもとで実施されました。こちらも約70パーセントの苗が、順調に生育しています。

植林後に竹の支柱で支えているベニマヤプシキ

植林から8カ月後のヤエヤマヒルギ

ベニマヤプシキの鉢苗を運搬している様子

植林地の様子

植林の準備と指導、植林地の調査などを行う駐在スタッフを支援するほか、マングローブの生育や事業の評価、行政や協力団体との協議などのため、日本からもスタッフを3回派遣しました。

ドンズイ村で水産養殖業者に、聞き取り調査をしている様子

ニンハイ郡の植林地でヒルギダマシの直径や樹高を測定している様子

以前ニンホア郡ニンイック村に植えたオオバヒルギの樹高などを測定している様子

今後の活動予定

次年度は、引き続きクアンニン省ハイハー郡クアンホン村の、海岸堤防の前にある干潟20ヘクタールに、ヤエヤマヒルギを植える予定です。